私立中高進学通信
2017年1月号
目標にLock On!! 私の成長Story
桐朋女子中学校
中高生主体のボランティア団体で活躍
やりたいことを常に応援してもらえた6年間

OG N.Yさん
青山学院大学 文学部 史学科 1年
「桐朋女子らしさを感じさせる言葉を」と選んだメッセージ。
「柔軟だけれども、自分の軸に戻って来られるような女性になりたいです」(N.Yさん)
“何をしても認められる”その安心感が行動の原動力

2016年の春に同校を卒業し、現在は、青山学院大学文学部史学科に学ぶN.Yさん。大学に通うかたわら、高校在学中に取り組み始めたボランティア団体での活動を続けています。所属しているのは、中高生によるボランティア団体『クラブワールドピースジャパン(CWPJ)』。熊本の震災の被災地で炊き出しを行ったり、地域と協力しながら街のゴミ拾いをしたり、『フェアトレード※』についての啓蒙活動を行ったりと、お金や行動範囲に制約の多い10代だからこそできることに焦点を合わせながら、社会貢献に取り組む団体です。
高校2年生から、CWPJの活動に関わり始めたN.Yさん。一人で校外の団体に飛び込んで活動することに対しての不安や迷いは、まったくなかったと語ります。
「桐朋女子には、何をしても認められるという安心感がありました。友達もそれぞれが個性的で、考え方も目標や進みたい道も違う。でも、お互いを認め合って応援し合う雰囲気がありました」
同校では、先生たちが何かを強制したり、強要したりするようなことはなく、生徒同士が互いに刺激し合って、やりたいことや自分の進むべき道を自分で決めることが当たり前だったと言います。

「中学時代の私は、勉強よりはむしろバレエに熱中していたといえますが、高校1年生のある日、誰に言われたわけでもないのに自然にスイッチが入って、急に熱心に勉強に取り組むようになりました」
そんなN.Yさんを、先生方はいつでも温かい目で見守ってくれたそうです。
「桐朋女子では、やってみたいという思いを誰かに否定されるということがありませんでした。先生方は誰でも受け入れてくれるし、『やってみなさい』と何でも応援してくれました。そんな学校生活はとにかく楽しくて、学校が大好きでした」
もっと魅力のあるフェアトレードの商品を作りたい

この夏までCWPJの共同代表を務めていたN.Yさん。今はその席を現役の高校生に譲り、中高生たちを支える裏方の立場で活動を続けています。なかでもN.Yさんが最も関心を寄せているテーマは、「フェアトレード」。CWPJでは、ファッションショーやイベントへのブース出展などを通じて、フェアトレードの認知を高める活動を行っています。
「フェアトレードの商品は『支援』として購入されるものの、それ自体の魅力は高くないものが多いと感じていました。これでは一度は購入しても、購入者の満足度も低いし、2回目は購入されにくいですよね。支援という言葉が付かなくても皆がほしくなるような、魅力のあるフェアトレードの商品作りをしてみたいと漠然と思っていた高3の時に、その話をした学校の先生からある本を手渡されました」
本のタイトルは『裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記 (講談社BIZ)』。著者である山口絵理子さんは、魅力あるフェアトレードのバッグ作りに、アジア最貧国のバングラデシュで取り組み、『マザーハウス』というブランドを立ち上げます。
「『あなたのやりたいことは、この人のやっていることと同じことだよ』と言ってもらって、目標とするものを見出せました。進路にも悩んでいた時期だったのですが、青山学院大学の史学科では、東南アジアの貧困や差別の歴史的なバックグラウンドや、開発途上国がどうしたら経済的に発展できるかについても学べると知ったので、指定校推薦で受験することに決めました」
始まったばかりの大学生活。これまでとは違う環境に身を置いてみて、もっと広い視野でものごとを見てみようと考えるようになったというN.Yさん。ボランティアだけではなく、いろいろなことに興味や関心を持っていると言います。
「大学在学中に留学もしてみたいし、一度は社会を知るために就職もしようと思っています。フェアトレードの商品作りという夢はありますが、まずはいろいろな観点から世の中を見て、視野と可能性を広げたいと思います」
※フェアトレードとは、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に取引することを通じ、途上国の生産者や労働者の持続的な生活向上を支える仕組みです。
それぞれが個性を発揮し互いを認め合える環境が魅力

高1、高3の担任だった𠮷川陽大先生。N.Yさんのことをいつも温かく見守ってくださいました。
「𠮷川先生のホームルームの時間はとても楽しくて、ずっと笑っていました。受験でつらい時などにも学校に行けば必ず笑顔になれる、本当に素敵なクラスでした」(N.Yさん)
「桐朋女子の生徒は、特定の生徒だけと仲良くすることがあまりないんですよね。お互いが認め合い、いろいろなタイプの生徒と触れ合う中で、N.Yさんの世界も広がっていったのではないでしょうか。個性的なメンバーたちですが、行事の時にはものすごく団結します。このダルマは高3の体育祭で必勝を掲げた時のものです(笑)」(𠮷川先生)
(この記事は『私立中高進学通信2017年1月号』に掲載しました。)
桐朋女子中学校
〒182-8510 東京都調布市若葉町1-41-1
TEL:03-3300-2111
進学通信掲載情報

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