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私立中高進学通信

帰国生入試特集『Lighthouse 2016年 秋の増刊号』

これで安心!帰国後の私立中学・高校選び(初級編)

聖学院中学校・高等学校 〔男子校〕

個性を尊重

年度末、英語集中プログラムでの1コマ。

年度末、英語集中プログラムでの1コマ。

英語力を錆びつかせない6年間の取り出し授業

 聖学院は、都内でも屈指のきめ細かな対応で帰国生を受け入れている中高一貫の男子校です。

「帰国生という言葉でひとくくりにされがちですが、暮らした国も英語や日本語のレベルも一人ひとり違います。本校が帰国生を受け入れ始めたのは15年ほど前ですが、この間、帰国生にはいろんなタイプがいることを学びました」(副校長・入試広報部長の清水広幸先生、以下同)。

 現在、中高六学年で50名の帰国生が在籍中。中1では、1学年170名中帰国生は10名で、このうち3人は完全に英語で授業を受けられる生徒、4人は英語圏からの帰国でヒアリングはできる生徒、3人は日本人学校などの出身で英語があまり得意ではない生徒という内訳。

「英語を身に付けた帰国生の保護者が一番心配なのは、日本に帰ると英語力を維持できないのではないかということ。そこで本校は『SSコース』を設置しています。これが大きな特徴です」。

 SSコースとは、英語で授業を受けられるレベルの生徒を対象にした英語の取り出しクラス。現在の中1では3人だけでこの授業を受けています。週6回のうち4回はネイティブ教員の指導のもと、英語を英語で学ぶだけでなく、平和やテロ、環境といったグローバルな課題についてディスカッションし、プレゼンします。残りの2回は日本人教員によるリーディングとライティングの授業です。

 「英会話が得意な帰国生でも、文法があやふやなケースがあります。正しい文法を身に付けたほうが、大学受験の時に英語の学力が伸びるのです」。

一人ひとりの個性を受け入れる寛容な土壌

 聖学院は、生徒の習熟度に合わせた「Advanced」「Regular」の2コース制。アドバンスト2クラスのうち1クラス、レギュラー3クラスのうち1クラスに帰国生を集めています。

「帰国生ならではの苦しさや悩みを共有できるからか、違う国から帰ってきた生徒同士でも、あっという間に仲良くなります。帰国生がすぐに友達ができるように配慮したクラス編成です」。

 休み時間、帰国生同士が英語で話しているシーンも見られるとか。すると、興味のある生徒が寄ってきて、英語と日本語を混ぜた会話が始まります。

「教室からグローバルにしていきたい。特別なことをやるのではなく、教室の中に世界中から帰ってきた仲間がいるようにしていきたい。中1から帰国生と一般生を混ぜたクラスにしているのはこのためです」。

 最近の男子は内向き志向だといわれます。ところが、帰国生と日々接している聖学院の生徒たちは大違い。全校生徒約900人のうち、年間延べ100人以上がなんらかの海外プログラムに参加しているというのです。帰国生から受ける刺激が大きいのでしょう。

 Only One for Others(オンリーワン・フォー・アザーズ)――。これは、キリスト教主義に基づく聖学院の根底にある理念。「他者のために生きる個人」を意味します。ナンバーワンになることに価値を置くのではなく、一人ひとりがオンリーワンの個性を尊重される雰囲気が根づいているのです。言葉も肌の色も文化的背景も、違うからこそ価値があるという共通認識。これが帰国生が溶け込みやすい土壌を育んでいます。

学習歴の違いを個別にサポート

 10年ほど前のこと。中間テストのとき、手が止まってほぼ白紙の答案を提出した帰国生がいたそうです。その生徒は漢字をほとんど読めなかったのです。

「日本史をまったく学んでいない帰国生もいます。国によっては算数や数学の進度も日本と異なります。そこで本校では、できるだけ個別に対応しています」。

 代表例が定期試験内容や成績の配慮。たとえば、ある帰国生は100点満点中30点分が未履修だとすると、残り70点分を100点満点に置き換えて点数を出すといった具合。帰国生の人数が1学年10人程度だからできるきめ細やかな対応です。

「一人ひとりのバックグラウンドをしっかり見てあげれば、帰国生は安心します。できないのではなく、単にやっていないだけだとわかれば、プライドも傷つきません。過去の帰国生を見ると、早ければ3か月、遅くとも1年くらいで追いつくのでなんの心配もいりません」。

 個別対応のプラスアルファの取り組みには「Evening講座」があります。これは、いわば校内塾。大手予備校の講師にほぼマンツーマンで勉強を見てもらえます。

 こうした手厚いサポートを受けた帰国生は2016年3月、慶應義塾大や早稲田大などのほか、海外大学にも合格しました。海外大学への進学準備はネイティブ教員がサポートしています。

 一方、気になる中学の帰国生入試はAとBの2方式。B方式は一般的な中学入試に近い内容ですが、A方式は英語が得意な帰国生向けに英語と算数、英語面接で受けられます。

「A方式の算数は日本の小学校の教科書レベルです。落とすための入試ではないからです。海外で暮らしている子どもたちには、ぜひその国の文化を体得してきてほしい。実体験は何物にも代えがたいからです。編入相談はいつでも可能です」。

(この記事は2016年12月に掲載しました。)

聖学院中学校・高等学校 〔男子校〕  

〒114-8502 東京都北区中里3-12-1
TEL:03-3917-1121

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