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私立中高進学通信

2017年6月号

アクティブラーニングで伸ばす新しい学力

十文字中学校

保健体育科の『DDP』で発信力を高める

考え抜き、伝える力をつける
真剣にディベートに取り組む生徒たち。正しい方法をしっかりと学んでから取り組むため、ポイントをつかんで意見を述べることができるそうです。

真剣にディベートに取り組む生徒たち。正しい方法をしっかりと学んでから取り組むため、
ポイントをつかんで意見を述べることができるそうです。

能動的に学ぶ姿勢を中学から

 グローバル社会を生きる力の要素のひとつに、ロジカルシンキングを掲げる同校。その力を伸ばすためアクティブラーニング型の授業『DDP』を始めています。

 今の中学生が大学に進学するのは、2020年に始まる大学入試改革が軌道に乗る頃。東京オリンピック・パラリンピック大会もひと段落つき、日本社会は一段とグローバル化が進んでいることでしょう。生徒たちの進学ニーズも私・国公立大、文系・理系を問わず多様化するとみられます。

 そうした未来を見据え、ディスカッション(D)、ディベート(D)、プレゼンテーション(P)の3つの活動を通して、視野を広げ、発信する力や人の意見に耳を傾ける姿勢を養うのが同校の『DDP』です。カリキュラムに特別な時間を設けるのではなく、すべての授業においてアクティブラーニング型授業の『DDP』を取り入れる試みも始めています。

保健体育でアクティブラーニング

 なかでも特に『DDP』を取り入れているのが「保健体育」の授業です。スポーツを通して心身を鍛えるだけが保健体育ではありません。「保健」の分野で、自らの生き方や環境問題、生命倫理などの現代的なテーマを扱いながら、社会に必要とされるグローバルな視野を養う取り組みを始めています。

 高2で自由課題の研究とプレゼンテーションをすることを最終目標とし、中2からディスカッション、ディベート、プレゼンテーションの力を段階的に高めていく計画です。

「結論を先に提示し、後から根拠を加えて自分の考えに説得力を持たせる。こうしたスキルは学年ごとの単発の取り組みでは育ちません。中2から学年ごとの目標を設定し、最終的に高2で自由課題についてプレゼンし、ディベートやディスカッションできる力が系統的に身につくようにしています」(保健体育科/武岡イネス恵美子先生)

始動した同校の教育改革『Moveムーブ Onオンプロジェクト』

 10年前に学力を重視する『スーパー選抜クラス』を創設。中学入試では思考力型入試や英語入試、算・国のみ、もしくは英・国のみを受験する『チャレンジ型入試』など多元型入試を取り入れました。これにより、さまざまな能力のある優秀な生徒が、以前にも増して集まるようになったそうです。

 2016年からは『スーパー選抜クラス』で培った教育プログラムを、全クラスに取り入れる教育改革『Move Onプロジェクト』がスタート。『DDP』もその一環です。国公立大学受験に対応する指導や、英語教育、キャリア教育の充実など、中高6年間にわたり大胆な教育改革を進めています。

DDP Learning 001
相手の考えを変える!
それがプレゼンテーションの目的と知る

 中2「保健体育」の授業における『DDP』のテーマは「地球温暖化」。グループで最も深刻だと思う影響は何かを決め、パネルディスカッションで意見交換を繰り広げ、その後、グループで解決方法を提案しました。ここで身につけたいのは自分たちの提案に説得力を持たせること。「縄文時代の暮らしをしよう」「地球をカプセルで包む」など、現実離れした提案も問題なしで大歓迎。「なぜならば」という根拠や理由づけがしっかりしていれば、相手の考えを変えさせることができる。それがプレゼンテーションをする目的だと体感していきます。

中学段階の『DDP』で大切にしていること
プレゼンテーションでは調べた結果をただ述べるのではなく、論理的に根拠を説明することを学びます。プレゼンテーションでは調べた結果をただ述べるのではなく、論理的に根拠を説明することを学びます。
突飛な意見も排除しません。そうすることで思いついたことを伝えることに抵抗感がなくなり、さまざまなアイデアが出るようになります。突飛な意見も排除しません。そうすることで思いついたことを伝えることに抵抗感がなくなり、さまざまなアイデアが出るようになります。
DDP Learning 002
ディベートは「言い合い」ではない。議論する意味を知ろう
ディベートでは話す側も聞く側も真剣そのもの。時には厳しい質問も出て、活発に意見が飛び交います。ディベートでは話す側も聞く側も真剣そのもの。時には厳しい質問も出て、活発に意見が飛び交います。

「言い合い」と誤解されることも多いディベート。中3からその正しい方法、流れを学びます。まず、ひとつのテーマ(論題)について、肯定・否定の立場を決めます。意見やそれに対する反論、質問などを重ね、審判が判定を行い、「説得力のある側」が勝利します。

 ディベート中はテーマから外れる論点を持ち込んだり、質問の答えをはぐらかしたりするのはルール違反。強い議論をするには基礎知識、調査データや参考文献も事前に綿密に揃えておく必要があります。

 中3では、「昼食はお弁当持参、是か非か」など、身近な論題でディベートして議論をすることに慣れ、高1では、「オリンピック・パラリンピックは統合し同一開催すべきである」などを論題に1学期間をかけて取り組みます。高2では教科書を離れて自らテーマを設定し、プレゼンテーション、ディスカッション、ディベートを総合的に学びます。

自分で自分の道を切り拓ける生徒になってほしい
女子サッカーの元日本代表として活躍した武岡イネス恵美子先生。顧問の1人として、2017年1月の全日本高校女子選手権にて、同校女子サッカー部を初優勝に導きました。女子サッカーの元日本代表として活躍した武岡イネス恵美子先生。顧問の1人として、2017年1月の全日本高校女子選手権にて、同校女子サッカー部を初優勝に導きました。

「生徒たちは楽しみながら『DDP』に取り組んでいます」と武岡先生は言います。それは『DDP』を推進する先生自らが、わかりやすいプレゼンテーションを心がけているからかもしれません。武岡先生の授業準備ノートには、印刷したスライド画面やプリントなどが貼り付けてあり、指導ポイントが細かく記されていました。

「相手に自分の考えを伝えるには、伝わりやすい話し方や発表の方法があります。しかし、そのことを今の大人たちは中・高校、大学で習う機会はほとんどありませんでした。実は私も社会人になってから学んだのです。これからの生徒たちには早い段階から身につけてほしいと考え、授業を構築しています。そして本校を卒業するときに、自分で自分の道を切り拓ける生徒になってほしい。そう考えています」

(この記事は『私立中高進学通信2017年6月号』に掲載しました。)

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