私立中高進学通信
2017年4・5月合併号
中1の始め方
文教大学付属中学校
自己管理能力とチーム力が「主体的に行動する力」への第一歩に!

集団活動の中で、主体的な行動や協力をすることの大切さを学ぶトリニティキャンプ。
中1では、群馬県利根郡みなかみ町の農家での、田植え(6月)と稲刈り・収穫・稲架組み(11月)が実施されています。
生活リズムと学習習慣は生活記録ノート『クロノス』で

小学校時代とは、大きく変わる中学校の環境。長時間の電車通学や、勉強と部活動の両立など、新入生にとっては慣れないことばかりです。
「生活リズムと学習習慣を身につけるために、本校では『クロノス』と呼ばれる生活記録ノートに取り組んでいます。中学生は、平日2時間・休日3時間の家庭学習を目標にしているのですが、クロノスに記録をすることで、学習や生活を自分で管理する力を身につけます」(能村先生)
中学校生活に慣れてもらうために、入学が決まった小6生には、入学前からクロノスに準じた記録帳と数学・英語・国語の入学前課題を配布しています。入学後に提出された内容を見ると、新入生それぞれの個性を垣間見ることができるそうです。
「生活記録を細かく記載する生徒もいれば、おおざっぱに記載する生徒もいます。入学前課題は、私たち教員がそれぞれの生徒の性格や特徴を把握して、その後の指導の参考にするという点でも役に立っていると思います」(能村先生)
中学校生活のスタートと同時に、クロノスの本格的な活用が始まります。とくに、部活動の始まる6月ごろまでは、授業や学習のリズムに慣れ、自分で時間を管理して行動する力を身につけることに重点を置いた指導がなされます。
「週に1回、担任が集めて確認をしています。初めはうまく活用できない生徒がほとんどですが、クラスメートの活用例などを示しながら効果的な使い方ができるようにと導いていきます」(関本先生)
体力・協力・精神力がテーマの『トリニティキャンプ』

入学以来、重視してきた「自己管理の力」を試されるのが、『トリニティキャンプ』。集団の中で自ら「気づき、考え、行動する」ための強い気持ちを育てる施策として、学年ごとに実践的な学習を行っています。
「『困難や不便な状況の中で、仲間と協力しながら主体的に行動し、粘り強くがんばり続けることで得られる達成感などを感じてほしい』という願いから実施されています」(関本先生)
中1生は、群馬県の農家で6月と11月に農作業を体験します。
「2016年度の中1生も、慣れない田んぼに戸惑いながら、農家の方の厳しくも温かい指導のもとで真剣に作業に取り組みました。全員が集中して作業をすると、短時間で作業が終わることを実感できたと思います」(能村先生)
6月の田植えは、時間の管理や班行動など、自分たちができていないことに目を向ける機会にもなります。そして、11月の稲刈りでは、田植えの反省をもとに自分たちで目標を決めて、より主体的な行動ができるようにと努めます。
「一人ひとりが、『自分の可能性』そして、『自分たちの学年の可能性』を感じられる経験になると思います。チームとしての学年が1段階上のレベルに成長するきっかけとなる行事です」(能村先生)
自分たちで目標を設定しチームとしての力を培う

先生方は、一年の時間をかけながら、生徒同士が自分たちで話し合いができる雰囲気をつくっていくことを重視しています。生徒主体で運営される班や委員会の活動が徐々に増え、2学期以降は、クラスを越えた学年単位での話し合いも盛んに行われるように。2学期の終わりごろからは、2年生になるにあたって何をしていったらよいか、自分たちで意見を出し合って目標を設定していきます。
「勉強や生活面の小さな目標ですが、生徒同士が真剣に話し合ってつくった目標なので、他の生徒にも受け入れやすいようです。中1から中2は、『一人ひとりの自立の力』を養うのと同時に、集団行動や、協力する姿勢など、『チームとしての力』を培う期間でもあります。それが、その後の『個性を認めて伸ばし合う雰囲気』や『仲間と一緒にがんばる姿勢』など、より互いを高め合えるような生徒同士の絆につながっていくと感じます」(能村先生)
勉強から部活動まで、学校で完結!

部活動の後も学内で学習。中高一貫指導に基づいて、さらなる進学実績の向上をめざします。
学習習慣の確立なしには望めない学力の伸長。学力の土台づくりとして、中学校では、平日2時間・休日3時間を、高校では、2時間+学年数の時間を家庭学習時間として強く推奨しています。
部活動後の学内で、家庭学習までを終えられるように設置されているのが、『文教ステーション(B-ステ)』と呼ばれる放課後の自立学習支援システム。チューターが個々の生徒に合わせた学習をサポートし、授業で学んだ内容をその日のうちに定着させ、理解度に合わせた基礎学習や発展学習を行うことができます。
「文武両道でがんばっている生徒が多いのが本校の特徴。勉強や部活動、家庭学習と、学内ですべてのことを完結できて、生活サイクルをつくりやすいと好評です」(関本先生)


(この記事は『私立中高進学通信2017年4・5月合併号』に掲載しました。)
文教大学付属中学校
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TEL:03-3783-5511
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