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私立中高進学通信

2017年4・5月合併号

注目のPICK UP TOPIC!

東洋英和女学院中学部

「誰かのためにできること」を学ぶ

奉仕活動の学習『ディアコニア』

担任以外の先生もディアコニアに参加。ディアコニアはみんなで学ぶ時間です。

 今年、創立133周年を迎える同校。カナダ・メソジスト教会によって創立された同校では、「敬神奉仕」を建学の精神に、人に仕えるつつましい心を持ち、平和な未来のために貢献できる、自立した女性を育ててきました。「敬神奉仕」は「神から愛されて存在する私たちだからこそ、神を敬い、互いに愛し合い、隣人のために尽くさねばならない」という最も大切な聖書の教えです。

 入学して初めてキリスト教に触れる生徒でも、毎朝礼拝を行い、聖書の授業で学ぶうちに、「敬神奉仕」の心を自ずと理解できるようになりますが、「奉仕」はその心を理解するだけでなく、実際に行動することが大切。「自分には何もできない」と思っている状態では、困っている人に声をかけることや手を差し出すことができません。「奉仕」の実践のためには「助けを必要としている人に対して自分ができることは何か」を知っておく必要があります。

『ディアコニア』は、30年ほど前に同校が始めた「奉仕」を実際に体験し、学ぶプログラムです。中1の1年間に、7回~8回、金曜日の放課後や木曜日のホームルーム時に、点字や車椅子の体験学習、施設訪問、目や耳の不自由な方々のお話、ビデオ学習などを通して、助けを必要としている人の立場に立って、共に生きることを学びます。ディアコニアとはギリシャ語で「人に仕える」という意味です。本当に助けが必要な人に対してどう行動したらよいかを学習し、「奉仕」の一歩をためらわずに踏み出せるように準備をするための取り組みなのです。

「スタートしたときは手探り状態でしたが、話し合いを重ね、回を重ねるうちに、次第に内容が深まっていきました。生徒たちは『自分のできることは何か』を考え『これを実践しよう』と判断できるようになり、行動に移すことができるように成長していきます」
(ディアコニアを始めた年度の中1担任・数学科/塩田真理子先生)

 生徒からも「ディアコニアで体験したことで、困っている人のお手伝いがスムーズにできた」という、実践できたことを喜ぶ声が多く挙がっています。

 ディアコニアは中1の1年間で終わりますが、クラブごとのボランティア活動や、YWCAの活動など、隣人を思いやる生徒の奉仕活動は中2以降さらに発展し、途切れることなく続きます。

 創立以来同校が伝え続けてきたキリスト教の精神が、生徒たちの豊かな心を育み、行動する力を備えた女性への成長を後押ししています。

礼拝
大講堂の礼拝。パイプオルガンの音が厳かに響きます。大講堂の礼拝。パイプオルガンの音が厳かに響きます。

 毎朝の礼拝では、讃美歌を歌い、聖書を読み、お話を聞き、祈りを捧げます。お話は、聖書に関する内容が基本ですが、先生方が体験したことやエピソード、感銘を受けた本の話などが語られることもあります。外部の教会の牧師先生がゲストとして見える日も。

 毎朝15分間の礼拝のほかに、イースター音楽礼拝、クリスマス礼拝、花の日礼拝など、キリスト教の暦に沿った礼拝も行われます。

聖書の授業
  • 中学1年 キリスト教入門
  • 中学2年 キリストの生涯と教え
  • 中学3年 旧約聖書の学び
  • 高校1年 キリスト教の教え
  • 高校2年 キリスト教の歴史
  • 高校3年 キリスト教倫理

 中学1年から高校3年まで、週に1時間、聖書の授業があります。他教科に比べて自由な授業で、生徒同士の話し合いや発表などが行われることもあります。

キリスト教の精神に基づいた宿泊行事

 中1オリエンテーション(2泊3日)、高1カンファレンス(1泊2日)、高3修養会(2泊3日)は、生徒同士で真剣にテーマを掘り下げて話し合う貴重な機会です。

ある日のディアコニア
担任の先生もクラスのみんなの前で手話の自己紹介に挑戦します。担任の先生もクラスのみんなの前で手話の自己紹介に挑戦します。

 この日のディアコニアはYWCAの高校生から手話を習いました。

「耳の不自由な方は相手の口元をよく見るので、できるだけ口も一緒に大きく動かしましょう」「なぜこの形で表現するのか」といった説明も聞きながら五十音順に指文字を作ってみます。一通り終わったら自分の名前を手話で伝えることに挑戦。隣の人と向かい合って練習します。最後に手話で「イッツ・ア・スモールワールド」を歌って、この日のディアコニアは終了です。手話は簡単ではありませんが、みんな大好きな歌でのチャレンジだったこともあり、教室に笑顔があふれました。

人生の礎となる6年間
中学部長/石澤友康先生中学部長/石澤友康先生

「本校では、キリスト教の精神に基づいた隣人愛が人間教育の中心テーマです。
 毎朝の礼拝でのお話では、『私たちはどのように生きるべきか』『変えられないものを受け入れる心の静けさ』『変えられるものを変える勇気』などが語られることが多く、生徒たちの考え方に与える影響も大きいと思います。
 ディアコニアは人間教育として一番大事なことを、新入生にしっかりと学んでほしいという思いで始まりました。先日も踏切内で立ち往生しているおじいさんを助けたという生徒の話を聞きました。ディアコニアからスタートして6年間、いろいろなものを積み上げて、困っている人にピンときて適切な行動をとることができる、そういった人に生徒たちは成長していきます。
 東日本大震災の後、バスをチャーターしボランティアを募って週末ごとに被災地の支援に出かけるという活動を、個人でやり続けた卒業生がいました。6年間の学びが彼女のベースとなり、力になったのではないでしょうか。本校が育てたいと考える女性の典型例と言えます」(石澤先生)

風格あふれる大きな書は、創立50周年の際に第30代内閣総理大臣斎藤實子爵が揮毫したもの。歴史の重みを感じさせます。風格あふれる大きな書は、創立50周年の際に第30代内閣総理大臣斎藤實子爵が揮毫きごうしたもの。歴史の重みを感じさせます。
花の日礼拝の後は、皆が持ち寄ったお花を高齢者の施設などに届けます。花の日礼拝の後は、皆が持ち寄ったお花を高齢者の施設などに届けます。
YWCA「キリスト教女子青年会」
(Young Women's Christian Association)

 同校のYWCAはおよそ100年前に発足。週1回、金曜日の放課後に集会を開き、手話の練習、施設訪問、被災地ボランティア、楓祭でビーズアクセサリーなどの手作り品を販売し売り上げを被災地のために役立てる、世界の子どもたちが学校へ行けるように支援するなどのプログラムを行っています。現在は中1から高2まで100人ほどの生徒が活動しています。

1年間のディアコニアを終えて
インタビューに答えてくれた中学1年生インタビューに答えてくれた中学1年生

「特に印象に残っているのは車椅子体験です。スロープを移動する際に4~5人で力を合わせなければ動かすことができなかったことは驚きでした。手話や指文字は、少し難しく感じましたが、身振り、手振り、口話など、いろいろなコミュニケーション方法があることがわかりました。中学生になって、隣人との関わりを考えるようになりました。これからはいろいろな人といろいろな方法でコミュニケーションを取ることができたらと思います」

(この記事は『私立中高進学通信2017年4・5月合併号』に掲載しました。)

東洋英和女学院中学部  

〒106-8507 東京都港区六本木5-14-40
TEL:03-3583-0696

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