私立中高進学通信
2017年8月号
アクティブラーニングで伸ばす新しい学力
聖望学園中学校
ICT活用のグループワークで学び合い、理解度を深める
生徒の積極性を引き出す能動的な英語の授業

ネイティブの先生の指導で、英語への親しみも強くなります。
互いに教え合う楽しさを知り、友達同士で教え合う姿もよく見られるそうです。
自由度の高い授業で生徒たちのやる気を高める
面倒見の良さと、細やかな指導が特色の同校。多くの生徒が中学で初めて学ぶ英語科の授業では、生徒全員が確実な英語力を習得できるように、ネイティブの先生と日本人の先生のチームティーチング型授業、ネイティブの先生のみが指導するオールイングリッシュの授業、日本人の先生が指導する英文法中心の授業と、3種類の授業形態を設け、すべて1クラスを2つに分けた少人数制で指導しています。
2016年度からはiPadの導入を開始。英語科の授業でもICTツールと組み合わせて活用し、生徒が能動的に学べる仕組みを作っています。
この日は日本人の先生とネイティブの先生のチームティーチング型授業が行われていました。まず、先生が今日勉強するタームの英語音声をiPadで再生します。この日の教科書の内容は地震について、インドから来た少年と日本人の少年が会話するというものです。日本人の先生が文意を解説したあと、
「インドはどこにあるかな?」
と手元のiPadを操作して、電子黒板にサッと世界地図を表示。ネイティブの先生に地震を経験したことがあるかどうかを質問するなど、先生たちによる出身地や地震体験についての英語の会話が続きます。生徒たちは熱心に聞き入っています。
黒板に例文を表示すると、生徒たちが1人ずつ前に出て、文法上のポイントを書きこんでいきます。先生が書き込みの出来栄えを褒めながら文法を解説し、今度は例題に取り組みます。ここからはiPadの出番。先生がその場で問題を生徒たちのiPadに配信し、全員が一斉に解くその間も、生徒たちの側を歩き回り、自由に質問を受けます。その後、グループワークも実施。生徒同士でお互いの意見をすり合わせ、自分たちで考えた例文を発表しました。
「この表現にしてみる?」
と先生もアドバイスしながら、生徒たちに自ら考え、答えを見つける力を身につけさせていきます。
学び合う姿勢が理解を進めていく
「中学生は集中力もさほど高くありません。そのため、変化のある授業を心がけています。あとは『どう思う?』と問いかけても反応がないときに、周囲と会話をすることを促して、考えさせるようにしています」
と、英語科の田島理恵先生は言います。グループによる話し合いの効果は大きく、話し合いの際には消極的だった生徒も、他の生徒の意見を聞いて考えが深まるため、問題を解かせると理解が深まっているそうです。
「ICTを導入したことで、学びが広がるきっかけが増えたと思います。教え合うことで理解度も深化していると感じています」
アクティブラーニングでは高度なグループワークをいきなり導入するのが難しい場合がありますが、同校では段階を踏み、先生のサポートやICTを利用して、自然な形で生徒の積極性を引き出しています。
「今後も、学年全体でアクティブラーニング型授業を実施して、学び合う関係と積極性を培っていきます」
Step 1
友達とも相談しながら疑問点を明らかにしていく

「授業の中でわからないことがあれば、仲間同士で助け合おう」
というのが同校のポリシー。お互いの意見を聞くことで刺激を受けると共に、授業にもリズムが生まれます。また、わからない生徒にほかの生徒が教えることで、教える側の生徒の理解度も深まります。 生徒同士だけでなく、先生と生徒の会話も活発です。先生たちは生徒の様子を見ながら効果的な声がけを行い、生徒の自主的な学びをサポートしています。
Step 2
一斉書き込みの機能を使い全員参加型のレッスン
生徒が設問を解いている間に、先生のiPadには全員から送信された解答が表示されます。先生は生徒たちの解答の一斉チェックで全体の理解度を確認するとともに、個別にチェックすることもでき、授業の効率化がはかれます。
また、同校が使用しているアプリケーション「MetaMoJi ClassRoom」では、一斉書き込みの機能を使い、1枚のシートに生徒たちが同時に書き込みをすることもできます。生徒たちは友達の書き込みを見ることで、さまざまな気づきを得ることができます。「全員が主役の授業」が同校の魅力です。


ココも注目!
アクティブな授業で会話も増える

チームティーチング型授業では2人の先生が少人数の生徒を担当しているため、質問の機会も増えます。また、空き時間があれば、ネイティブの先生が気軽に声をかけてくれます。問題を早く解いた生徒がネイティブの先生に話しかけ、英語での会話がはずむ場面も。自由度の高い授業を行っている同校ならではのひとときです。
ICTツールでアクティブな授業をより活性化
従来の授業とipadを効果的に組み合わせる

「英語科としてはiPadを導入しても、鉛筆とノートはもちろん活用します。英単語練習や例文の書き出しなどは、必ず4本線のノートで行います。書いて発音することで英単語は頭に入っていきますので、手と口を動かすことを徹底しています。
一方で、iPadならではのメリットももちろんあります。本校では英語の授業は習熟度別クラスで行っていますが、そのつど問題を配信することで、そのクラスに合った内容をリアルタイムで提供することができます。今後は生徒が「もう少し続きをやりたいな」と思うような仕掛けを、もっと取り入れていきたいですね」(英語科/田島理恵先生)
(この記事は『私立中高進学通信2017年8月号』に掲載しました。)
聖望学園中学校
〒357-0006 埼玉県飯能市中山292
TEL:042-973-1500
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- グローバル社会を見据えた プレゼンテーション教育と語学教育大宮開成中学校
- 一体となって勝利をめざす応援で強まる絆、高まる愛校心明治大学付属中野八王子中学校
- 親密なコミュニケーションで言葉とともに多様性を理解する浦和実業学園中学校
- 協力し、ともに汗をかくことで芽生え、育まれる友情京華中学校
- 日本文化を知り国際感覚を磨く共立女子中学校
- 【ダンス部/バドミントン部】生徒の自主性を原動力に伝統を創り、受け継ぐ関東学院中学校
- 【吹奏楽部】自身の役割を理解して部の活動に貢献するサレジオ学院中学校
- 【英語部ディベートチーム/バトン部】部活動を通じてより磨かれる思考力・判断力・表現力西武台新座中学校
- 【料理部/ソフトテニス部】みんなで一つの目標に向かう喜びを知る東京家政学院中学校
- 【吹奏楽部/バドミントン部】指導者と生徒が心を一つに豊かな人間性を育む東京純心女子中学校
- 【バドミントン部】仲間と厳しい練習に挑み人として成長する高輪中学校
- イマージョン教育で確かな英語力を習得駒込中学校
- 中1から参加できる!セブ島英語研修スタート文教大学付属中学校
- 発信力と国際理解力を養いグローバルリーダーを育成目黒学院中学校
- グローバルな視点を育むユネスコスクールの取り組み麗澤中学校
- ICT化を加速させ思考力・表現力・判断力を向上城北中学校
- ICT活用のグループワークで学び合い、理解度を深める聖望学園中学校
- 英語で主体的に発信できる生徒を育てる田園調布学園中等部
- 自身で判断しようとする努力を見守り 多様な可能性を示してあげましょう江戸川女子中学校
- 子どもの考えや気持ちを正確に聴くこと話すことで自ずと自立していく佼成学園中学校
- 人生の岐路を相談できる仲間を見つけ家族のような関わり合いを育む秀明中学校
- 思春期はさまざまな体験をさせ 未来を生きる力を育むチャンス目白研心中学校
- 試行錯誤しながら課題に取り組むサイエンス・アドベンチャー恵泉女学園中学校
- 温かい先生と友達に囲まれて、楽しく充実した毎日を送っています!川村中学校
- 中学での留学制度が進路の決め手に!またニュージーランドへ行きたい。東京成徳大学中学校
- 「英語」や「科学」。やりたいことをとことん追求できる環境が自慢!山脇学園中学校
- 充実したサポート体制で生徒一人ひとりの進路の実現と豊かな人間性を育む完全一貫教育校佐野日本大学中等教育学校
- バランスの取れた教育方針と独自プログラムで生徒の才能を伸ばす京華女子中学校
- 挑戦する勇気や自分で判断する「たくましさ」を育てたい東京家政大学附属女子中学校
- デジタルの時代だからこそ大切なリアル体験型学習日本学園中学校
- 新たな『日駒新教育構想』を掲げ基礎学力を徹底する全人格教育を日本工業大学駒場中学校
- 『東大・医進クラス』が躍動!学校全体に活気が生まれ刺激し合う環境が当たり前に八王子学園八王子中学校
- 算数1教科入試を2月1日午後に新設品川女子学院中等部
- 適性検査型入試と英語技能入試を新設城西大学附属城西中学校
- 自立への導きとなる本格的な農作業体験狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- 全校が集まる会食でマナーと感謝を育む光英VERITAS中学校(現校名 聖徳大学附属女子中学校)
- 独自のワークブックで21世紀型授業を展開東京女子学園中学校
- 外国人教員が主導のダブルティーチャー制武蔵野大学中学校
- 好きなことにまっすぐ打ち込む自分を支えてもらえた6年間日本大学第二中学校
- 多くの選択肢から自分の道を選び取る 自主性を育む自己管理と目標設定青稜中学校


