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私立中高進学通信

2017年4・5月合併号

6年間のメンタルケア

帝京中学校

学校を挙げていじめを未然に防ぐため『いじめ対策委員会』を設置

生徒を温かく迎え入れるカウンセリングルーム。友達の家を訪れたような、アットホームな雰囲気です。

生徒を温かく迎え入れるカウンセリングルーム。友達の家を訪れたような、アットホームな雰囲気です。

年3回のアンケートでいじめの芽を早期発見
倉島 徹 先生 精神保健福祉士倉島 徹 先生 精神保健福祉士
カウンセラーとして、週3日生徒たちの相談相手に。私学メンタルヘルス委員長として、私学における心の健康教育に関する研究、情報共有もしています。

 カウンセリングルームの扉を開くと、そこは自宅のリビングのよう。テーブルには花が飾られ、ソファにはハート形のクッションやぬいぐるみが置かれています。部屋の隅にはギターやキーボードまであり、自由に演奏することもできます。

「生徒たちが気軽に相談しに来られるように、温かい雰囲気づくりを心がけています。悩みを書けるホワイトボードや自分のことを気負わずに話せる自己表現ゲームもあるので、好きな時に訪れ、くつろぎながら話ができます」
(精神保健福祉士/倉島徹先生)

 文部科学省の統計によると、不登校もいじめも中学生になると件数が急増するとのこと。そのため同校では、担任教員、学年主任、生徒指導部、そしてカウンセラーや養護教諭が一丸となって、生徒たちの心のケアに取り組んでいます。なかでも力を入れているのが、いじめ対策です。

「2013年にいじめ防止対策推進法が施行されたことを受けて、2014年に『いじめ対策委員会』を発足しました。いじめを未然に防ぐために、新たに取り入れたのが年3回のアンケートです。生徒たちが素直に書けるように、その時々によって無記名にするか記名にするか変えています。周囲の生徒について気づいたことを記入する欄も設け、いじめの芽を見逃さないよう努めています」
(倉島先生)

 アンケートで問題が発覚したら、委員会を挙げて対応します。まずは事実確認。周囲に気づかれないように当事者を呼び、3、4人の教員で話を聞きます。

「複数人でじっくり話を聞き、さまざまな角度からアドバイスする『オープンダイアローグ』に近い手法です。とはいえ、なかには『トラブルを抱えていることを担任教員に知られたくない』という生徒もいます。また、生徒自身が『周りには秘密にしたい』と言っても、情報を共有したほうがいいケースもあります。マニュアル通りに対応するのではなく、一人ひとりの性格や状況に応じてケースバイケースで対策を練っていきます」
(養護教諭/星実可子先生)

 まだ設立から日が浅いものの、少しずつ効果が出ているそう。

「委員会ができたことで、『私たちはどんな時でもあなたをサポートします』と生徒たちに伝え、安心感を与えられるようになりました」(星先生)

「一般的に、カウンセリングルームや保健室を訪れる生徒は全体の3~5%とされています。ですが、本校では2%以下。特に最近は、減少傾向にあります。委員会設置との因果関係はわかりませんが、良いことではないでしょうか」(倉島先生)

6年間を通じて自己肯定感を高めてほしい
星 実可子先生 養護教諭星 実可子先生 養護教諭
生徒たちの心と体をケアする養護教諭。保健室にノートを置くなど、明るい雰囲気づくりにひと役買っています。

 長くカウンセラーを務めている倉島先生は、社会情勢の変化とともに、生徒たちの悩みも多様化していると感じているそうです。

「家庭や友人関係、進路に関する相談に加え、性別違和や異性との交際に関する悩みも聞こえてくるようになりました。また、自己肯定感が低い生徒も増えています。学校に来にくくなった生徒でも、保育園でのボランティアや市民との合同学習などで自信をつけると、『また学校に行こうかな』と思ってくれるようです。学校や地域との連携を深めながら、生徒が前向きな気持ちを取り戻せるようにサポートしています」(倉島先生)

「SNSに関する相談も増えています。『友達にブロックされた』『私以外の友達同士でグループを作っている』といったケースは、事実確認が難しく、対応も困難です。LINEから講師を招いてワークショップを行ったり、講習会を開いたりするなど、ネット上での適切なコミュニケーション方法を考える機会も増やしています」(星先生)

 6年間のメンタルケアを通じ、倉島先生、星先生がめざすのは、生徒たちの前向きに生きる力を育てること。失敗や挫折を経験しても、次に進む元気と勇気を身につけてほしいと話します。

「『自分はここがダメ』とネガティブになりやすい生徒に対しては、得意なことに話題を向け、ポジティブな心を育てるように心掛けています。生徒の話をじっくり聞き、否定せずに受け止めること、けっして一人ではないと伝えることで、生徒を支えていきたいです」(星先生)

「生徒はもちろん、保護者の方々もケアしていきたいと考えています。お子さんが問題を抱えていると、保護者もネガティブになりがちです。大切なのは、お子さんへの思いやりを示しつつ、適度な距離を保つこと。保護者の悩みも聞きつつ、ほどよい距離感でお子さんの成長をサポートしたいですね」(倉島先生)

「あなたが楽しみにしていることは?」「自分はどんな人だと思いますか?」などといった質問に答えるボードゲームも用意。言い出しにくいことも、ゲームを通じて告白できます。「あなたが楽しみにしていることは?」「自分はどんな人だと思いますか?」などといった質問に答えるボードゲームも用意。言い出しにくいことも、ゲームを通じて告白できます。
保健室には、自分の思いを書き込む『手書きTwitterノート』が置かれています。何気ないつぶやきにも星先生がコメントをつけ、「支えてくれる先生がいる」と生徒たちに安心感を与えています。保健室には、自分の思いを書き込む『手書きTwitterノート』が置かれています。何気ないつぶやきにも星先生がコメントをつけ、「支えてくれる先生がいる」と生徒たちに安心感を与えています。
帝京の取り組み
明るい保健室

机の周りには、生徒や星先生が持ち寄ったぬいぐるみが飾られています。

「初めて保健室を訪れた生徒でも、ぬいぐるみを糸口に話が広がることがあります」

と星先生。また、ベッドには、がんばりすぎて疲れた生徒のための『あんしん号』、がんばる勇気が湧いてくる『ゆうき号』など、生徒と一緒に考えた名前がつけられています。

「好きなベッドを選んでもらうことで、生徒が今どんな気分なのか察することもできます」(星先生)

明るい保健室
明るい保健室
ワークショップ
ワークショップ

インターネットやSNSとの適切な付き合い方を学ぶため、ワークショップや講習会を開いています。ネットでのいじめ防止にもつながります。

(この記事は『私立中高進学通信2017年4・5月合併号』に掲載しました。)

帝京中学校  

〒173-8555 東京都板橋区稲荷台27-1
TEL:03-3963-6383

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