私立中高進学通信
2016年12月号
目標にLock On!! 私の成長Story
武蔵野大学中学校
自身が大きく成長した中高時代
母校の教師となる夢が叶いました

OG 宇井瑞穂さん
武蔵野女子学院 教諭
女子校ならではの厳しさと愛情を体験した在校生時代

仏教の心に根ざす「布施」「
「私が武蔵野女子学院に通ったきっかけも、在学生だった姉を通じて、この学校の良さを間近に感じていたからです。女子校ならではの、きめ細かな先生方のご指導と、温かで濃密な友人関係がここにはあるのです。
校則やマナーにとても厳しい校風には、はじめは戸惑いましたが、ただ厳しいだけではありません。先生方との距離の近さに、生徒をよりよく伸ばそうという愛情を感じて学校が大好きになりました。6年間の勉強はもちろん、社会人として大切にすべきものの基礎を自然と身につけることができました」
中高は卓球部に所属し、中学では同校の一大行事である合唱祭委員などの重責も果たした宇井さん。そこで育まれた友人たちとの絆は、今もかけがえのないものとして彼女の心を支えています。
「生徒が女子だけということもあって、行事や学校生活では、本当にみんなが本音でぶつかり合えるのです。だからこそ、みんなで決めたことに一致団結して臨めますし、とことん話し合うなかで、個人の意見を尊重して調和を見出す心が養われました。子ども時代、引っ込み思案だった私を変えてくれたのは、武蔵野女子での生活あってこそだと思います」
カナダへの長期留学が精神的な成長に役立った

そんな引っ込み思案だった宇井さんが、自らの意志を強く持ち、将来の自分自身へとつながる道を見出したのは、長期の海外留学経験がきっかけでした。高2の夏から高3まで約1年間にわたって単身でホームステイをしたのだそうです。
「中3でオーストラリアへの修学旅行を体験して、英語にとても興味を持ちました。高1夏にもオーストラリア短期留学の機会があったのですが、私は参加できなかったのです。そんなとき、交換留学生制度を利用すれば高2で海外に1年間留学できると知り、とても心が揺れました。
大学受験を控えて日本での勉強が遅れる心配もありましたし、地元を離れたことのない私が、知らない土地でホームステイできるのかという不安も当然ありました。でも、先生方や家族のサポートもあり、ここで決心しなければ後で絶対に後悔すると思って、留学を決めたのです。周りの人には、“度胸があるね”と言われました(笑)」
行き先はカナダ・アルバータ州のテイバー。カルガリーから車で約2時間半の距離にある人口数千人の小さな街でした。宇井さんは、同年代のホストシスターが所属していたガールズラグビーや人生初体験のミュージカル出演も経験。英語力も格段にスキルアップし、温かなホストファミリーとの交流のなかで積極性も育まれました。
そのカナダ留学中には、日本人としてのアイデンティティにあらためて目覚めさせられた、ある未曾有の出来事も経験しました。2011年3月11日の東日本大震災です。
「カナダでニュースを目にしたときは、あまりのショックに呆然としてしまいました。留学先の方々も日本をとても心配してくれましたし、私もいてもたってもいられなくて、テイバーで募金活動もやりました。
私にとってカナダ留学は、世界から日本を見つめ直し、自分には何ができるかを考え、自分自身にしっかり向き合えた1年間でした。語学力の向上以上に、精神的にとても成長できたと思います」
その貴重な経験を、宇井さんは「今度は私が、次の世代に伝えていきたい」と強く思い、帰国後、獨協大学外国語学部英語科に進学。小学生時代から憧れていた教師になる夢へと踏み出しました。そして「赴任するなら、ぜひ母校へ」と恩師に相談しながら努力を重ね、現在は自身の留学経験を活かして国際交流コース生の留学サポートや、バトン部の顧問として活躍しています。
「武蔵野女子の生徒はみんな素直で真っ直ぐ。伸び伸びと学校生活を謳歌しています。それは、私が在校生のときにも感じた本校の素晴らしさ。これからも本校出身という立場に甘えることなく、良き教師となれるよう努力し、生徒たちにも、私が経験した中高時代に全力で挑戦することの大切さを伝えたいです」
厳しさと優しさに満ちた指導一番大切なのは生徒の成長

今は先輩教師である家庭科の小村光子先生は、宇井さんが中学時代の学年主任。高3の卒業アルバムに宇井さんは、「小村先生のようになりたい」と書いていたそうです。
「小村先生は、足音が聞こえただけで全員の背筋がピンと伸びるほど、生活指導に厳しい先生。ですが、家庭科の課題に手描きでコメントをくださったり、とてもおやさしい。今も私の大きな目標です」(宇井さん)
「宇井さんのクラスが中3の合唱祭で銀賞を獲ったとき、私と担任の高田先生にお礼の手紙と歌をプレゼントしてくれたサプライズが、とてもうれしかったです。宇井さんが母校に戻ってきてくれたこともうれしい。卒業生が教員になると、いいことも悪いことも出てくると思います。生徒の成長を一番大切にしながら、一歩一歩勉強していってほしいと思います」(小村先生)
(この記事は『私立中高進学通信2016年12月号』に掲載しました。)
武蔵野大学中学校
〒202-8585 東京都西東京市新町1-1-20
TEL:042-468-3256
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- なでしこ祭 Breakthrough“伝統と新しさ”を発信する場田園調布学園中等部
- 文女祭文京学院大学女子中学校
- にちがく祭 個の力を発揮しながら、生徒自らが築く学園の歴史日本学園中学校
- BACK TO THE FUTURE 120 創立120年、伝統を未来へとつなぐフレスコ画が完成京華中学校
- BACK TO THE FUTURE 120 創立120年、伝統を未来へとつなぐフレスコ画が完成京華女子中学校
- 実践祭 自主性を重んじ楽しく、真剣に実践学園中学校
- 日駒祭 男子と協調しつつ躍動する日駒女子日本工業大学駒場中学校
- 児童から学生までが趣向を凝らし来場者一人ひとりをおもてなし自由学園(男子部・女子部)中等科
- さまざまな宗教や文化に触れ 知らなかった世界が身近に普連土学園中学校
- 生徒たちの熱い思いが結実する感動の2日間本郷中学校
- 図書と英語教育による知的好奇心の伸ばし方 学園創立100周年進化を続けるトキワ松の教育トキワ松学園中学校
- 留学&体育祭 英語力と自己実現力を育む多彩なプログラム武蔵野中学校
- アメリカ海外研修 独自の企画を通じて文化と表現力を学ぶ八雲学園中学校
- 跡見学園文化祭 自ら動き、自らつくる自律し自立する女性へ跡見学園中学校
- 理系プロジェクト『サイエンスラボ』 「理科って楽しい!」を引き出すための実験教室横浜翠陵中学校
- 【民族舞踊部フォークダンス班/書道部】専門講師による本格的な指導のもと技術と心を磨く川村中学校
- 人生という長い航海に備える“港”それが新キャンパスのコンセプト文教大学付属中学校
- 世界に飛び出すきっかけをつかむ2つの海外研修日本大学豊山女子中学校
- 「誰かのために」を考え行動するグローバル教育東洋英和女学院中学部
- 実体験を通して視野を広げる世田谷学園中学校
- 海外フィールドワークで問題解決能力を育成佼成学園女子中学校
- グローバル社会に触れ気づきを得る海外研修関東学院中学校
- 英語教育を異文化理解力につなげる秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
- 実体験に根ざした教養教育を中学から麗澤中学校
- 礼節 最後に大切なのは心美しい心を育て、未来をつくる光英VERITAS中学校(現校名 聖徳大学附属女子中学校)
- 思春期は人間として健康な成長の証 愛情を持って受け止めましょう秀明中学校
- 世界を学ぶ!大妻中野の海外プログラム大妻中野中学校
- 臨海学校がリーダー教育の象徴である同校成城中学校
- 入試と多彩な取り組みで時代の変化に対応桜丘中学校
- 自らの考えを問う適性検査型入試共栄学園中学校
- 注目!! 21世紀型の『思考力を測る問題』三田国際学園中学校
- 理科 理科で伸ばす論理的思考や探求心が学び続ける力につながる大妻嵐山中学校
- 理科 授業時間の3分の1を占める実験で「自ら考えて検証する」力をつける東京成徳大学中学校
- 躍進i教育』がスタート!「生徒一人ひとりが主役」となり「競争ではなく共創」する力を身につける東京家政大学附属女子中学校
- 一時は「辞めたい」とさえ思った学校が自分を大きく育て司法への道を拓いてくれたサレジオ学院中学校
- 自身が大きく成長した中高時代 母校の教師となる夢が叶いました武蔵野大学中学校
- 生徒たちの心の成長をカウンセラーと教員が連携してさまざまな視点から発達に応じてサポート学習院女子中等科


