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私立中高進学通信

帰国生入試特集『Lighthouse 2016年 秋の増刊号』

これで安心!帰国後の私立中学・高校選び(初級編)

渋谷教育学園幕張中学校・高等学校 〔共学校〕

自調自考

帰国生もイキイキ過ごせる校舎。

帰国生もイキイキ過ごせる校舎。

20世紀から実践し続ける「自調自考」を育てる教育

 渋谷幕張中高に在籍する帰国生は約180名。

 2014〜16年、海外大学への現役合格数は59名でした。その内訳は、帰国生37名、一般生22名です。また今春卒業した帰国生29名のうち、12名が国公立大学に合格、そのうち4名が東大合格を果たしています。

 これらの数字は、海外大学に進学するのは、必ずしも帰国生ばかりではなく、国内外の難関大合格を果たすには、『帰国生』『一般生』の区別はないことを示します。

「本校には帰国生が多いので、海外大学は帰国生の実績と思われていますが、それは間違いです。たとえば英語が話せるだけでハーバードには入れませんよね。日本語が話せるからと言って、東大に合格できないのと同じことです。渋谷幕張では、帰国生、一般生の区別なく、学力は当然のこと、学力だけではないプラスアルファの資質を持つ、本当の意味でのグローバル人材を育てています」と入試対策室長の永井久昭先生。「学力プラスアルファ」を育てる教育とは何か。同校の教育目標からひも解きます。

「未来からの留学生」と呼ばれた1983年創立当時の一期生

 教育目標の一つ目は「自調自考の力を伸ばす」です。すなわち「自らの手で調べ、自らの頭で考える」を意味する言葉ですが、この目標を掲げたのは20世紀の1983年で、バブル期よりも少し前です。時代の流れも現在に比べたら緩やかな時代でした。一方で84年に臨時教育審議会が発足し、21世紀に向けた長期的な教育問題についての議論が始まっていました。そこですでに「やがて来るであろう、変化が激しく予測不能な時代には、自ら考え、問題解決できる力を育てなければならない」という危機感を持っていました。

「当時、田村哲夫校長は、生徒に対してよく、『君たちは、21世紀からの留学生である』と言っていました。校長講話でも “Learning to be” 『未来への学習』という言葉がよく使われていました。未来を予測することが難しい時代には、与えられた知識だけでなく、自ら学び、考える力がなければ生き抜くことができないと考えていたのです。しかし当時の教育現場ではまだまだ認知された概念ではなかったと思います」(永井先生)。

 今でこそ、知識偏重型の教育から生徒主体の能動的学修への変革が問われ、様々な取り組みが注目される時代となりましたが、同校では創立当時から取り組んできたことでした。その結果が、「学力プラスアルファ」の教育であると言えます。

一般生と刺激を与え合う帰国生は「宝物」

 二つ目の目標、「倫理感を正しく育てる」は、グローバル化が進む21世紀、国際人として問われる重要な資質でもあります。

「国際人として認められる倫理感」について、永井先生が卒業生のエピソードを紹介してくれました。

「現在、ドイツ国内で働いている卒業生から聞いたのですが、彼女の働く企業にはドイツ人のみならず多国籍の方々が勤務され、日本人は一人だけだそうです。その様な環境での仕事は、当初とても苦労が多かったものの、彼女の持つ誠実さや仕事に対する真摯な姿勢から、同僚の信頼を得ることができたとのことでした。つまり、文化や生活習慣の違う人たちと共に働き、生きるグローバル社会では、人間として信頼される必要があります。高い倫理感は、中高時代で身につけるべきと考え、本校の教育目標としているのです」。

 そして三つ目の教育目標に「国際人としての資質を養う」があります。

 同校では開校の1983年から「国際部」を組織し、帰国生を受け入れてきました。当時の帰国生受け入れ校の大半は、日本の教育を受けることができなかった期間を「埋めるため」の取り出し教育をするスタンスでした。しかし同校は「帰国生の海外経験は宝物」と最初から考えていたと永井先生は言います。

「海外経験と一言で言っても、どの地域で生活していたかでスタンダードは違います。多様な価値観の生徒たちが一緒に学ぶからこそ、お互いに刺激しあうことができます。一般生は帰国生に、帰国生も一般生から刺激を受けるわけです。つまり帰国生は、多様性の中のひとつの特性を持つ『宝物』なのです」。

 帰国生試験は英語の面接とエッセイがありますが、これも「きちんとした思考力を持っているかを、英語で問うもの」であり、英会話力が至上ではありません。多様性の中で学ぶ生徒たちの目指すものは実に多彩です。最年少で気象予報士試験に合格する生徒もいれば、ウイーン国立音楽大学に進学する生徒もいるのは「自然のこと」なのです。

多様性と選択の多彩さは渋幕の「校風」

 現在、入学式や卒業式をはじめとした学校行事はバイリンガルで行われています。スポーツフェスティバルでの開会の挨拶は英語でしたが、挨拶をした生徒会長は帰国生ではありません。また、下校をうながす校内放送も英語です。これらは生徒たちが主体的にはじめたことだそうです。

「生徒たちに、一般生・帰国生という意識はありません。帰国生・一般生を問わず、国際社会で活躍する先輩たちが身近にいるために、海外大学も自然に選択肢のひとつにあります。これが本校の『校風』なのだと思います」。

(この記事は2016年12月に掲載しました。)

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