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私立中高進学通信

2017年7月号

アクティブラーニングで伸ばす新しい学力

トキワ松学園中学校

図書室活用で言語技術アップ!
中1の新授業『思考と表現』

1年間を通してすべての学習の基盤となる力を身につける
『好きなもの新聞』の制作には百科事典を活用。まずは紙媒体で情報検索の基礎を学びます。

『好きなもの新聞』の制作には百科事典を活用。まずは紙媒体で情報検索の基礎を学びます。

『好きなもの新聞』の制作で調べる・書く基礎を学ぶ

 5月初旬、入学して間もない中1の生徒たちが、図書室で『好きなもの新聞』の制作に取り組んでいました。これは2017年から始まった授業『思考と表現』の一コマ。たとえば「おにぎり新聞」や「ハムスター新聞」といった具合に、自分の好きなテーマで記事を書いてA4の用紙にまとめる授業です。

 取材の日は記事を書く前段階の、テーマに即した情報を集める作業が行われていました。司書教諭の小澤慶子先生と勝見浩代先生の指導で、生徒たちは百科事典で調べた情報を、ワークシートに書き込んでいきます。

「動物なら何の仲間でどこに生息しているか、大きな事柄から調べて、それから細かい情報を書き込んでいきましょう。百科事典の説明を丸写しするのではなく、わからない言葉は国語辞典で調べ、自分の言葉で書くのが大事です。短くわかりやすい文章で書いて、文末表現も“です・ます”にしましょう」

 と勝見先生。十分な情報が集められなかったり、どう書いて良いかわからず鉛筆が止まりがちになってしまう生徒には、先生たちが巡回してサポートしていきます。

「好きなものを調べるということに意味があります。文章を書くのが苦手な生徒にはていねいなケアを心がけ、苦手意識をなくすよう努めています」(小澤先生)

 客観的な情報をまとめた後は、自分がなぜ好きなのかという主観的な理由や出典を明記。先生の添削を2回ほど経て『好きなもの新聞』が完成します。教頭の松本理子先生によると、この授業の狙いは百科事典の使い方、客観的と主観的な描写の違い、叙述の仕方といったスキルを身につけることだそうです。

思考力や表現力を磨く授業を中1の段階で行う意味とは

 2016年に創立100周年を迎えた女子教育の伝統校である同校は、探究型の学習を積極的に取り入れていることでも知られています。なかでも読書推進や図書室での調べ学習、作文教育に力を入れており、2011年には「子どもの読書活動優秀実践校」として文部科学大臣から表彰されています。

 そんな確固たる基盤をもとに、さらに論理的に思考を組み立て、相手に伝わりやすい表現スキルを磨こうと始まったのが中1を対象にした授業『思考と表現』です。

「図書室を中心に資料の検索力、言語力、論理力、コミュニケーション力が身につく授業を、中1の段階で体系立てて行えば、その後のすべての授業で礎となる力が伸ばせると考えました」 (松本先生)

 2016年度は、現在の中2に対してプレ授業を実施。生徒たちは、好きな本を根拠を明らかにして紹介し合うビブリオバトルや、4枚の絵を分析し、「起承転結」のある物語を創造するプログラムなどをこなしました。本格実施となった2017年度はさらに内容が拡充し、生徒たちの思考力・表現力が一層鍛えられる一年間となることでしょう。

Active Learning 001
「思考と表現」のカリキュラム例
図書室オリエンテーリング

 指定された本を探すゲームを通じ、本がどのように分類されて並んでいるのか、目次・索引・請求番号・奥付がどのようなものかを学ぶ。

ビブリオバトル

 グループ内で本の紹介をし合い、最終的にはクラスで1番の本を選ぶ。小グループ内の発表から始めることで、緊張感なく自分の意見を述べる練習になる。また、友人の発表から多くの本に興味を持つきっかけになる。

読書感想文を書こう

 ワークシートを利用してあらすじや主題を読み取り、文章の組み立て方を学ぶ。書き方の基礎を学ぶことで、苦手意識を感じることなく感想文を書けるようになる。

起承転結、4枚の絵

 グループで協力し合い、4枚の絵や写真を読み解き、並べ替えて1つの物語を作ることで、物語の構造(起承転結)を理解する。工夫して聞き手の立場に立った発表も行う。

作家調べ

 グループで特定の作家の生涯や作品などを詳しく調べ、わかりやすく発表を行う。

『好きなもの新聞』の一例。それぞれ好きなテーマで取り組みます。『好きなもの新聞』の一例。それぞれ好きなテーマで取り組みます。
指導にあたる司書教諭の勝見浩代先生(左)と小澤慶子先生(右)。指導にあたる司書教諭の勝見浩代先生(左)と小澤慶子先生(右)。
ココも注目!1年間のプレ授業を終えて見えてきた生徒たちの変化

「本を使って調べる学びを繰り返し、徹底的に行ったので、調べものをするスピードが速いうえ、正確に情報をとらえることもできています。中2、中3で質の高い調べ学習ができるでしょう」(勝見先生)

「1年間、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのようにの略)と、主題を意識して文章を書くこと、発表することに注力してきました。それらの力がしっかり定着したと思います」(小澤先生)

Active Learning 002
プレ授業を受けた生徒のアンケート

コメント例

「文章を書くのが苦手でしたが、授業で5W1Hを習い、使えるようになりました」

「奥付や請求番号など、本の仕組みがわかるようになってから、図書館で本を探すのが速くなりました」

「読書感想文は、まず主題を考えることで、スムーズに書けるようになりました」

Active Learning 003
図書室は身近な存在 3年間で100冊以上読むのが目標!
4万冊以上の蔵書を誇る図書室は学習の場としても大いに活用されています。4万冊以上の蔵書を誇る図書室は学習の場としても大いに活用されています。

 図書室の蔵書は4万冊以上。古くても良い本は残しながら、新しい本の入れ替えを常に行っており「使える4万冊」を実践しているそうです。

 図書室は中1生の教室のすぐそばに位置するため、生徒たちは休み時間や放課後、自由に出入りして本を手に取ることができます。日常的に本を借りることが習慣になり、中学3年間で100冊以上読むことが具体的な目標です。長期休暇中は好きなだけ借りられることから、カバンいっぱいに本を詰め込む生徒の姿も見られるそうです。

Active Learning 004
プレ授業を振り返って中2インタビュー

――印象に残った授業は?

Uさん
ビブリオバトルは、それぞれの個性が出た発表で盛り上がりました。私は兄が陸上をやっている関係で小説『一瞬の風になれ』(佐藤多佳子作)を紹介し、スポーツの感動を伝えました。

Kさん
4枚の絵からストーリーを作る授業は、メンバーの意見をまとめながら、オリジナルの話を作るのが楽しかったです。

――図書室はどういう場所ですか?

Uさん
きれいで使いやすく、たくさんの本を読みたくなります。

Kさん
わずかな休み時間に立ち寄ることもあります。司書の先生も優しいので、落ち着く場所です。

――「思考と表現」の授業を受けた感想は?

Uさん
発表する機会が多いので、人前で話をするのがあまり苦でなくなりました。

Kさん
小学校の時は読書感想文がなかなか書けませんでしたが、授業を通して本の深読みができるようになり、感想文も以前よりうまく書けるようになったと思います。

(この記事は『私立中高進学通信2017年7月号』に掲載しました。)

トキワ松学園中学校  

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