私立中高進学通信
2017年1月号
グローバル時代の学び方
足立学園中学校
3年間かけてグローバルな素養を育てる総合学習
次世代の社会で活躍できる人材をめざして

生徒たちは1年間の研究成果をもとに、企業担当者の前でプレゼンテーションを行います。
中1から始まる高レベルなプレゼンワーク

建学の精神『質実剛健 有為敢闘』をもとに、社会に役立つ人材、最後までやりぬく人材の育成を目標とする男子伝統校。進むグローバル社会の中でもその精神を基とする改革を図り、自ら考えて行動できる人材の育成をめざして、さまざまな取り組みを行っています。
中1からプレゼンテーションの基礎を学び、中2ではタブレットを活用したIT学習も開始。中1~中3で、繰り返し、プレゼンテーションの訓練を行います。授業で生徒たちが使う教材は、世界的にも有名なプレゼンテーションのノウハウを解説した本です。その他にアメリカの講演団体「TED」のテクニックを紹介した書籍も教材にしています。少し背伸びをして、プロの現場でも使われている資料に触れさせることで、生徒たちは意識を高め、創造性を伸ばしていきます。
そして、中3になると「企業インターンワーク」といわれるプログラムが用意されています。提携するのはセブン&アイや大塚製薬、森永乳業など、日本を代表する企業ばかり。1年間をかけて企業からのミッションに取り組みます。導入のきっかけについて、技術科担当で授業改革研究委員でもある髙田昌輝先生は、次のように話します。
「地元の商店街などで職業体験をする学習はありますが、今後グローバル社会で活躍する生徒たちにとって、将来の仕事に近い体験はないかと考えました」
グローバル人材に求められる「協働」「問題解決」力を養成
「企業インターンワーク」では、生徒たちがグループに分かれて、希望のインターン先を選定します。第1段階では、企業からの指令で簡単なマーケティングリサーチを行い、最初のプレゼンテーションを行います。
次に、第2段階として、企業が実際に取り組んでいる課題について、具体的な企画案を要求されます。例えば「働く女性が毎朝食べたくなるような栄養あふれる新製品を企画・提案すること」「ビフィズス菌を認知させるプロモーション企画の提案」など、課題はなかなかの難問ぞろいです。
生徒たちは調査・分析を行い、チームで何度も話し合いを重ねて、企画を練り上げていきます。そして、自分たちのアイデアを企画書に落とし込んで企業担当者の前でプレゼンテーションします。ミッションをクリアする企画を考え出すのは大変なことですが、生徒たちは協力し合い、楽しみながら取り組んでいるそうです。
「我々の考えるグローバルな人材とは、アウェイで活躍できる人間。そうなるためには、チームで取り組む協働の力や、限られたスキルで粘り強く問題を解決する能力が必要です」
と髙田先生。中学3年間をかけた取り組みは、生徒たちのグローバルな素養を育て、大きく伸ばすことでしょう。
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企業のミッションをとことん考え抜く
“アウェイで戦える”人材を育てる「企業インターンワーク」

今年で4回目を迎えた、同校の「企業インターンワーク」。直接企業の担当者と交流し、企業から与えられたミッションを解決します。最終のプレゼンテーションでは質疑応答も行われます。
「企業の方もかなり厳しい質問をしてきますので、そこでどう答えるか。生徒には自分の意見を的確に伝える能力も必要になります」(髙田先生)
生徒たちには「話を聞く」という訓練も必要です。プレゼンテーションの授業でまず行うことは、「聞く」学習だそうです。
「他人の意見を聞いた上でしっかりと自分の意見を言うことが、グローバルな場では必要です」
プレゼンテーション終了後には、4000字のレポートにまとめる課題もあります。生徒たちはインターンワーク体験を経て、企画する経験や粘り強く物事に取り組む姿勢などグローバル社会に必要な素養を養っていきます。

「話す」「聞く」を学ぶ

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自国への知識と海外体験がグローバルな力となる
海外で活躍するための日本を知り、海外を知る学習
海外に行っても自国のことを説明できなければ、真の国際人とはいえません。同校では中1で横浜、中2で鎌倉の校外学習、中3では京都・奈良で修学旅行が実施されます。京都では海外のVIPも訪れる美濃吉本店竹茂楼で茶道を体験するなど、日本文化の奥深さを3年間かけて学んでいきます。
中3からは希望者を対象に2週間のイギリス海外語学研修が実施されます。英語教育はもちろん、豊富なアクティビティで英国の文化・歴史に触れる貴重な体験です。


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中2から全員タブレット所有
マイクロソフトの認定を受けたICT教育推進校

日本でシェア率の高いサーフェスのタブレットを採用。生徒が社会に出た時にスムーズに業務へ移行できるようサポートしています。
同校は、「Microsoft Associate Showcase Sc-hool 2016 エビデンス・チャレンジ」の認定校です。これは、ICT活用を推進する学校への支援プログラムで、国内ではわずかに20校だけが認定されています。中2から全員がタブレットを購入し、オフィス365を利用して教員と生徒との情報共有も行われます。世界標準で最新のツールに触れることも、同校のグローバル教育の一環です。
(この記事は『私立中高進学通信2017年1月号』に掲載しました。)
足立学園中学校
〒120-0026 東京都足立区千住旭町40-24
TEL:03-3888-5331
進学通信掲載情報

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