私立中高進学通信
2017年1月号
注目のPICK UP TOPIC!
春日部共栄中学校
基礎の積み重ねが学習の確かな土台を築く
朝の『Mタイム』と放課後の『Lタイム』

当番制で中3生が中1生のクラスを訪れ、Mタイムの指導を行います。

能動的学修を独自に実践し「真に世界を舞台に活躍できる人材育成」をめざしている同校。中学開設当初から行われているのが、朝の時間を有効に活用する朝学習『Mタイム』です。登校した生徒たちは、毎朝8時15分から40分まで集中して課題に取り組みます。内容は速読練習、英語のリスニング、数学問題演習、そして新聞や雑誌などを使って行うワールドビューです。
英語科の赤松美由紀先生は、「毎日英語を聞き、音読や課題に取り組む」ことで、生徒たちの耳を鍛え、リスニング力を高める効果が見込めると話します。
「Mタイムは中1から高校まで継続して行うので、高校でのリスニング力が押しなべて高くなっています。毎日少しずつ積み重ねた成果でしょう」
数学問題演習では、計算力の定着に力を入れています。
「限られた短い時間で素早く解く計算問題が中心です。計算のスピードをつけるだけでなく、復習の効率を高めます」(数学科/馬﨑郁朗先生)
そして、Mタイムを語るうえで欠かせないのがワールドビューです。生徒が事前に家で新聞や雑誌から興味のある記事を選び、感想・要約・提案・対案を書いて提出します。その中から先生が選んだ1枚を『Mタイム』の時間にクラス全員に配布し、それに1分間で目を通すというものです。
「幅広い知識を身につけるとともに、速読の実践練習にもなっています。また、友達が選んだ記事を読むことで新しい発見や刺激となり、クラスメートが持つ興味を知ることで相互理解にもつながる、幅広い要素があります」
(中学教頭/星善博先生)
Mタイムでは、「中1生のクラスを中3生が面倒を見る」のが慣例になっています。先生の代わりに指導し、ストップウォッチを持ってタイムキーパーを務めます。
同校ではこのほかに、『Lタイム』という放課後の補習時間を設けています。中学生の場合、部活動を火・木・土曜日に行い、月・水・金曜日はLタイム。月・金には英語と数学の補習と発展的講座の2講座が行われ、水曜日は20分間の自学自習の時間です。
「短い時間で高い学習効果を得られるプログラムは、生徒自身が時間を有効利用して勉強をする習慣を身につける実践の場にもなっているのです。何をすべきか計画的に考えることで自学自習を促し、ゆくゆくは自律にもつながると考えています」(星先生)


オリジナルの速読練習用紙です。「速読練習は、目の動きを速くし、脳の活性化の訓練になります。
読書スピードを高め、さらには新聞や評論などの文章から素早くキーワードを読み取れるようになるのが狙いです」(星先生)


ワールドビューは、興味を持った新聞記事などを切り抜いてB4サイズの用紙に貼り付け、重要だと思う部分に線を引きます。
記事には要約と感想だけでなく、提案・対案を書くことが求められます。自分の意見を考え、まとめることで「思考力・判断力・表現力」が鍛えられます。


Mタイムのメニュー
速読練習(3分間) | 目の動きを速くし、目から読み取った情報を頭の中で素早く処理するための訓練。 |
---|---|
ワールドビュー(1分間) | 毎日の新聞や雑誌などから興味深い記事をピックアップし、それに要約・感想・提案・対案を記した生徒作成の「ワールドビュー」を読む。 |
英語のリスニング(5分間) | 耳と目と口を使った、英語のリスニングや単語の書き取り練習。 |
数学問題演習(3分間) | 限られた時間で素早く、問題集の指定された問題を解く。 |
自習(残り時間) | 学習計画手帳の記入や自学自習に取り組む。 |
計画・日記・伝達要素を持つ
学習計画手帳

『Mタイム』の決められた日課が終わると、8時40分からのホームルームが始まるまでに多くの生徒が、『学習計画手帳』を記入しているそうです。これは同校が数年前から始めている取り組みで、生徒一人ひとりが工夫して学習計画などに活用する手帳です。1週間の勉強の予定や今週の目標を立て、自律的な学びを促します。
「手帳には、計画表だけでなく、ちょっとした1日の出来事を書くスペースもあります。定期的に生徒から提出してもらい、担任が一人ひとりにコメントをつけて返します。生徒との距離を縮めるツールとしても役立っています」(赤松先生)
(この記事は『私立中高進学通信2017年1月号』に掲載しました。)
春日部共栄中学校
〒344-0037 埼玉県春日部市上大増新田213
TEL:048-737-7611
進学通信掲載情報

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