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私立中高進学通信

2017年6月号

目標にLock On!! 私の成長Story

自由学園(男子部・女子部)中等科

自治の生活が育んだ
どんな状況でも力強く生き抜く力

「自然や地域と共生する社会の仕組みについて研究したい」と東京農工大学大学院に進学。
対象に真摯に向き合い、自分の身の回りのことも大切にしていきたいと選んだ言葉です。

東京農工大学大学院 農学府
共生持続社会学専攻 修士課程1年
松島耕太さん

自労自治の生活で培われた「責任」に向き合う姿勢 
よき仲間に恵まれた学園生活。写真は東北でボランティア活動を行った時のもの。よき仲間に恵まれた学園生活。写真は東北でボランティア活動を行った時のもの。

 教室の中で行う勉強だけではなく、生活の中のあらゆることを学びの機会として、自分で考えることや本物に触れること、実際に体験することを重視した教育をしている同校。この春、東京農工大学大学院に進学した松島耕太さんは、男子部中等科・高等科、最高学部(4年課程)の計10年間にわたり、同校で学びました。

 同校には、「自労自治(=自分たちのことは自分たちでする)」という伝統があり、自分の身の周りのことから、約10万㎡のキャンパスの清掃や管理まで、すべてにおいて生徒による学校運営が行われています。学園で過ごした中高時代を松島さんは次のように振り返ります。

「勉強や部活動のほかに、自労自治という責任がある学園生活は、決して楽なものではありませんでしたが、その中で一番成長したと感じるのは忍耐力です。周りの人に支えられながらつらいことを投げ出さず、その中に楽しみを見出しながらやり抜いた経験は、何事も中途半端にせずに、最後までやり遂げようと貫く姿勢につながったと思います」

 男子部では、入学後の1年間は全員が寮生活を送ります。実家が遠方の松島さんは、中高6年間にわたって寮での生活を続けました。

「寮でも、衣服やお金の管理、朝食の準備や掃除、食事の片付けなど、身の周りのほとんどすべてのことを自分たちの手で行います。入寮したばかりの時の、ただただ、やることがどんどん降りかかってくるという感覚は今でも鮮明に覚えています。初めは戸惑いましたが、徐々に上級生たちの姿勢に感化され、寮の一員になっていきました」

 最高学年である高3生には、下級生の面倒を見ながら全体を取り仕切る、自治の責任が与えられています。高3になった松島さんも、新入生をまとめる室長を務めました。高3生同士で、個性や能力がバラバラで寮生活に慣れない新入生に、どう関わっていくか、試行錯誤し、よく話し合ったそうです。

「自由学園の生活では、大人の管理のもとで何かをするのではなく、自分が属する社会にどのようにしたら貢献できるのか、自分たちで判断して行動することが求められました。仲間と意見交換をする機会も多くありましたが、自分が発言したことには責任が問われます。その責任にどう向き合うのか、常に自分に問い続けた6年間でした」


「変化の中でも、主体的に道を開拓できる」のが自由学園の生徒の特徴。
現在は『鶏口となるも牛後となるなかれ』をモットーに就職活動をしているところだそうです。

東京大学大学院 総合文化研究科
国際社会科学専攻 修士課程2年
増田沙紋さん

“いつでも主体的に行動”が自由学園生の最大の強み
「生活即教育」で生きた知識を学ぶ自由学園。自立して生きるために不可欠な服飾の技術も修得します。「生活即教育」で生きた知識を学ぶ自由学園。自立して生きるために不可欠な服飾の技術も修得します。

 初等部、女子部中等科・高等科、最高学部(4年課程)の計16年間、自由学園で学んだ増田沙紋さん。現在、東京大学大学院総合文化研究科で国際社会科学を専攻しています。学園の外で学ぶ今だからこそ、自分が過ごした環境がいかにユニークなものだったのかを実感しているそうです。

「例えば、『食堂のごみ箱があふれそうになっている』など、学校内でちょっとした問題が出た時、自治を基本とする自由学園の生徒たちは、どのように改善したらいいのかを自分で考えて行動します。自分が属する社会をよくするために、誰もが課題に主体的に関わっていこうとしている点が自由学園の良さの一つです」

 意見を求められることが多かった自治の生活。自発的に意見を言うのが苦手な人であっても、「あなたはどう思うの?」と必ず意見を聞かれます。

「このような環境は、親密な人間関係づくりにも役立ちました。何かをやりたい人だけではなく、全員がやる。自分たちで取り組むことで互いのレベルアップにつながったのは、貴重な経験です」

 毎日の生活で鍛えられた段取り力と行動力は、2011年3月11日の東日本大震災の際にも力を発揮しました。交通機関がストップし、帰宅できない生徒が多数いるという混乱の中で、学校に残された食材を使い、どこでどれだけの食事を用意するかなどの計画を瞬時に立てて行動したのは、生徒たち自身だったのです。

「どんな状況でも、やれることを見出し、リーダーシップを発揮できるのも自由学園の生徒の特徴の一つだと思います。自由学園での生活は慌ただしく、自分がやりたいことだけに集中できる環境ではありません。それでも、その中でできる努力を怠らず、夢や希望する進路への進学を叶えた人がたくさんいます。どのような状況にあっても主体的に行動して輝けることが、学園に学んだ卒業生の大きな強みだと思います」

進学通信2017年6月号
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