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私立中高進学通信

2017年6月号

注目のPICK UP TOPIC!

昭和学院中学校

主体的に物事に取り組む力を育む「アクティブラーニング」

すでに始まっているICT教育
朝読書の様子。心を静める大切な朝の20分間です。

朝読書の様子。心を静める大切な朝の20分間です。

最先端を行く注目のICT教育

 新時代における授業改革を進めている同校では、中1からオールイングリッシュの英語授業を取り入れ、一人に1台のiPadを配布するなど、生徒が能動的に学び考えるアクティブラーニングをスタートさせています。電子黒板やiPadを使った授業は、各教科の先生方の裁量に任せられており、それぞれ工夫を凝らして行われているのが特徴です。

「アクティブラーニングにICTの活用は欠かせません。早くから最新ツールに慣れ親しんでもらい、使いこなせるように、昨年度から特進クラスで、今年度からは中学校全クラスで一人1台iPadを導入しました。各教科の指導に効果的に取り入れ、3D図表や検索機能を使うことによって、より多面的でわかりやすい授業を展開し、例えば美術の授業で動画作成に挑戦するなど、積極的に活用していく予定です」(広報部長/園家誠二先生)

聞くだけの授業から参加する授業への転換

 同校のアクティブラーニングは、社会で求められるコミュニケーション力や問題解決力に加え、自ら考え、学び、行動できる生徒を育てるカリキュラムです。英語教育では、グループワークやディベート、プレゼンテーションを行い、生徒同士が共に学び、学習する「能動的学習」を引き出しています。

「例えば音読も、ただ繰り返すのとペアで互いに読み合うのでは、生徒の意識レベルが異なります。相手によく伝わるように強調したり、抑揚をつけて読んだりといった工夫する協働的な作業が、考える力につながります。ただ黒板を向いて座り、正解や知識を教えてもらうのではなく、グループで話し合い、他者の考えを聞くことで、意見交換も活発に行われ、集中して授業に取り組むようになります」(英語科/落合太一先生)

 中1のオールイングリッシュの授業は、外国人教師と日本人教師が連携しながら行うチーム指導で、文字通りすべて英語で進められています。また、テーマに沿ってプレゼンする機会も多く、iPadを駆使して資料を作成したり、動画でわかりやすく説明したり、生徒たちは楽しそうに能動的な表現活動に取り組んでいます。これまで年3回だったプレゼンは、2017年度には3倍以上に増える予定です。

 中1で身につけた英語力は、中2の英語生活の体験「イングリッシュキャンプ」で発揮され、さらに中3の「海外語学研修」で集大成を迎えます。同校では高いレベルの英語力が段階を踏みながらマスターできるプログラムを実現しています。

「時代の変化のスピードは加速しています。これまで当たり前だったことが、そうではない時代。これからは何が正しく何が必要なのか、自ら見極められる思考力が必須になります。アクティブラーニング授業はその能力を育みます」(園家先生)

すべての教科の基本となる朝読書
校舎の中心にあるメディアセンターは情報の発信基地となっています。校舎の中心にあるメディアセンターは情報の発信基地となっています。

 建学の精神である「明朗で健康、自主性に富み、謙虚で個性豊かな人間」を育てるため、同校では読書指導にも力を入れています。「学校の中心に図書館を」という伊藤一郎第2代理事長・学院長の信念に基づき、キャンパスの中心に図書館が位置し、約7万冊の蔵書を備えたメディアセンターとして機能しています。また、中学では毎朝8時からホームルームが始まるまでの20分間、朝読書を実施。読書を通して、教養を高め、想像力を育成し、理解力・読解力といった基礎力の向上をターゲットにしています。

 中1の1学期はジャンルを問わず読みたい本を読み進めますが、2学期からは岩波少年文庫の推薦図書を課題にし、読書のレベルを上げ、自らは手に取りにくい本に挑戦する工夫がなされています。

 さらに年間を通して、読書から得た知識を発表する機会が設けられています。その一つが、プレゼンテーション形式で行う書評合戦「ビブリオバトル」です。年度末には、クラスから選ばれた代表者同士でバトルする、チャンプ本決定戦も行われ、毎回とても盛り上がるイベントになっています。

英語・数学・理科・社会科担当の先生方に集まってもらい、
それぞれの授業の取り組みをうかがいました。
 

――iPadや電子黒板は便利なツールとはいえ、使う場面を選ぶものでもあります。先生方も試行錯誤を重ねながら、有効に活用しているといいます。

落合先生
マイク付きイヤホンを使って自分の声を録音し、発音やイントネーションを確認しています。

篠塚先生
千葉県科学博物館の野草・雑草検索図鑑の利用を検討中です。例えば、これまでスケッチや写真撮影で記録して調べていたことを、その場でより正確に調べることができます。

石井先生
地層や地図を立体的に確認できるのが魅力です。

大野先生
展開図など、図形の変形や立体の3D表示を具体的に表示しながら、授業の充実を図っています。

 

――アクティブラーニング授業についてもうかがいました。

篠塚先生
これまで地域社会、家庭の中で自然と培われてきた社会性が不足し、学内でのソーシャルスキルトレーニングが求められています。アクティブラーニングの前提となるのが、コミュニケーション能力。教えてもらう感覚が当然になっているのか、『先生が教えてくれたほうが早いのに』と不満を口にする生徒もいます。自ら学び取る感覚、意思疎通を行う能力を身につけてほしいです。そのために、基礎的な社会性やコミュニケーション能力は、さらに大事になってきます。

落合先生
英語科では多読を取り入れ、生徒それぞれがレベルに合わせた洋書を読む時間を設けています。授業で興味を抱かせ、他の洋書にも進んで手を伸ばす自立した学習者になってほしいです。

石井先生
社会科は知識を詰め込むことが重要だと思われがちですが、記憶だけが重要ではなく、学ぶ姿勢と経験が大切です。楽しく学べるしかけを施しています。

大野先生
生徒たちは、自分で考え、発言することが求められている世代です。ペアワークから入り、互いに勉強し合う中で、わからなければ教え合えるような環境を整え、教え過ぎないように意識しています。

数学科/大野雄三先生(左)と社会科/石井弥生先生。数学科/大野雄三先生(左)と社会科/石井弥生先生。
理科/篠塚進雄先生(左)と英語科/落合太一先生。理科/篠塚進雄先生(左)と英語科/落合太一先生。

レポート作成活動「祖父母の戦争体験の聞き取り調査」

 2001年度から、祖父母への聞き取り調査を軸にした学習指導を実践しています。

 中2の夏休みの課題は、身近な祖父母などから、幼少期や戦争下の話を聞いてレポートにまとめる「祖父母の戦争体験の聞き取り調査」を行っています。2学期からは、調査レポートを中心に現代史学習を進めることで、生徒はより興味を持って取り組むことができるそうです。

「単なる調べ学習ではなく、実際に体験者から話を聞くことで、もっとよく知りたい気持ちが広がっていきます。貴重な言葉を受け止めた生徒は、1学期と2・3学期で学ぶ姿勢が顕著に変わります」
(社会科/石井弥生先生)

進学通信2017年6月号
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