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私立中高進学通信

2017年6月号

私学だからできるオリジナル教育

田園調布学園中等部

時代に合わせて進化
『土曜プログラム』講座

170以上の講座から選択できる同校伝統の『土曜プログラム』。グローバル社会を生き抜く力を身につける『コアプログラム』も加わり、より発展を遂げました。
『コアプログラム』の音のないろう者の世界を学ぶ講座では、手話ソングを通して手話にも親しみました。

『コアプログラム』の音のないろう者の世界を学ぶ講座では、手話ソングを通して手話にも親しみました。

文科省が認定したプログラム

 生徒の知的好奇心に根ざした教養を高めるため、同校が15年前から始めた教育活動が『土曜プログラム』です。教科の枠を越えた学びを学年に関係なく自由に選択できるスタイルは、今でこそ珍しくありません。しかし、週5日制が導入された当時、土曜日の活用策は、どの学校においても急を要する課題でした。

 そうした状況に先駆けて、同校は質の高いプログラムを多方面から研究・準備し、それを生徒が主体的に選んで学ぶという独創的なスタイルを構築。長年の実績が評価され、平成26年度から文部科学省の『土曜授業推進事業』として認定されました。

より深く学ぶための改革へ

 講座を自由に選び、視野を広げる学び方ができる『土曜プログラム』は、約170もの魅力的な講座がラインナップ。その多くが外部の専門講師による授業で、受講した生徒の興味をさらに喚起するよう、専任の先生と協同で意趣を凝らしています。

 グローバル社会の進展とともに10代前半から能動的に学び、自ら発信する力の育成が求められるようになってきた近年の時代背景を鑑み、2015年からは、『土曜プログラム』を必修型の『コアプログラム』と、選択型の『マイプログラム』の2つのカテゴリーに二分化。従来の選択型講座に加え、クラス単位で受講する体験学習やアクティブラーニング型のグループワーク、キャリア教育などを設けました。

「2種のプログラムに取り組むことで、バランスよくより広い視野で学びを深めていけるようになりました。『マイプログラム』では異学年の生徒が共に学ぶため、クラスや部活動以外の新たな人間関係を結ぶきっかけになり、刺激も受けます。コミュニケーション能力の向上にもつながっています」(中1学年主任/山本美穂子先生)

自発的な探究と結びついたプレゼンテーション

 1年間の学びを体験だけで終わらせない工夫もしています。中1では『土曜プログラム』のまとめを恒例行事のスピーチコンテストとコラボさせ、プレゼンテーションの機会を設けました。発表までにさらに一歩踏み込んだ考察を促したところ、自発的に探究し、「自分たちにできることは何か」をスピーチで提案する生徒がたくさん出てきました。

「土曜プログラムに、“考える”段階が加わったことで、予想以上に生徒たちの学びが深まりました」

 と山本先生。改革の狙いに応えるように、生徒たちの新しい学びの姿が生徒へのインタビューからも見え始めています。

今、この時期だから学ぶべきこと
コアプログラム
さまざまな体験や研究を通して、思考力や表現力、問題解決能力を養う

 発達段階にふさわしいテーマを設定し、クラスごとに受講します。中2では稲作体験を通して「食」の未来を考え、中3、高1ではキャリアデザインを学びます。高2~3は小論文や教科横断型の講座を通じて表現力を磨きます。

 2016年度の中1の『コアプログラム』では、世界の子どもたちの実情やユニセフの活動を知ることができるユニセフハウスの見学、手話を学び聴覚障がい者への理解を深める講座などを設定しました。いままで触れたことのないさまざまな世界を知り、そこから思考力を深め、問題意識をもって物事を見る目を養います。

中1のコアプログラム例
SNSのしくみと安全で楽しい使い方
「自分を知る」ワークショップ
多摩川両岸のフィールドワーク
障がいをもつ人と共に生きる〜音のない世界を知ろう〜
ユニセフハウスの見学
世界規模の社会問題をユニセフハウスで意識

 港区にあるユニセフハウスを訪問。ハウスでは緊急支援テントや世界各地の学校の教室風景などが見学できます。開発途上国の状況とその解決のために求められていることを学び、社会への視野を広げます。


自分からアンケート調査をしました

 M・Yさんは、「障がいをもつ人と共に生きる~音のない世界を知ろう〜」の講座で、聴覚障がいを持つ人について学んだ後、スピーチコンテストのために、ろう学校の先生へアンケート調査を行いました。「聞こえない人が困っていること」「これからどんな社会になってほしいか」などを質問したところ、詳細な回答があり、その一部を発表することができました。

「発表の機会を通して、お互いの考えを伝えることができて良かったです」

自分の「好き」が必ず見つかる
マイプログラム
5分野・約170講座から自由に選択し、興味・関心を深め、視野を広げる

 どれにしようか迷ってしまうほど、多彩な講座の数々。長い年月をかけて同校が培ってきたネットワークの賜物です。ユニークな講座、珍しい講座が盛りだくさん! 学年の垣根を越えて選択できるので友達の輪も広がります。

マイプログラム5分野と講座例
世界を生きる(語学・伝統文化・メディア)
「国連の窓から世界を見る」「スペイン語会話」「初めての中国語」「東京の和太鼓」「和菓子を楽しむ」ほか
社会とつながる(総合文化・フィールドワーク)
「はじめての経済学」「博物館フィールドワーク」「カウンセラー体験」ほか
健康なからだをつくる(スポーツ・健康)
「燃えるサッカー」「ヴォイストレーニング」「太極拳」「料理講座」ほか
身の周りの不思議にせまる(科学・技術・環境)
「やってみよう天気予報」「プログラミングに挑戦」「多摩川野鳥散歩」「宇宙最前線」ほか
知を拓く(学びの講座・受験講座)
「ネイティブ講師による英語特別講座」「リスニング講座」「小論文」ほか
基本の呼吸法から学ぶヴォイストレーニング

 歌が好きな生徒、そして「もっと大きな声で自信をもって話したい」という生徒で賑わうヴォイストレーニング。基礎の呼吸法や発声法からハイレベルな内容まで学べます。最終回には校内ミニコンサートを開き、成果を披露。中等部、高等部合同の人気のプログラムです。


和菓子づくりに挑戦!
日本の伝統に触れる料理講座

 和菓子など、日常食とは異なる調理が体験できる料理講座。作り方とともに、その料理の由来などについても学びます。和食の良さや伝統行事の奥深さにも触れることができます。


年中行事が簡素化されている傾向に疑問を投げかけました

 M・Hさんはマイプログラムで「生け花」「和菓子づくり」「水泳」などを選択。なかでも生け花や和菓子などの日本文化に触れ、伝統を受け継ぐことの大切さをスピーチしました。ひな祭りなどの年中行事が時の流れで簡略化されていることに注目して問題を提起。「その伝統を行う精神も共に継承していけば、行事本来の在り方も簡略化されず受け継がれていくのでは」と主張しました。


尊厳死の国際比較を通して「より良い生き方」を考えました

 S・Aさんはマイプログラムで「カウンセリング体験」「尊厳死を考える」を選び、より良く生きることが印象に残ったそうです。スピーチコンテストでは尊厳死の国際比較という難しいテーマに挑んで発表しました。

「死について考えることは生き方を考えることにつながると実感し、自分自身、今を精一杯生きることを大事にしようと思いました」

(この記事は『私立中高進学通信2017年6月号』に掲載しました。)

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