私立中高進学通信
2017年1月号
アクティブラーニングで伸ばす新しい学力
和洋九段女子中学校
注目のPBL型授業にアクティブラーニングをプラス
21世紀の新しい学び方がスタート!

意見交換も活発に行われている英語の授業。答えのない答えを追求する楽しさがここにあります。
今年度から全教科にアクティブラーニングを導入
いよいよ2017年4月から、同校中学では『グローバルクラス』(KUDAN GLOBAL CLASS)と『レギュラークラス』(KUDAN REGULAR CLASS)の2コース制が始まります。前者は、海外帰国生など英語を話せる生徒と、これから英語を学ぶ生徒が一緒に学び合うクラス。後者は、21世紀型授業の象徴といわれているPBL(Problem based learning)型授業を徹底したクラスという位置づけです。PBLとは問題提起型の授業形態。生徒たちはグループで話し合い、考え合い、解答を模索しながら学びを定着させていきます。
「2017年度に創立120周年の大きな節目を迎える本校は、PBL型授業をベースに、2016年度から全教科でアクティブラーニング型授業をスタートさせました」(入試広報室長/川上武彦先生)
グループワークやディベート、プレゼンテーションを取り入れたアクティブラーニングの導入にあたり、全教員が参加する授業研究などの研修を徹底して行ったそうです。自ら専門書などに積極的に目を通しながら、日々研鑽に努めている教員も少なくありません。英語科の永坂光弘先生もその一人です。
「中1の英語の授業にアクティブラーニングを導入してまだ日は浅いですが、すでに大きな変化が表れています。授業を重ねるごとに生徒たちの声が大きくなっているのです。授業の始まりには毎回、誰か一人がみんなの前に立ち、英語で自己紹介することも定番になっています。
帰国生はもちろん、中学になって初めて本格的に英語を学び始めた生徒にとっても、成長の手ごたえを感じる楽しい授業になっていることを確信しています」(永坂先生)
基礎・基本を踏まえて臨むアクティブラーニング
英語指導のキャリアが豊富なベテラン教員ならではのこだわりとして、永坂先生は基礎・基本をしっかりと身につけるうえでのアクティブラーニングを実践しています。
「中高6年間の一貫教育の中で、中1〜中2の最初の2年間を基礎・基本の徹底に費やすのが、伝統ある本校の教科指導のモットーです。そこをしっかりと踏襲しながら進めていくことで、本校ならではのレベルの高いアクティブラーニングやPBLが構築できると思っています」
生徒たちの思考を活性化させ、より深く学ぶために、日々工夫を凝らす永坂先生。この姿勢は全校を通じて貫かれています。先生方に導かれ、同校の生徒たちは目を輝かせて授業に取り組み、目覚ましい成長ぶりを見せています。
授業Watch Mission 1それぞれが表現方法の違いを考える

「ちょっと意地悪な質問をします」。この日の中1の英語の授業は、永坂先生のこの一言から始まりました。
電子黒板に映し出された例題は次のようなものです。
「この2つの文章の表現方法の違いを、思いつくままに書いてください。正解も不正解もありません。制限時間は7分間です」
プリントに気がついたことをそれぞれ自分なりに記入していく生徒たち。ちなみに、今日から新しく学ぶ単元は「現在進行形」です。しばらくして、永坂先生からヒントが出されました。
「『知っている』と『掃除している』とでは何が違うのでしょうか」
ペンが止まっていた生徒の表情が一瞬にして変わり、その“答え”が記入されていきます。間もなく制限時間の終了です。


授業Watch Mission 2意見交換してみんなの意見をまとめる
「今度は6人1組になってください」
生徒たちは、慣れた手つきで机を並べ替えます。机の移動が終わるのを見計らって、次のミッションが出されます。
「誰か1人、司会者を決めてください。決まったら、先ほど皆が考えた答えを発表し合い、最後にグループ全体の意見として記入するまでが今日の授業です」
こうして2つの表現方法の違いについて、意見交換が始まります。入学から約半年の中1生ですが、意見交換の場はとても活気があります。授業では他者を尊重し、多様性を認め合う視点を重視しています。意見を提供した生徒には、誰もが敬意を払うこともルールの一つです。
「こういったルールを徹底させることで、意見を主張することが当たり前になり、生徒たちの力は大きく伸びていきます」
と永坂先生。
「今日、各グループでまとめた結果を、次の授業で発表し合うことにします」
こうして時間が来て、授業は終了。次回は、グループでまとめた結果をもとにしたゲーム形式で授業が行われるそうです。


ココも注目!
中1・中2こそきめ細かなアクティブラーニング

「中学受験を経験してきた生徒のほとんどは、初めから正解のある問題を解くことは得意です。だからこそ、答えが一つではないアクティブラーニングの必要性があるのだと思っています。
大事なことは、生徒たちが“それぞれに探してきた答え”の中にある間違いを、どこかで必ず修正することです。特にアクティブラーニングを始めたばかりの中1や中2に対しては、やりっぱなしはいけません。きめ細かく手をかけていくことが必要だと考えています。徹底して手をかけていったその先に、自立した学び方を身につけた姿があることを期待しています」(英語科/永坂光弘先生)
(この記事は『私立中高進学通信2017年1月号』に掲載しました。)
和洋九段女子中学校
〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-12
TEL:03-3262-4161
進学通信掲載情報

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