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私立中高進学通信

2017年7月号

中1の始め方

世田谷学園中学校

1泊2日のオリエンテーションが
自立へのきっかけと仲間づくりに

緊張と期待とともに臨む入学式。同校では、『Think&Share』の教育理念のもと、「明日をみつめて、今をひたすらに」「違いを認め合って、思いやりの心を」をモットーにした教育を行っています。

緊張と期待とともに臨む入学式。同校では、『Think&Share』の教育理念のもと、
「明日をみつめて、今をひたすらに」「違いを認め合って、思いやりの心を」をモットーにした教育を行っています。

学園生活に慣れるためのオリエンテーション

 仏教・禅の精神のもと、学力の向上だけではなく、人間としての成長を大切にした教育を行っている同校。学園生活がスタートする4月の終わりに、まず行われるのが、1泊2日のオリエンテーションです。

「本学園では、生徒にとって『学校が楽しくて仕方がない』と思える場所であることを大切にしています。特に、中学校生活で得た友人は、その後も悩みを分かち合い、励まし合える生涯の友になります。オリエンテーションの一番の目的は、新入生の友だちづくりのきっかけになること。実りある学園生活への第一歩になればと思っています」(校長補佐・広報部部長/中村俊明先生)

 これから始まる中学校生活に、我が子がしっかりと馴染めるかどうかは、保護者にとっても気がかりの種。中村先生はオリエンテーションの機会を、保護者にとっても「子離れ」の機会にしてほしいと語ります。

「親の庇護のもとで安心と安全が確保されていた状態から抜け出し、自分の力で生きたいという欲求が芽生えてくるのが『思春期』です。中1は、まだ『小学7年生』とも言える時期ですが、ご両親は過度な口出しを控え、徐々に手を離していってほしいですね」

 泊りがけの団体生活をしていると、普段その生徒が家でどのように過ごしているかがわかるそうです。

「特に、男の子は『言ってもやらない』ことが多いと思います。お母さま方はそれで、ついつい手を伸ばしてしまいます。このオリエンテーションの機会は『自分のことは自分でやらせる』『自分で考えて行動させる』自立へのステップと考えていただければと思います」

 それでも、「何かを伝えなくてはならない」「叱らなくてはならない」時があります。そんな時の伝え方を中村先生は次のようにアドバイスしてくれました。

「あれこれと親に言われ続けると、言われることに慣れてしまって、何も感じないようになります。お母さま方は、言いたいことがあっても、1週間は我慢をして、その間に気になったことは、紙などに書き留めておきしょう。そして1週間後、ゆっくり話せそうな時に、伝えたいことを“3つ以内”に選んで、『この1週間、あなたの様子をだまって見ていたけど、これだけは気をつけてほしい』と、落ち着いて話をしてあげるといいでしょう。自立へ向かう子どもを見守るためには、このような姿勢も必要だと思います」

生涯に生きる学園のモットー「違いを認め合って、思いやりの心を」

 同校が、教育理念として掲げる『Think & Share』は、お釈迦様の言葉「天上天下唯我独尊てんじょうてんげゆいがどくそん」を英訳したものです。

 この言葉は、「自分勝手で独りよがりな人」などと誤って解釈されることが多いようですが、実際は「私には、私だけがもっている価値がある。それと同じように、私だけではなくすべての人々にその人だけが持っているかけがえのない価値がある」というのが正しい解釈だそうです。すべての人々にかけがえのない価値を見出し、違いを認め合い、思いやりの心を持つこと。これは、学園生活のさまざまな場面で生徒たちに投げかけられる、同校に深く息づく理念です。

 同校では、『違いを認め合うことの大切さ』を、オリエンテーションの中でも知ってほしいと願い、そのためのプログラムを用意しています。砂漠で遭難した想定で次の行動を考える『SOS~君ならどうする~』など、自分を理解すると同時に、他者を思いやる内容を盛り込んでいます。これらのプログラムは、生徒たちにとっては、友だちと一緒に盛り上がり、楽しい時間を過ごすひと時。その中で、“知らず知らずのうちに”学校が大切にしている理念が浸透していくと言います。

「禅宗には、難解な仏教用語がたくさんあります。それを生徒にわかりやすく説明することで、だんだんと伝わっていくものがあるんですね。例えば、日本には、食事の時間に『いただきます』や『ご馳走ちそうさま』と口にする習慣がありますが、それは『命をいただくことへの感謝』『食事を用意するために走り、駆けまわってくれた方々への感謝』の心が込められている……、そんな話をしています」

 中学生の今はまだピンとこないかもしれない。でも、いつか父親になった時、彼らは自分の子どもにもそれを伝えるはず、と中村先生は語ります。

「禅の教えは、なかなか容易に理解できることではありません。だからこそ、彼らがしっかりと自分を見つめ行動することができるようにと、本学園では力を尽くしています」

オリエンテーションの一場面「陣取りゲーム」。スポーツや相互理解を深めるための活動を通して、お互いの距離を縮め、交友関係を深めます。オリエンテーションの一場面「陣取りゲーム」。スポーツや相互理解を深めるための活動を通して、お互いの距離を縮め、交友関係を深めます。
一日のスタートは、校門で学園に向かって一礼することから。頭を下げながら自己をみつめ、今日を精一杯過ごそうという心構えを強くします。一日のスタートは、校門で学園に向かって一礼することから。頭を下げながら自己をみつめ、今日を精一杯過ごそうという心構えを強くします。
静かに自身と向き合う「早朝坐禅会」
中学2年生から高校3年生は、毎週金曜日の7時から開催しています。中学2年生から高校3年生は、毎週金曜日の7時から開催しています。

 入学したばかりの1年生を対象に、毎週土曜日の7時から早朝坐禅会を開催しています。放課後に希望者が集まり、坐禅の仕方を学んでから参加します。参加は希望制ですが、5月6日の坐禅会には、およそ80名の生徒が参加していました。

 早朝坐禅会に参加した、米澤悠太くんと長尾悠叶くんに話を聞きました。

Q.今日は、何時に来ましたか?

米澤くん
6時35分から学校にいました。

長尾くん
僕は、6時40分です。

Q.2人とも早いですね。なぜ早朝坐禅会に参加するのですか?

米澤くん
入学前から坐禅には興味を持っていましたし、親や先生の勧めもあって参加しました。

長尾くん
週に一度は、朝早く起きたいし、学校の授業前に心を落ち着かせ、授業の集中に役立てたいからです。

Q.坐禅が終わって、どんな気持ちですか?

米澤くん
頭がすっきりとして気持ちが良かったです。これからも続けます。

長尾くん
心が落ち着いて、気分もいいです。これからも続けたいです。

 誰にとっても、朝早く学校に来るのは億劫なはず。それでも自分を甘やかさず、自分自身を見つめ直そうとする心意気に、感心させられました。

(この記事は『私立中高進学通信2017年7月号』に掲載しました。)

世田谷学園中学校  

〒154-0005 東京都世田谷区三宿1-16-31
TEL:03-3411-8661

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