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私立中高進学通信

2017年6月号

校長が語る思春期の伸ばし方

佼成学園女子中学校

答えのない問題に立ち向かうために
過干渉になりすぎず自立を促しましょう

特進留学コースは、1年間ニュージーランドへ留学をします。現地高校に通いながらホストファミリーと生活することで、異文化を体験しながら英語力を磨きます。

特進留学コースは、1年間ニュージーランドへ留学をします。
現地高校に通いながらホストファミリーと生活することで、異文化を体験しながら英語力を磨きます。

保護者は過干渉にならず遠くから見つめてほしい
宍戸崇哲(ししど・たかのり)
校長先生

1964年東京生まれ。1988年4月佼成学園中学高等学校に英語科教員として奉職。1994年9月~95年8月英国The University of Nottingham English Language Teaching修士課程終了。1998年国際交流委員会委員長に就任。中学オーストラリア短期研修、高校英国短期研修を立ち上げ、運営。2006年4月佼成学園女子中学高等学校に赴任。2007年4月国際交流部長に就任。留学コースの運営にあたる。2013年ロンドン大学SOAS校と業務提携を結ぶ。2014年文部科学省よりスーパーグローバルハイスクール(SGH)に指定され、現在に至る。同年SGH推進事務局長執行責任者に就任。2015年シドニー大学と業務提携を結ぶ。2016年4月教頭に就任。2017年4月校長に就任。

 創立者・庭野日敬の教えである

「異宗教がともに手を取り平和的な社会を築いていくことに寄与できる人材の育成」に取り組む同校。思春期の子どもたちに対し、親はどのように触れ合っていけば良いと考えているのでしょうか。

「わが校の生徒は中3になると、ニュージーランドへの修学旅行を1週間体験します。2017年度からは中期留学という形で3カ月間そのまま現地に残る取り組みも実践しています。初めて親元を離れるきっかけにもなるため、不安に感じる保護者もいらっしゃいます。ですが、保護者にお願いしているのは『はじめてのおつかい』のように遠くから見つめ、支えてくださいということです。過干渉にならないように、保護者からの連絡は控えていただくようにご協力いただいています。

 このような取り組みの成果もあり、2020年問題で話題になっている課題解決能力、論理的思考力、自己表現能力が着実に育成されていると感じます。外国という異文化に触れ、その中で自分の役割を探し、その役割に対する責任を持つことで、日本に帰国してからも、物事に対する考え方に大きな影響を及ぼし、その後の人生の夢も大きく膨らんでいきます。10年以上このプログラムに関わっていますが、子どもたちは、日本とは異なる役割が異文化では与えられます。それはホストマザー、ホストシスターといった兄弟間で年上の人間が年下の人間の面倒を見るといったものです。また、農場を経営しているようなホストと出会えば自然と、大人の仕事も任せられるような環境になっていきます。自分で何でも考え、毎日起こる課題の連続に対応しなければいけない環境のもとで、その課題に果敢に挑戦できる能力を勝ち取ることができるのです」と宍戸校長先生は語ります。

多感な時期だからこそ自立を促すことができる
「思春期の育て方」心得
  1. 過干渉にならずに自立心を育む
  2. 子どもが困難にぶつかったときに忍耐強く話を聞く
  3. 協働性・共感性を育む

 自立を促す活動は、修学旅行などの異文化交流だけでなく「行事が人をつくる」をモットーに行事にも力を入れています。

「私たち教員を含め、周りで見守る保護者も、まず大切なのは寄り添い、忍耐強く話を聞いてあげることです。さらに大切なのは、子どもたちが失敗したときにさりげなくフォローし、子どもたちが自分自身で軌道修正していくこと。それが自立に繋がります。
 学校行事ではクラスの団結が必要不可欠ですが、朝練習に参加したくない、放課後残って練習したくないなど、不満を持つ生徒が出てきます。しかし、クラスの中でリーダーとなる生徒が現れ、不満を持つ生徒たちと対話をしたり、解決策を模索したりして、意見の衝突を解決していきます。問題を乗り越えることでクラスの団結力が高まり、結果がともなうならば、そこには深い充実感が得られるはずです。これも異文化といえる環境です。生徒間の個性の異なる“異文化”の中で、協働して共通点を見出しながら答えのない問題へと向かっていく。自分が経験した実体験から視野が大きく広がり、自立を促していくと考えています」

これからの社会が教育界に求めているのは協働・共感

「偏差値の高い高校や大学に入れば、安定した就職口を手に入れられる」という安全神話が崩れている現代、同校は社会情勢、社会経済にも関心を持っています。

「子どもと教員の関係はもちろん、子ども同士のコミュニティー、教員同士のコミュニティーでも協働・共感していく仕組みをとても大切にしています。その素地はもともとわが校にあると自負していますが、やはり声に出していかなければなりません。教員と子どもたち、子どもたち同士が共に協働・共感して答えのない問題に立ち向かう。これが今、教育界全体が社会から求められている姿であると思います。社会のニーズは、偏差値の高い高校・大学に入ることだけではなくなっています。勉強だけではない、人間力の育成をどのように行っていくかを考えなければいけません」

スーパーグローバルクラスは、タイへフィールドワークに訪れます。現地の学生との交流を通して、異なる文化を学びます。スーパーグローバルクラスは、タイへフィールドワークに訪れます。現地の学生との交流を通して、異なる文化を学びます。
スリランカへの研修も行っています。現地の青少年と交流することで、国際理解を深め、歴史と文化を学びます。スリランカへの研修も行っています。現地の青少年と交流することで、国際理解を深め、歴史と文化を学びます。
「行事が人をつくる」を指針に育まれる心
スポーツフェスタと呼ばれる体育祭では、協力・協働し、勝つことを学んでいきます。スポーツフェスタと呼ばれる体育祭では、協力・協働し、勝つことを学んでいきます。

 心を鍛える人間教育のため、部活動、グローバル教育はもちろん、行事にも力を入れています。行事の中で自分の内側に生じるさまざまな問題を、他者との関係の中で解決、前進していくことで、グローバルリーダーに大切な資質である問題解決能力を高めていきます。仲間との意見の食い違いや協力を経て、自分の内面を見つめなおすきっかけにもなり、勉学だけでは手に入らない『人間力』の成長も促します。

進学通信2017年6月号
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