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私立中高進学通信

2017年2・3月合併号

生徒の未来対応型学校へバージョンアップ

西武台新座中学校

社会科の授業にディベートを導入!
論理的な思考力と表現力を伸ばす

 21世紀型の教育改革に向けて、グローバル社会への確実な対応を手にするために同校が提示するのは、偏差値だけでは測れない思考力・判断力・表現力の育成です。

 これまでも同校は、「覚える」から「考える」を重視したアクティブラーニング型の『西武台式英語』の授業など、独自の取り組みを通じて、大学受験合格と実用の両面から生徒のポテンシャルを引き出してきました。そしてこれを土台に若い先生たちが中心となり、新たなメソッドの取り組みをスタートさせています。それが、一つのテーマを提示し、肯定側と否定側に分かれて論争する「ディベート」を活用した中学社会科教育です。

 ディベートを授業に導入した背景には、同校英語部ディベートチームの快挙があります。創設からわずか2カ月で「2015年関東甲信越地区中学・高校秋季ディベート大会(ディベート甲子園論題部門・中学の部)」に初参加し、準優勝を記録。2016年は全国大会でベスト16入りを果たしたのです。

「英語部ディベートチームの生徒からの提案で、クラスの学級活動として『西武台新座中学校は修学旅行先をオーストラリアから京都に変更すべきだ』というトピックでディベートしたのがそもそものきっかけです。ディベートをしてみると、生徒たちは、予想以上に活発に議論を繰り広げました。そこで、自分が担当する社会科の授業でもディベートを活用できないかと考えました。ディベートチームを率いる髙味先生にやり方を教えていただき、2016年6月、中3の歴史の授業に導入したのが出発点です」(中3社会科/加藤歩樹先生)

「ディベートには、自主的に資料を集めてさまざまな角度からテーマを検証する論理的思考力はもちろん、相手の話をよく聞いて反論を練り上げながら説得するプレゼンテーション力とコミュニケーション力、自己表現力のすべてが必要です。ディベートを授業に取り入れたいとうかがったときは、どう活用されるのか想像しにくかったのですが、加藤先生の授業を見学して、私も目から鱗が落ちました」(英語科・英語部顧問/髙味直毅先生)

 加藤先生のディベート型授業に、中1の社会科を教える河野芳人先生も賛同し、地理の授業でディベート導入を試み、大きな手応えを得たそうです。ディベート型授業を行った後は、両先生とも生徒の成長を次のように実感しています。

「試験の論述問題が苦手だった生徒が、自分の考えを論理的に文章化できるようになり、失点が確実に減少しました」(加藤先生)

「ディベートで自分の意見を人前で話すことに慣れたせいか、今までおとなしかった生徒も積極的に発言するようになりました。通常の授業にも活気が増しています」(河野先生)

 さらに、ディベート型授業による活性化は、教員間にも良い影響を与え合っているそうです。

「指導内容のどの部分をディベート型にすれば効果的かを考えるのは、教員の役目です。必然的に、授業内容を教員自身がより深く考えるようになり、情報交換も盛んになりつつあります」(加藤先生)

「社会科は人間の営みが生んだ多様な価値観が混在する教科なので、とてもディベートに向いています。今後は、他の教科担当者とも協力し、社会科で得たノウハウを盛り込める授業を模索していけたらと思います」(髙味先生)

ココがポイント社会科におけるディベート実践例
学習を身近なものとして捉え理解を深めるためのディベート活用

 河野先生が指導する中1地理では、タイムリーな時事問題である「イギリスはEUを離脱すべきである。是か否か」をテーマに、準備から本番まで3時間をかけました。一方、加藤先生が指導する中3歴史では、「江戸幕府は開国すべきだった。是か否か」をテーマに5時間を費やし、ディベート型授業を展開。生徒14名の1クラスを4チームに分け、肯定側、否定側に分かれて試合を行いました。

「中1はまだ高度な議論に慣れないため、ヒントを出しつつの議論でしたが、生徒は予想よりしっかり調べた資料を用意。家族とEUについて話し合う生徒も多く、教科書だけでは得られない“生きた学習”を実践できました」(社会科・中1学年主任/河野芳人先生)

「“江戸幕府は開国すべきだった。是か否か”をテーマにしたディベートは、最終的に開国否定派が勝ち、史実と異なる結果となったのが印象的でした。この学びにより、生徒が歴史を深く理解し、身近なものとして興味を持ってくれた実感があります。今後は今回の経験を応用し、例えば公民でアメリカ大統領選や憲法問題をテーマにするなど、“考える授業”を推し進めたいです」(加藤先生)

中3生のディベート風景。議題は「江戸幕府は開国すべきだった。是か否か」中3生のディベート風景。議題は「江戸幕府は開国すべきだった。是か否か」
中3生は史実に対する各自の推論をグループで検証してから、ディベートで用いる議論を組み立てました。中3生は史実に対する各自の推論をグループで検証してから、ディベートで用いる議論を組み立てました。
ディベート型授業を牽引する髙味直毅先生(左)、河野芳人先生(中央)、加藤歩樹先生(右)。ディベート型授業を牽引する髙味直毅先生(左)、河野芳人先生(中央)、加藤歩樹先生(右)。
ココがポイント英語部ディベートチームの活躍
「ディベート甲子園」日本一をめざして
英語部ディベートチームは、2016年8月に行われた「第21回全国中学・高校ディベート選手権」ではベスト16に入りました。英語部ディベートチームは、2016年8月に行われた「第21回全国中学・高校ディベート選手権」ではベスト16に入りました。

 同校のディベート型授業の基礎を作った英語部ディベートチーム。顧問を務める髙味先生は、大学時代に英語ディベートで全国3位となり、日本代表として渡米した実力者です。

「ディベートで大事なのは、肯定側、否定側それぞれが、主張の根拠を証明すべく徹底調査した資料を提示し、自論の優位性を論理的に説明して審判を説得することです。今年もディベート甲子園で好成績を残せて、部員の志気も一層高まりました」と語る髙味先生。彼らの次なる目標は中学日本一。ディベートチームの活躍は、同校のディベートへの意欲をさらに加速させるでしょう。

ココがポイントディベート型授業を支えるICT活用
本質的アクティブラーニングを実践
PowerPointによる資料も授業中に簡単に作ってしまうほど、生徒たちはiPadをアクティブなツールとして使いこなしています。PowerPointによる資料も授業中に簡単に作ってしまうほど、生徒たちはiPadをアクティブなツールとして使いこなしています。

 同校のICT推進を手がける河野先生は、ディベート型の授業はICTを活用したアクティブラーニングとも非常に相性がいいのも利点だといいます。同校は開校当初からアクティブラーニングを導入し、北海道大学の重田勝介准教授や東京大学の中澤明子助教らによる専門研究チームと協働した教育プログラムを構築、活用しています。

「本校ではICTの取り組みとして、1人1台、iPadを用意しています。生徒たちはインターネットを活用して、より能動的に、教員側が驚くほど深く調べ物をしてプレゼンテーション資料を作成してきます。教科書ではわずか1、2ページで終わる記憶に残りにくい学習項目も、ICTとディベートを組み合わせることで、より広くより深く理解できるようになります。これにより総合的な学習意欲も高まっています」(河野先生)

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