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私立中高進学通信

2017年1月号

その先に備えるキャリア教育

東京農業大学第三高等学校附属中学校

探求
実体験から知恵を培い自ら学びの道を切り拓く

独自の実学教育を通して、主体的に学びを体得する同校のキャリア教育。
科学部が取り組む「クエの養殖」にも、その方針が明確に表れています。

「不屈・探究・信頼」のフロンティア精神あふれる校訓を掲げる同校は、実学教育をベースに学力、進路選択力、人間力を高めるキャリア教育を実践しています。同校の「実学」とは、自然現象や社会現象を主体的に観察し、なぜそうなったかを疑問に思い、実験や体験を通して確かめるといったプロセスを経ることで、「知識」を「知恵」として体得する学び方です。生徒自身で「研究の課題を発見し、その課題を実験や体験、調査を通じて明らかにしていく」ように組み立てられています。

 実学教育を実践する科学部の取り組みが、3年前から行われている魚の養殖です。養殖は、水槽の環境や水質管理などに手のかかる難しい試みですが、NPO法人日本養殖振興会に協力を仰ぎ、これまでヒラメの養殖・飼育を手がけてきました。

「本校の柱でもある『実学』を交え、生徒が自ら考え、工夫を重ねながら育てています。さらに育てたものを調理し、食べるところまで経験させますので、食育や命の尊さを考える機会となっています。養殖一つでも、知的好奇心の枝を大きく伸ばすことができるのです」(科学部顧問/渡邉俊希先生)

 2年前からは、養殖の知識を東京・墨田区の第三寺島小学校に生徒が教えにいく取り組みも行っています。

「学んだことを活かす体験は、“人に教えることは自分が学ぶことなのだ”という実感に結びつきます。人に何かを教えようと思えば、学んだ知識を集積して、どのようにしたら相手にわかりやすく説明できるかを考えることが必要不可欠だからです」

 これまでの経験をもとに、今年は初めてクエの養殖に挑戦しています。新しい取り組みとして、今までつながっていた手作りの水槽を2つに分け、水温を変えた環境でクエを生育。育ち方の違いを比較する研究を重ね、データを蓄積しています。試食時の味の違いも研究テーマの一つです。それらは、理科展などを通して学内外に発表していく予定だといいます。

「生徒たちは生き物を相手にして不慮の事態の的確な判断力、責任感、そして粘り強さを学ぶでしょう。また、長期間データを取り続け、集まったデータが何を意味するのかを分析し、活用する力を育みます。それはまさに、自ら新たな知識を求める実学教育の真髄なのです」

Report
1年目ヒラメの養殖と試食

 科学部で初めて取り組んだのはヒラメの養殖です。中学単独の部活動で養殖活動を行っているのは埼玉県下でも唯一。稚魚から1年間かけて30㎝ほどまで育て上げました。そして、「命の授業」を実施。NPO法人日本養殖振興会代表で、調理師の資格を持つ齋藤浩一先生から和包丁の使い方、ヒラメの部位の説明などを受けながら、ヒラメをさばいていただきました。

2~3年目養殖の知識を伝える

 小学校へ行き、ヒラメの育て方を教えるボランティアに参加しました。自らの体験を通じて学んだ、エサの与え方や水槽の清掃方法などをわかりやすく説明。事前の準備や学んだことを伝える経験は、より深い理解につながっていきます。

4年目クエの養殖と生育状況の比較研究

 科学部では今学期からクエを飼育し、水温を変えた2つの水槽で、成長の違いを見る実験を行っています。

「養殖は生き物を扱うので、責任の重さを感じます。思うようにはいかないこともありますが、みんなでアイデアを出し合い、協力しながら、工夫して育てています」(副部長/永野そうくん)

「実際にやってみないとわからないことがいっぱいあります。今回は水温の変化で育ち方も変わるので、新しいデータが生まれると思います。養殖に限らず、中1でダイズを育てて味噌を作ったり、中2で稲作体験をしたり多くの実体験をしてきました。ヒラメと同じように、クエも育てた後は命の授業として、試食を行います。こうしたさまざまな経験から、いろいろなものの見方ができるようになったと感じています」
(部長/沼田侑希くん)

毎日水温を計り、手塩にかけて育てている2匹のクエ。毎日水温を計り、手塩にかけて育てている2匹のクエ。
クエを飼育している水槽はすべて手作り。ホームセンターで買ったバケツや衣装ケースを改造しています。クエを飼育している水槽はすべて手作り。ホームセンターで買ったバケツや衣装ケースを改造しています。
「養殖は大変だけど学ぶことも多い」と教えてくれた、部長の沼田くん(左)と副部長の永野くん(右)。「養殖は大変だけど学ぶことも多い」と教えてくれた、部長の沼田くん(左)と副部長の永野くん(右)。

(この記事は『私立中高進学通信2017年1月号』に掲載しました。)

東京農業大学第三高等学校附属中学校  

〒355-0005 埼玉県東松山市松山1400-1
TEL:0493-24-4611

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