私立中高進学通信
2017年2・3月合併号
Teacher's Lounge 先生たちの座談会
普連土学園中学校
少人数、完全一貫教育だからできる
お互いを否定せず、個性を尊重する温かな環境づくり

中学校の教室にて。机や椅子のほかにも、あちこちに木が使われている教室は、
温かみがあり、生徒が安心して過ごせる空間となっています。
――貴校では、家庭的な温かみのある雰囲気の中で、生徒同士が理解し合い、のびのびと学校生活を送っているとうかがっています。それはどのような取り組みによって実現しているのでしょうか?

中2担任。社会科担当。日誌を毎日ていねいに確認することで、生徒の様子を把握するようにしている。
山田先生
1学年3クラスの少人数編成だからこそ、生徒同士が親しく、家庭的な雰囲気になるのだと思います。毎年あるクラス替えや、クラブ活動、委員会活動などを通して、中学の3年間だけでも、同学年のほとんどの生徒と交流できます。
松井先生
高1にもなると、同学年のほぼ全員と顔見知りになっていますね。
友岡先生
当然ではありますが、入学当初の中1はとても緊張しています。新しい生活に「早く慣れないと!」「がんばらないと!」といった焦りのような思いが私たち教師に伝わってきます。そのため、早く学校生活に慣れるように、新入生オリエンテーションを4日間実施しています。オリエンテーションでは、キリスト教の考え方や、学校の歴史やカリキュラムなどを学んだり、生徒同士や生徒と教師でコミュニケーションを取ったりします。終了後には、学校の知識が身につき、生徒同士や教師と親しくなっています。
また、中1の夏にある3泊4日のキャンプも、生徒同士の距離をさらに縮める狙いがあります。キャンプ中に行われるプログラムの一つであるディスカッションでは、お互いの考えや経験などを知ることができ、生徒同士の理解につながっています。プログラムの時間以外にも、食事や寝起きなどをともにすることで、自ずと会話も弾むようになります。

高1担任。英語科担当。授業以外の時間も生徒との会話を大切にし、生徒の様子に気を配っている。
松井先生
高校生活は、中学3年間で慣れ親しんだ環境でスタートするので、生徒たちに気負いはありません。ただし、受験という厳しい環境に立ち向かうために、高1でも改めて、生徒同士の理解を深める機会を設けています。その一つが夏のスポーツキャンプです。昼はサッカーやテニスなどのスポーツに励み、夜はいくつかのテーマについてディスカッションをします。自分の考えを素直に言える生徒が多いんです。
山田先生
自分の考えが否定されないこと、受け入れてもらえることをそれまでの学校生活で確信しているからでしょうね。だから、安心して個性が出せる。本校はとても個性的で魅力的な生徒が多いんですよ。
松井先生
それぞれの個性を知っているからこそ、お互いの共通点を見つけ、良好な友達関係になれるのだと思います。生徒の友達関係に、文系、体育会系といった垣根は見られないですね。

中1担任。社会科担当。中1が学校生活に早く慣れ、楽しく、安心して過ごせるように心がけている。
友岡先生
クラス礼拝も、お互いを知るきっかけになっています。本校では、週に1度、朝の礼拝をクラスで行います。クラス礼拝では当番の2人が1人5分間ずつ、クラスメートの前で話をします。礼拝当番は全員で担当し、1年に2回程度、順番が回ってきます。クラス礼拝で話す内容は生徒が自分で決めるのですが、自分の興味・関心のあることを話し、クラスみんなで共有することが多いですね。
――生徒と先生の関係もとてもいいようですね。
山田先生
生徒と教師が会話する機会がたくさんあるからではないでしょうか。私は生徒との会話に、クラス日誌を活用しています。日誌には当番の生徒が、毎日の礼拝の内容、授業内容、宿題や提出物などの連絡事項を記入します。私は日誌を受け取るとさっと目を通し、記入もれや間違いがあれば、なるべくその場で指摘するようにしています。その日あったできごとなどについて聞くきっかけにもなります。日誌当番を待っているほかの生徒が会話に加わることもしばしばあり、気付けばたくさんの生徒と会話をしていることも。日誌は、当番の生徒の性格がわかったり、私の担当以外の授業の様子がわかったりと、生徒やクラスの様子を把握するのにもとても有効です。
松井先生
私は掃除の時間に生徒とよく話すようにしています。生徒たちと一緒に掃除をしながら、「今日の授業はどうだった?」「テストでわからないことはあった?」などと声をかけています。授業が終わったばかりでリラックスしている生徒たちとは、会話も弾みます。
友岡先生
生徒全員が所属する自治会の役割も大きいですね。生徒会や国際親善委員会、ボランティア委員会など多数あります。基本的に生徒主体で運営するのですが、生徒だけでは難しい場面もあります。そんな時は、生徒が各委員会の顧問の教師に相談してアドバイスを受けたり、一緒に会を運営したりします。
山田先生
職員室の前のベンチも、生徒と教師の会話に一役かっています。ベンチがあることで、生徒と教師がじっくり話をしやすくなっているのだと思います。テスト前になるとわからないことを質問するために、ベンチに座って、教師を待っている生徒が大勢います。けっこうにぎわいますね。
学校用の手帳も生徒との会話の糸口になります。中学では教師が作成したリフィルを使った手帳、高校では市販の手帳を使用し、学校のスケジュール管理や、家での学習実績、生活面などの記録をします。クラス担任は手帳の内容を適宜確認し、生徒と面談をする際などに活用しています。
松井先生
就寝時間が遅い生徒には、早く寝られるようにするにはどのような対策があるかなど、生活面のアドバイスをすることもあります。
山田先生
生徒同士がお互いを理解し合い、生徒と教師がたくさん会話して親しい関係が築けているからこそ、本校ならではの家庭的な温かい雰囲気が生まれるのだと思います。安心できる空間で生徒がのびのびと過ごせるように、これからもサポートしていきたいと思っています。


(この記事は『私立中高進学通信2017年2・3月合併号』に掲載しました。)
普連土学園中学校
〒108-0073 東京都港区三田4-14-16
TEL:03-3451-4616
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