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私立中高進学通信

2017年4・5月合併号

私学の光輝

世田谷学園中学校

早朝坐禅会

静かに自身と向き合う中で知性を智慧へと昇華させる
臘八摂心は、戦後間もない頃に有志の生徒と教員によって始まりました。優れた進学実績でも知られる同校の土台を支える伝統行事です。

臘八摂心は、戦後間もない頃に有志の生徒と教員によって始まりました。
優れた進学実績でも知られる同校の土台を支える伝統行事です。

「教育は未来への種まき」と語る校長の山本慈訓先生。元気な生徒が多い男子校なので、なかには坐禅に対して消極的な生徒もいるそうですが、「大人になった時にその意味を感じてくれればいいと考えています」「教育は未来への種まき」と語る校長の山本慈訓先生。元気な生徒が多い男子校なので、なかには坐禅に対して消極的な生徒もいるそうですが、「大人になった時にその意味を感じてくれればいいと考えています」

講演の後に行われた質疑応答では、生徒たちの問いかけを、一つひとつ真摯に受け止め、智慧を授けるダライ・ラマ法王の姿が印象的でした。生徒たちにとって生涯忘れられない日となりました。講演の後に行われた質疑応答では、生徒たちの問いかけを、一つひとつ真摯に受け止め、智慧を授けるダライ・ラマ法王の姿が印象的でした。生徒たちにとって生涯忘れられない日となりました。

 まだ夜が明けきらない冬の早朝、生徒たちが続々と登校してきます。この日、12月8日は、菩提樹の下で坐禅を組んだお釈迦様が、お悟りを開いたことをお祝いする成道会の日。同校では、お釈迦様の修行を偲び、そのお悟りの心を求めて、毎年12月1日から8日にかけて、早朝坐禅会〈※臘八摂心(ろうはつせっしん)〉を行っています。

 早朝坐禅会の会場となる修道館アリーナは、普段は体育館として使用され、生徒たちの元気な声がこだましていますが、この期間は一変。ゴザと坐蒲(ざふ)が整然と並べられ、静謐な雰囲気が漂います。参加は自由ですが、会場はいっぱいになります。

 静かに入場してきた生徒は坐蒲の前に立つと、前後に合掌と礼をした後、ゆっくりと足を組んで座り、呼吸を整えつつ開始時刻の7時を待ちます。

 カーン、カーン、カーンと止静と呼ばれる始まりの鐘が3つ鳴ると、もう身じろぎをする生徒はいません。校長先生による短い法話がアリーナに静かに響いた後は、坐禅の終わりを伝える放禅鐘が鳴る7時40分まで、静かに自分自身と向かい合うのです。

 グローバル化が進み、ITも進歩した現代。あらためて坐禅をする意味は、どこにあるのでしょうか。

「例えば友人関係のなかで、気に食わないという気持ちが生まれることがあります。すると人には誰でも長所と短所があるのに、気に食わないという気持ちにとらわれて、そしてそれを正当化するために、相手の短所ばかりを探し出そうとしてしまいます。坐禅を重ねるうちにこうした心のゴミ、とらわれの気持ちに気づくようになっていきます」と、柔和な笑みを浮かべつつ答えてくださったのは校長の山本慈訓先生です。

「これからは、答えが一つではない問題に、多様な人々と協働して取り組んでいくことが求められる時代です。そのとき大切になってくるのは智慧です。しかし、偏った視点にとらわれていたら智慧は生まれません。禅を柱とした本校の教育は、知性を知性に留めず、智慧へと昇華させるものです。ロボットには智慧の人の代わりはできません。坐禅を通して、私たちは智慧の人を育てたいと思っています」

※臘八摂心:臘は12月の異称。八は12月1日~8日までの8日間のこと。
摂心は、心を一つにおさめ、ととのえ、坐禅に打ち込む修行のこと。

禅堂が設えられた同校。道徳にあたる「生き方」の授業でも坐禅を組むため、生徒は全員坐禅の経験を積みます。また、毎週土曜7時から有志による早朝坐禅会も行われています。禅堂がしつらえられた同校。道徳にあたる「生き方」の授業でも坐禅を組むため、生徒は全員坐禅の経験を積みます。また、毎週土曜7時から有志による早朝坐禅会も行われています。
2016年11月に、創立115周年記念特別講演が行われ、ダライ・ラマ法王第14世が来校しました。気さくに生徒たちにお声がけをくださる姿に、生徒たちは大きな感銘を受けたそうです。2016年11月に、創立115周年記念特別講演が行われ、ダライ・ラマ法王第14世が来校しました。気さくに生徒たちにお声がけをくださる姿に、生徒たちは大きな感銘を受けたそうです。
約1400名の生徒を前に、「明日をみつめて、今をひたすらに」「違いを認め合って、思いやりの心を」という学園のモットーをテーマとした講演が行われました。約1400名の生徒を前に、「明日をみつめて、今をひたすらに」「違いを認め合って、思いやりの心を」という学園のモットーをテーマとした講演が行われました。
寺院子弟が中心となる仏教青年会の生徒たち。「早朝坐禅会の運営のほか、獅子児祭やボランティア活動にも力を注いでいます」と、会長の吉川貴晟さん(高2・写真左端)。寺院子弟が中心となる仏教青年会の生徒たち。「早朝坐禅会の運営のほか、獅子児祭やボランティア活動にも力を注いでいます」と、会長の吉川貴晟さん(高2・写真左端)。

(この記事は『私立中高進学通信2017年4・5月合併号』に掲載しました。)

世田谷学園中学校  

〒154-0005 東京都世田谷区三宿1-16-31
TEL:03-3411-8661

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