私立中高進学通信
2017年4・5月合併号
グローバル時代の学び方
共立女子中学校
日常に使われる会話力を磨くランゲージスクエア
校内にいながら外国に入国!?

多い時は40人近くの生徒が『ランゲージスクエア』を訪れます。
多文化に触れる交差点専用パスポートを持って入国
2016年に校内に設置された『ランゲージスクエア』は、ネイティブの先生とともに日常会話の力を磨く施設として活用されています。異文化に親しむことがこの部屋の役割。グローバルな言語とは、英語だけを指すのではないとの考えから、名称を『ランゲージスクエア』としています。
「まずは、英語からスタートしていますが、将来的には本校で授業や講座にも取り入れている中国語やフランス語などにも触れられる多言語のセンターになることも検討しています」
中1は2016年の秋から同校オリジナルの“パスポート”を持って入室、30分間以上の在室でスタンプがもらえる仕組みを導入しました。
「入室したらまずはネイティブの先生に話しかけて、スタンプをもらわなければなりません。そのことが英語を使うきっかけとなっているようです。パスポートを導入してから、以前にも増して生徒たちが積極的に先生に話しかけるようになりました」
海外文化の季節イベントも盛りだくさん

『ランゲージスクエア』では定期的に放課後のイベントが催されます。この日はクリスマスカードを作るイベントがあり、中1生を中心に14人の生徒たちがアメリカ人のブレンダ先生と一緒にクリスマスカードを作りました。先生がカードの作り方を英語で説明すると、生徒たちは思い思いの飾りつけでカード作りを楽しみました。
「マスキングテープをください」と日本語で言ってしまった生徒を「Masking tape, please.」と英語で話すように、講師のブレンダ先生がやさしく促してくれます。そして、
「『マスキングテープ』はアメリカではブラウンの太いテープになってしまうわ。英語では『washi tape』と言う方が一般的ですよ」
とすかさずアドバイスをします。こうした日常生活の中で使われる英語は授業ではなかなか出てこないため、貴重な体験となるようです。
「『ランゲージスクエア』には、本校に在籍しているネイティブの先生が、日替わりで在室しています。授業でも英会話はありますが、ここでは言語としての英語に触れるだけでなく、海外の生の文化を学ぶ機会を与えたいと考えています。本校では礼法や茶道、華道といった日本の文化もしっかりと学べます。自国の文化と他国の文化を比較できる部屋としての役割もあると思います」
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入室にはパスポートが必須!
ネイティブの先生に話しかけスタンプから始まる英会話
2016年の秋から、『ランゲージスクエア』の入室の際に使い始めたオリジナルパスポート。石田先生がお店のスタンプカードをヒントに考案しました。
「スタンプをもらうためにネイティブの先生に話しかけなければならないので、生徒たちは自分なりにどのような言葉を使って話しかけようかと、一生懸命に考えてきます。“自分から英語で話しかけなければいけない”という状況が逆にいいアイドリングとなって、『ランゲージスクエア』を利用したいという気持ちを引き出したようです。
パスポートを導入してからは、それ以前に比べて、『ランゲージスクエア』を利用する生徒が増えています。これからも生徒たちの内なる“英語を話してみたい”という気持ちを、無理なく導き出していきたいですね」
(石田先生)


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カード作りを英語でレクチャー
和製英語の間違いも自然にCorrect!

ブレンダ先生お手製のカードや、市販品のクリスマスカードを参考にカード作りを楽しむ生徒たち。ブレンダ先生は英語しか話しません。生徒もわかる英語の単語を並べて会話を試みます。
材料として用意された薄い色のついた紙を先生が「Tissue paper」(ティッシュペーパー)と呼ぶと、生徒たちからは「鼻をかむのと一緒なんだ」と日本語でリアクションが。生徒が日本語を使っても先生が日本語で応じることはありません。
先生は英語で「英語では鼻をかむティッシュはTissueとだけ言います。Kleenexもよく言いますよ」と説明。また一つ日常的な英語を覚えました。




アメリカンジョークや時事ネタも掲示
英語を身につけるには、海外の文化や考え方を吸収することが不可欠です。『ランゲージスクエア』の壁にはアメリカで話題になっている時事ネタや、ウィットに富んだ海外のマンガなどが掲示されています。英字新聞や英訳された日本の小説、マンガ本など資料も豊富です。
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ルール説明もすべて英語
わからない単語は感覚で覚える

特にイベントのない日でも、英語圏でポピュラーなボードゲームを先生と一緒に楽しむなど、『ランゲージスクエア』には生徒たちの笑い声が響きます。ゲームをするためには、ネイティブの先生が英語で話すルールを理解しなければなりません。最初は緊張してしまっても、先生のやさしい導きで英語を聞いて、わからないところは質問するというやりとりが自然に身についていきます。日常的に先生とコミュニケーションをすることで、英語を使うことだけでなく、外国の人と会話をすることへのプレッシャーもなくなっていきます。
(この記事は『私立中高進学通信2017年4・5月合併号』に掲載しました。)
共立女子中学校
〒101-8433 東京都千代田区一ツ橋2-2-1
TEL:03-3237-2744
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