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私立中高進学通信

2017年7月号

校長が語る思春期の伸ばし方

文京学院大学女子中学校

教師は常に生徒に寄り添いながら6年間を共に学ぶという姿勢を貫く

伸び盛りの生徒が集う明るいキャンパスも来校者の注目を集めています。

伸び盛りの生徒が集う明るいキャンパスも来校者の注目を集めています。

雛鳥が発する「そつ」を迎える親鳥の「たく」のタイミング
水上 茂(みずかみ・しげる)1964年、東京都生まれ。國學院大學文学部卒業。1987年、社会科(日本史)教諭として着任。教科・クラス・学年指導にあたりながら30年間剣道部の顧問を務める。進路指導部長、広報部長、学年代表等の要職を歴任後、教頭、副校長を経て、2017年4月、中高一貫部校長に就任。剣道は五段の腕前。水上 茂(みずかみ・しげる)
校長先生

1964年、東京都生まれ。國學院大學文学部卒業。1987年、社会科(日本史)教諭として着任。教科・クラス・学年指導にあたりながら30年間剣道部の顧問を務める。進路指導部長、広報部長、学年代表等の要職を歴任後、教頭、副校長を経て、2017年4月、中高一貫部校長に就任。剣道は五段の腕前。

 今年、創立から93年を迎える同校。開校前年、関東大震災で焦土と化した東京で、途方に暮れる女性たちが自ら生計を立てる道を開くため、当時22歳の創立者(島田依史子)が若い情熱を傾け、そして尽力し、わずか15名の生徒と共に歩みを始めた学校です。

「私は本校に着任してちょうど30年になります。2年前までは学年主任と教頭職を兼務しながら生徒と共に歩んでまいりました。中高の6年間という歳月において、生徒たちの成長には目を見張るものがあります。今年の成人の日には振り袖姿の卒業生をカフェテリアに集め、盛大に『成人の集い』を行いましたが、8年前に保護者と一緒に、学校説明会に参加した当時の幼い顔が思い出されました」

 水上先生には新人教師の頃、2代目学園長の島田和幸先生から授かった忘れられない言葉があります。

「『啐啄同時そったくどうじ』といいまして、生徒と教師のあり方を表す教育の本質、原点であると今も心に留めています。そもそも『啐啄同時』は禅宗の教えを記した中国宋代の『碧巌録』という書物の中に出てくる言葉で、鳥の雛が卵から孵るときに一瞬、くちばしで殻をつつき合図するそうで、これを『啐』といいます。一方、親鳥は、殻の中にいる雛の一瞬の合図を見逃さず、外から同じ場所をくちばしでつつき、ほんの少しだけヒビを入れてあげるそうで、これを『啄』といいます。この両者のタイミングは同時でなければならず、親鳥が雛の合図を見逃したり、また、合図もないのに親鳥が先にヒビを入れてしまえば、雛は無事に生まれることができないそうです。教師と生徒、さらには親と子どもも同じで、心が一つになることからしか、何も生まれないと思っています」

仮に生徒が沈黙していても背後の“沈黙の言葉”を聞く
「思春期の育て方」心得
  1. 教師と生徒、親と子どもが心を一つにする
  2. 教師は生徒に寄り添い6年間を共に学ぶ

 このような絶妙なタイミングについて、水上先生は興味深い一文を紹介してくれました。

「臨床心理学者の河合隼雄先生の著書『臨床とことば』の中に、『話さば聞け、話さなくとも聞け』という一文があります。相手が話をしたときはもちろん、沈黙していても沈黙の背後にある言葉、それを聞くことの大切さを表しています。思春期の生徒の気持ちを理解することは、本当に難しいことだと思います。しかし、いろいろな出来事を通して、教師も生徒に成長させてもらっているのです。学級を持ち、現場で一番大切になるのは、生徒に寄り添い6年間を共に学ぶという姿勢です。本校には、生徒と担任の心をつなぐ証として、『毎日の記録』(1年次~3年次)と『学習連絡帳』(4年次~6年次)があります。どちらも朝登校したら担任へ提出し、担任は下校時までにコメントを書き返却します。このようなことを6年間、日々繰り返しながら、両者のコミュニケーションによる信頼を深めています」

身近な発見を未来へとつなぐ中1から始める『校外学習』

 同校は全国でも数少ない、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)と、スーパーグローバルハイスクール(SGH)アソシエイト校の両指定校です。2020年から始まる新しい大学入試制度のその先を見据えた注目の3コース制も3年前から導入しています。

「中1からSSH・SGHアソシエイトの取り組みを行っています。その代表的な例が、中1の校外学習『都電の旅』です。生徒は事前の学習・計画・仮説立案を行った後、都電荒川線の三ノ輪から早稲田までの“旅”をします。そこでは大人が普段見過ごしているところに目を向けます。例えば、『乗客の大多数は高齢者である』『商店街はどこもシャッターが閉まっていた』『クルマが電車と同じ道を走っていたところがあった』『プラットホームには階段がなくバリアフリーになっていた』『排気ガスの出ない都電が中国を走ればPM2・5の問題はなくなる』などです。たった400円の1日乗車券で、生徒たちは、『高齢化問題』『経済問題』『都市工学』『共生社会』『環境問題』など、実にさまざまな現代社会が抱える課題に気づき、やがてその気づきは、問題提起→問題理解・探究→問題解決策の策定→発表(英語と日本語)へと発展していきます。中1から何ができるのか疑問に思われる方も多いかと思いますが、私たちは将来のグローバル的視野での研究へと直結する導入事例として積極的に取り組んでいます」

晴れ着姿の卒業生が集合した『成人の集い』。晴れ着姿の卒業生が集合した『成人の集い』。
身近な視点から世界を考える『都電の旅』。東京の街から発見できる“気づき”を、未来の大きな学びへとつなげていきます。身近な視点から世界を考える『都電の旅』。東京の街から発見できる“気づき”を、未来の大きな学びへとつなげていきます。
伝統と革新の融合で身につく「国境を軽やかに超える」力
中学の3年間は生徒全員が同じメニューの給食を食べる『食育』。和食中心の献立を通して、世界に通用する日本人女性としてのマナーも学んでいます。中学の3年間は生徒全員が同じメニューの給食を食べる『食育』。和食中心の献立を通して、世界に通用する日本人女性としてのマナーも学んでいます。

『国境を軽やかに超えていける生徒』の育成をめざす同校では、「グローバル教育=英語教育」ではなく、さまざまな学習プログラムを通して身につく幅広い教養を持って初めて「新時代の女性グローバルリーダー」と位置づけています。つまり、新しいことばかりに目を向けるのではなく、伝統教育を大切にするのも同校ならではのこだわり。30年前から始まった『食育』(給食)をはじめ、伝統の『運針』も『ペン習字』も時代を超えて継承されています。

(この記事は『私立中高進学通信2017年7月号』に掲載しました。)

文京学院大学女子中学校  

〒113-8667 東京都文京区本駒込6-18-3
TEL:03-3946-5301

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