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私立中高進学通信

2017年7月号

校長が語る思春期の伸ばし方

女子美術大学付属中学校

『美術』はアイデアや表現力など今の時代を生き抜く力を育みます

同じ花を描いても出来上がる絵が違うということは、中身もみんな違うという証。生徒は自分を確認し、同時に人を理解する心も育みます。

同じ花を描いても出来上がる絵が違うということは、中身もみんな違うという証。
生徒は自分を確認し、同時に人を理解する心も育みます。

「騙されてあげるのも親の務め」と心得る
石川康子(いしかわ・やすこ)女子美術大学卒業。絵画教室主宰、建築デザイン事務所を経て、神奈川県立高校教諭となる。以後教頭、副校長を務め、平成20年に校長に就任。全国高等学校美術・工芸教育研究会副会長、神奈川県教科研究会美術工芸部会会長も歴任し、平成26年より女子美術大学特別招聘教授、平成29年度より同校の校長に着任。石川康子(いしかわ・やすこ)
校長先生

女子美術大学卒業。絵画教室主宰、建築デザイン事務所を経て、神奈川県立高校教諭となる。以後教頭、副校長を務め、平成20年に校長に就任。全国高等学校美術・工芸教育研究会副会長、神奈川県教科研究会美術工芸部会会長も歴任し、平成26年より女子美術大学特別招聘教授、平成29年度より同校の校長に着任。

「美術を通して、我が国の文化に貢献する有能な女性を育成する」という教育理念を掲げる同校。感受性が豊かで難しい思春期の生徒の成長を見守りながら、常に女子の新しい生き方を示してきた同校は、2015年で創立100周年を迎えました。

 同校の出身でもあり、本年度から着任された石川康子校長に、長きにわたり思春期の生徒を見てきたご経験をもとに、思春期の子どもの伸ばし方についてお話しいただきました。

「思春期の子どもを伸ばすためには、家庭と両輪となって教育することはもちろんですが、教育者との関わりが大きな影響力を持つと考えています。いい師を得ると子どもは大きく成長します。多感な思春期に出会う教員や仲間はとても重要な存在ですし、特に教員は指導力が問われると考えています」

 一方で、親はこの時期の子どもにどう接していけば良いのでしょうか。

「『騙されてあげるのも親の務め』ということを心得てほしいと思います。反抗期の時は、親は子どもに騙されるところは上手に騙されながらも、決して手放さず、しっかりと見て子どもの応援団になってあげることが大事です。最近の親御さんは教育熱心で知識も豊富なので、子どもにこうした方がいいと注意をしてしまうのですが、子どもは親の正論に立ち向かっても負けてしまいますよね。子どもに対して、親が一歩引いてグッと我慢する。本人の言い分をまずは聞いて、子どもを認めてあげることが大切です」

 また、「親が子どものすべてをわかっていないことを、親はわかるべき」とも話してくださりました。

「『私はあなたのことはすべてはわかっていない、だけどわかろうとしている』というスタンスが子どもには響きます。あなたを理解しようと努力しているけれど、年齢も違えば時代も違うので全部はわからないかもしれない。でも、わかってあげようと努力しているんだという姿勢を見せて言葉で伝えてあげると、子どもとの関係は上手くいきます」

「美術に触れること」 は自分自身を見つめる作業
中高大学がワンキャンパスにあり、連携授業や女子美祭など、生徒同士の交流も盛んな同校。互いに刺激を受け合います。中高大学がワンキャンパスにあり、連携授業や女子美祭など、生徒同士の交流も盛んな同校。互いに刺激を受け合います。

 思春期の生徒を導く上で、同校ではどのようなことに取り組んでいるのでしょうか。

「やはり美術です。本校の生徒は入学直後から美術にどっぷりとつかる生活を6年間送ります。『絵を描く』ことは、自分の中の小さな部分を見ることや、全体を見ること、他者と比べること、客観的に見ること、自分の内面を深く探ることを同時にすることでもあります。思春期に美術につかることで、自分の内面を知り、美術の技術や感性を養うと同時に、学力の素地をも作ります」

 石川校長は、「今の時代において美術はすべての才能の源である」と話します。

「美術は、これからの社会が求めている発想力、表現力、考える力などの生きる力を飛躍的に伸ばすことができます。昔はセンター試験が何点という時代だったかもしれない。でも今は発想力とアイデアと表現で勝負の時代ですよね。
 私は本校の生徒は将来美術の道に進まずに、銀行員や商社マンになっても良いと思っています。本校の生徒たちは、将来どんな職業の道に進んでも、本校で培ったアイデアと表現力で生き抜いていけます。まさに、美術の力を時代が求めているんだと思います」

中高大学がワンキャンパス刺激し合う生徒たち
「思春期の育て方」保護者の心得
  1. 上手に騙されながら子どもの応援団になる
  2. 子どもの言い分に反論せず一歩引いて聞いてあげる
  3. 子どものすべてをわかっていないと親自身がわかるべき

 中学校から大学までが一つのキャンパス内にあり、人との触れ合いが豊かなことも同校の特徴です。

「本校では、大学の教授が指導をしてくれる中高大の連携授業やアトリエ訪問など、生徒たちが良い刺激を受け、視野を広げる機会が多くあります。同じ敷地内に先輩というモデルケースがいることで、将来の夢や目標を描きやすい環境にありますし、キャリア教育も長期的に計画することができます。また、本校は教員の質が非常に高いと自負しています。教員が生徒の立場に立って熱心に面倒を見ていて、生徒の個性のいいところをすくすくと伸ばしているのです。本校が100年以上も続いてきたのは、教員の指導力の高さにほかならないと思っています」

美術にどっぷりとつかる6年間入学直後から大作に取り組みます
スケッチ旅行。「女子美は自分を出していい学校。裏表のない元気な生徒ばかりです」と石川校長。スケッチ旅行。「女子美は自分を出していい学校。裏表のない元気な生徒ばかりです」と石川校長。

 中1生の入学直後の最初の授業は、大きな花瓶に花を入れて描くこと。その次は、校舎のテラスに出て新宿の高層ビルを描き、6月には長野県へスケッチ旅行に出かけるなど、入学直後から中高6年間の美術にどっぷりとつかる生活が始まります。例えば花を描く時、花が途中で枯れてしまっても生徒たちは新鮮な花のイメージを持ち続けながら描きます。美術を通して常に自分の内面を見続けながら、自分について考え、理解を深めていくのです。

(この記事は『私立中高進学通信2017年7月号』に掲載しました。)

女子美術大学付属中学校  

〒166-8538 東京都杉並区和田1-49-8
TEL:03-5340-4541

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