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私立中高進学通信

2017年7月号

校長が語る思春期の伸ばし方

跡見学園中学校

自分で何でもさせる環境が子どもたちを育てる

笑顔のなかにある自立心の芽生え。修学旅行を通して、成長した姿を見せてくれます。

笑顔のなかにある自立心の芽生え。修学旅行を通して、成長した姿を見せてくれます。

反復学習を続けて自分自身に染み込ませる
杉本昌裕(すぎもと・まさひろ)1954年生まれ、東京藝術大学日本画専攻卒、同大学院終了後、画家を目指す。その後、東京都公立中学校、高等学校の教諭、東京都教育委員会指導主事、文化庁芸術文化調査官を経て2004年4月から跡見学園女子大学で美術実習及び教職を担当し、2016年4月から跡見学園中学校高等学校長となる。杉本昌裕(すぎもと・まさひろ)
校長先生

1954年生まれ、東京藝術大学日本画専攻卒、同大学院終了後、画家を目指す。その後、東京都公立中学校、高等学校の教諭、東京都教育委員会指導主事、文化庁芸術文化調査官を経て2004年4月から跡見学園女子大学で美術実習及び教職を担当し、2016年4月から跡見学園中学校高等学校長となる。

 思春期の子どもたちは失敗を積み重ねながら、自分の内面を見つめ、自立へ向かって進んでいきます。杉本昌裕校長は思春期の自立について次のようにお話しくださいました。

「思春期で大切なのは勉学だけでなく、学校生活やこれからの社会生活を見通した指導だと考えております。昨今、反復学習についてさまざまな意見がありますが、私は思春期の反復学習は効果が高いと感じています。例えば、あいさつが習慣になっていない子どもに、毎朝あいさつをさせることで『当たり前』だと習慣づけることができます。また、近年問題視されている子ども同士のSNSトラブルに関しても積極的に対策しています。子どもたちに『止めなさい』と話したところで、興味を持つのは当然のことなので、教師や保護者が、情報モラルや、道徳観を粘り強く教えていく以外に方法はないと思います。しかし、本当の意味での自立は反復学習だけでは導くことはできないのも事実です。子どもたちが反復学習の中で、自分の間違いや失敗、感動体験、価値観の違いなど多くのことを感じ取っていくことが必要なのです。そして、反復学習の中で子どもたちを自立に結びつけていけるのは私たち教師と、保護者の方々です。本校の教師の特徴は、10人いたら10通りの教え方があると考えます。このような考えを持つ大人との触れ合いは子どもたちの視野を広げ、人との接し方などを考えるきっかけにもつながります。教師が自由に教育方針を決められることで、子どもたちものびのびと生活できるようになりますし、『先生も一人ひとり違う』という認識を持つことができると考えています。その結果、同級生の得意なことはもちろん、自分の長所にも気がつくことができるので、思春期にありがちな、人のできない部分を攻撃するという生徒はいません。こ れは本校の校風でもあり誇りでもあります。本校は女子校なので基本的に重い物を運ぶのも全て自分たちでやらなければいけません。また、制服の衣替えという概念もありません。その日の状況に合わせて自分で適当と思われる服装を選ばせています。小さなことですが、自分で選び決断することを日常的に繰り返し、きちんと意識させていくことが自立には必要です」

杉本校長の描いた生徒の絵。芸術への関心を高めるため、芸術に触れる時間もたくさん用意。

杉本校長の描いた生徒の絵。芸術への関心を高めるため、芸術に触れる時間もたくさん用意。

自立のための失敗は当たり前
「思春期の育て方」
  1. 子どもの可能性を決めつけない
  2. 保護者は子どもの最大の味方
  3. 過干渉にならず見守ってほしい

 自立のためには教師だけでなく、保護者の関わり方も大切だと言われます。では、思春期の多感で難しい時期をどのように見守っていけばよいのでしょうか。杉本校長は次のように語ります。

「これからの世界に求められる人間像は発想力やアイデアだと感じています。本校では、学生時代にできるだけその下地となる感動体験を与えたいと思っており、全校音楽鑑賞会、古典芸能鑑賞教室、朗読劇などさまざまな文化に触れる経験ができます。そのような経験をした卒業生が、現在の保護者という巡り合わせも140年続く本校ならではの特徴であり、親子世代にわたって信頼されている証なのです。『昔は親の言うことをよく聞く子どもだったのに…』という声もたまに耳にしますが、『言うことを聞かない』というのは自立心の芽生えによるところが大きく、意見が対立することもあるでしょう。ですが、それは“悪い子”ではなく、自分で一生懸命考えた結果なのです。だから、ぜひ温かく見守っていただきたいと思います。自分で何かを生み出すというのは、とても辛く苦しいものです。自分が思ったような答えが出なかったり、失敗してしまったりするのが思春期というものです。保護者の方が過干渉になってしまうのも、おそらく子どもを助けたいという心配からなのでしょう。しかし、歩みは遅くとも、確実に子どもたちは成長していきます。特に短期留学や修学旅行を経験すると、子どもたちは急激に成長します。今までとは違う環境に身を置くと、子どもたち自身が積極的にコミュニケーションを取らないと何も前に進んでいかないので、日本に帰ってきた時、自分の思いをしっかり伝えられるようになり、気遣いもできるようになります。何をするにしても、自分が主体的に行動しようと考えるようになります。そのように成長した部分を、教師はもちろん保護者の方も、さまざまな方面から褒めてあげることで、子どもたちは初めて自分の長所に気がつきます。自分の長所は、人に指摘されないとなかなか自信につながりません。子どもたちの良いところを知っているのは本人よりも、周りにいる私たちなのです。そのことを褒める側も自覚しなければいけません」

伝統ある建学の精神は女子教育のパイオニアから
緑に囲まれた校門の近くにあり、登校する生徒たちを見守るように配置されています緑に囲まれた校門の近くにあり、登校する生徒たちを見守るように配置されています
 

 校門から校舎へ向かう間にある、創始者・跡見花蹊の銅像。日本人初の女子私学を創立した彼女の思いである、“自立と自律”を促し、高い学力としなやかな心を持つ女性教育の推進を使命としています。目で鑑賞し、手で作り出し、心で考える教育は140年を超える伝統の礎となっています。

(この記事は『私立中高進学通信2017年7月号』に掲載しました。)

跡見学園中学校  

〒112-8629 東京都文京区大塚1-5-9
TEL:03-3941-8167

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