私立中高進学通信
2017年2・3月合併号
注目のPICK UP TOPIC!
浦和明の星女子中学校
保護者に向けた『聖書を読む会』
『明の星教育』を分かち合う

ジュビリホールで島村先生の話に耳を傾ける保護者たち。
心に響くだけでなく、ユーモアあふれる先生の話には定評があります。

「聖書は『新約』と『旧約』に分かれています。『新約聖書』にはイエス・キリストが生まれてから以降のことが書かれています。『新約聖書』の一部を『福音書』といいます。マタイ、マルコ、ルカ、ヨハネの4人がキリストの生涯を書き留めたもので、4つの『福音書』があります。ルカは医者でした。科学者だったわけです。そのために『ルカによる福音書』が最もわかりやすく記されています。この11章1節から4節を読み、『主の祈り』の意味を考えてみたいと思います」(島村新校長先生)
『明の星の伝統と未来』と題して『聖書を読む会』が行われました。主催するのは、生徒の保護者が組織する『正和会』。その名はカトリックミッションスクールである同校の校訓『正・浄・和』に由来するそうです。
『聖書を読む会』はカトリック精神に基づく『明の星教育』をより深く知るために、中1から高3までの保護者に向けて毎年行われています。
今回、会場は2つに分かれ、ジュビリホールでは島村先生が「主の祈り」について、図書館では小野寺和子理事長先生が「善きサマリア人」について話しました。「主の祈り」は、浦和明の星女子の生徒が毎朝唱えているものです。
「『ルカによる福音書』にはこう記されています。祈っているイエスを見て、弟子の一人が『私たちにも祈りを教えてください』といいます。するとイエスは『祈る時にはこういいなさい』と教えました。これが『天におられるわたしたちの父よ』で始まる有名な『主の祈り』です」
「祈り」は神様に対する「賛美」「お願い」「お詫び」そして「感謝」の4つで構成されています。そして「お願い」の祈りをすることが多くありますが、人間が求めることと、神様の思いが異なることもあり、かなわないこともある。親が子どもに「これがほしい」とせがまれても、「この子のために与えるべきではない」ことがあるように。そのため「お望みのままに私をお使いください」という態度が祈りの本当のあり方ではないかと島村先生は語りました。
「この『主の祈り』をみなさんのお嬢さんたちは6年間唱え続けます。その意味がよくわからなかったとしても、卒業するまでに『何か私を守ってくださる存在がある』『絶対的な存在によって私は生かされている』という発見があればよいと、私は本校の教員になってからずっと願い続けています。その発見は理解するというよりも、感覚めいたものでよいと思います。いつか芽を出すことを、私は願っているのです」




卒業生からの手紙
生徒の心に種を蒔 く6年間
「私は今年の『聖書を読む会』を通じてみなさんにお話ししたかったことがあります」。島村先生はそう述べると、卒業生2人について語り始めました。1人は偶然、再会した卒業生のことです。結婚して二児の母となったその卒業生が島村先生に送った手紙にはこう書かれていました。
「その人その人のあり方の後ろには母校が少なからずかかわっていると今思います―(中略)―子どもたちに手がかからなくなってきたら、自分らしい人生を送りたいなと思っています」
もう1人は病に倒れた卒業生のことです。その卒業生は病床で母校を思い出し、カトリックの洗礼を受けました。この卒業生が亡くなる前に島村先生にあてた手紙には、こう記されていたといいます。
「病んでみて今まで見えなかったものが見え、日々の生活の中で流れてしまう小さなことに気がついて、すてきな時間を過ごすことができ、毎日神様に感謝したり、お願いしたり、反省したりして、最善の自分であるように心がけています」
島村先生は、この2人の手紙を読み、「本校で学んだことをきちんと受けとめてくれているなと感じた」そうです。
「帰天した卒業生の手紙の中には『祈り』の要素がすべて入っています。彼女に洗礼を授けた神父は『明の星で蒔かれた種がゆっくりと芽を出したのですね』と話していました」
主の祈り

天におられるわたしたちの父よ、
み名が聖とされますように。
み国が来ますように。
みこころが
天に行われるとおり地にも行われますように。
わたしたちの日ごとの糧を今日もお与えください。
わたしたちの罪をおゆるしください。
わたしたちも人をゆるします。
わたしたちを誘惑におちいらせず、
悪からお救いください。アーメン
(この記事は『私立中高進学通信2017年2・3月合併号』に掲載しました。)
浦和明の星女子中学校
〒336-0926 埼玉県さいたま市緑区東浦和6-4-19
TEL:048-873-1160
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 英語力を身につけ発信していく藤村女子流の国際教育藤村女子中学校
- 感動と躍動と熱気にみちあふれた6年間芝浦工業大学柏中学校
- 言葉のシャワーで養われる自分で考え伝える力昭和学院中学校
- 文化週間・合唱コンクール 固い団結力を歌にのせて各クラスが優勝をめざす日本大学豊山女子中学校
- スーパーイングリッシュコース 国際社会で通用する英語とITを学ぶ秀明中学校
- 部活動を通した社会貢献 音楽を通して地域や社会に貢献関東学院中学校
- グローバルコース 従来のグローバル教育にさらなる実践力をプラス二松学舎大学附属柏中学校
- 食事の質とおいしさにこだわった開放的な食堂が人気!明治大学付属明治中学校
- 食べることが、生きる基本!残さず食べて、強い肉体と感謝する心を育む国士舘中学校
- 【陸上競技部】高い志を持ち、絆と精神的な成長を育む国学院大学久我山中学校
- 【テニス部】首都圏有数の恵まれた環境で部活を通して自主性を育む森村学園中等部
- 【バトン部/弦楽部】好きなことを通して人間力を高める江戸川女子中学校
- 世界へ目を向け奉仕する心を育てるサレジオ学院中学校
- 地球規模に視野を広げる独自の『プロジェクト学習』神田女学園中学校
- 体験学習と堅実な教科学習が土台を作る高輪中学校
- 未来 時代に即したキャリア教育『みらい科』で、未来をつくる麴町学園女子(麹町学園女子)中学校
- 25歳 成長段階に合わせて組まれた螺旋的な教育プログラム東京家政大学附属女子中学校
- 少人数、完全一貫教育だからできる お互いを否定せず、個性を尊重する温かな環境づくり普連土学園中学校
- 「自分で考えて行動する」生徒の自主性を引き出す指導が文武両道で活躍する生徒を育成本郷中学校
- 大学連携と独自のプログラムにより探求心と自ら学ぶ力を育む秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
- 人としての「根っこ」を育てる6年間田園調布学園中等部
- 保護者に向けた『聖書を読む会』浦和明の星女子中学校
- “智の美・芸わざの美・心の美”を柱に、「生きる力」を育む教育を行っている同校女子美術大学付属中学校
- 芝浦工業大学附属では新校舎が完成芝浦工業大学附属中学校
- 10年後の社会で活躍する生徒の育成をめざして「実践的英語力・コミュニケーション力・自ら学び実行する力」を養う武蔵野中学校
- 夢を実現するコース制を導入! 「学力」と「人間力」を伸ばし自律し自立した女性を育てる跡見学園中学校
- 社会科の授業にディベートを導入!論理的な思考力と表現力を伸ばす西武台新座中学校
- 『八ヶ岳イングリッシュキャンプ』で英語の経験値ギャップを解消京華女子中学校
- 充実のサポート体制で生徒を見守り 将来の夢の実現を応援する浦和実業学園中学校
- 学習習慣の定着と学友との交流 充実した研修で学校生活のスタートを支援光英VERITAS中学校
- 「何を大切に、どう生きるか」中高の学校生活にその学びがありました成城中学校
- チャレンジ精神の肯定で伸ばされた学生時代 今、自由な発想で社会を生きる獨協中学校


