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私立中高進学通信

2017年7月号

6年間の指導メソッド

東京農業大学第三高等学校附属中学校

体験学習が思考力・判断力・表現力を育成

学力・進路選択力・人間力の育成を図り、将来、国内外で活躍できる人づくりをめざす同校。『実学』を教育理念に据え、さまざまな心ゆさぶる体験学習を通して、能動的に学ぶ姿勢の芽を育てます。
中3の北海道修学旅行。サケの加工を体験したあと、新鮮なサケの内臓を焼いて味わい、捨てるところなどない、「命」の重みを実感します。

中3の北海道修学旅行。サケの加工を体験したあと、新鮮なサケの内臓を焼いて味わい、
捨てるところなどない、「命」の重みを実感します。

観察学習に実験要素を加える

『実学教育』とは、自然現象や社会現象を観察し、「なぜ」「どうして」と生徒自身が自らに問いかけながら課題を発見し、実験や体験、調査を通じて明らかにしていく学び方です。

「体験こそ実学の土台」と考える同校は、開校当初から多種かつ多彩な体験学習に取り組んできました。近年は問題を自分の力で探しあて、結論とその理由を説明し、他人の意見をうのみにせず自分自身の目で確認する『究理探新』を重視しています。

 中1で取り組むダイズ栽培は、これまでは屋上のスペースを活用した畑で栽培し、収穫してから味噌を作る醸造体験がメインでしたが、数年前からは、「ワグネルポット」を用いて、肥料の量や日照条件による生育状況の違いを観察し、データを収集して発表を行う学びへとバージョンアップしました。

「日々データを積み重ねることで粘り強さや主体性、データの比較で他者の話を聞く耳、発表の場では批判的にものごと見る力が育ちます」(教頭/神山達人先生)

 中2のバケツイネ栽培では、いくつかの品種を条件を変えて育て、実った粒の数などをデータ化します。育てるだけでなく科学的に調べる体験を加えることで、生徒たちはより好奇心が高まり、率先して取り組んでいるそうです。

「命」の大切さを知ると思いやりが育つ

 中学での体験学習の集大成として位置づけているのが、中3の北海道修学旅行です。知床半島の自然に触れ、水産加工所で「新巻鮭づくり」に挑戦。サケをさばくだけでなく、“いちばん美味”とも言われる内臓をその場で焼いて食べる、ここでしかできない貴重な経験もできます。

「北海道では食としてのサケは特別な思いで人々に受け止められています。その思いを工場の方から聞きながら食べることで、『命』をいただくことの意味を感じ取れます。これが本校の体験学習が意図する所です」(神山先生)

 アイヌ文化についても学び、命をいただく体験をした生徒たちの心には、他者の立場に立って考えようとする気持ちが生まれ、アイヌの歴史や文化を理解したいという積極性が強まったといいます。

「命への感謝の念を持たせることで、他者に対する思いやりや、やさしさまで伝えられるのだと改めて感じました」

2020年高大接続改革に向けて
中3の北海道修学旅行。サケの加工を体験したあと、新鮮なサケの内臓を焼いて味わい、捨てるところなどない、「命」の重みを実感します。

 2020年は大学入試のシステムが大きく変わり、思考力・判断力・表現力を問う「新テスト」が導入される年となります。東京農業大学への推薦制度を持つ同校ですが、国公立大学や他の私立大学をめざす生徒も多数在校するため、新テストへの対応は必須です。新テスト対策として講演会やプレテストを実施するほか、大学入試に活用できるGTECや英検など外部検定受験へのバックアップ体制も整備されています。

「新しくなる大学入試は、中学での体験学習が活きてくる内容だと説明しています。ものごとに疑問を持ち、調べ、生きた知識として蓄えるサイクルを経験している本校の生徒こそ、思考力や判断力が問われる新テストの申し子です。じっくりと体験に取り組める中高6年間の一貫教育は、思考力・発信力を養うのに大きなアドバンテージがあります」

 同校の一貫生は、「英語が好きだから国際学部を選ぶ」「数学が得意だから理系を選ぶ」という単純な希望で進路を決めるのではなく、得意なことを生かして「何をするか」まで考える生徒が多いそうです。将来にわたる「学びの質」を考えたとき、同校で取り組む体験学習は、未来への大きな投資であり財産となっているのです。

高1の8月、4日間の日程で行う選抜制の勉強合宿「サマーセミナー」。講義と自習に加え、JAXAの見学や大学生との談話など、進路選択に向けたプログラムが組み込まれています。高1の8月、4日間の日程で行う選抜制の勉強合宿「サマーセミナー」。講義と自習に加え、JAXAの見学や大学生との談話など、進路選択に向けたプログラムが組み込まれています。
高2の最大のイベントは8月のオーストラリア修学旅行。数名のグループに分かれ、2泊3日のファームステイを体験します。高2の最大のイベントは8月のオーストラリア修学旅行。数名のグループに分かれ、2泊3日のファームステイを体験します。
未来を見据えた国際教育

 英語を中心とした国際教育には、生徒の将来をイメージした体験学習を盛り込んでいます。2016年、中2で実施した『グローバルイングリッシュキャンプ』は、東南アジアを中心にさまざまな国から20名の先生が参加。理解しやすいようにゆっくりと話し、やさしく聞き返してくれる先生方の対応もあり、生徒たちは生き生きと英語を話す体験を楽しんだそうです。欧米の先生方に来てもらっていたときより、生徒の英検の受験者数も合格率も上昇したそうです。

 英語以外の母語を持つ者同士が集まり、英語という共通言語でやりとりをする体験は、生徒が大人になったときに社会で直面する現実と重なります。他者を理解することを大切にする同校の教育は、このようなところにも活きています。

『グローバルイングリッシュキャンプ』で世界各国の人と英語で交流。たくさんの人と話すため、英語を話す恥ずかしさも吹っ切れて自信が持てます。『グローバルイングリッシュキャンプ』で世界各国の人と英語で交流。たくさんの人と話すため、英語を話す恥ずかしさも吹っ切れて自信が持てます。
中3のニュージーランド語学研修には、近年、約6割の生徒が参加。2週間で日常的に使う英語が話せるようになり、生徒の自信につながります。中3のニュージーランド語学研修には、近年、約6割の生徒が参加。2週間で日常的に使う英語が話せるようになり、生徒の自信につながります。

(この記事は『私立中高進学通信2017年7月号』に掲載しました。)

東京農業大学第三高等学校附属中学校  

〒355-0005 埼玉県東松山市松山1400-1
TEL:0493-24-4611

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