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私立中高進学通信

2016年12月号

授業見聞録

東京成徳大学中学校

理科
授業時間の3分の1を占める実験で「自ら考えて検証する」力をつける

中1の授業で行われた物質の化合実験。

中1の授業で行われた物質の化合実験。

 今までの理科教育を変革し、生徒がより積極的に参加できる授業に作り変えていくために、2014年から『TSP(東京成徳サイエンスプログラム)』という取り組みをスタートさせた同校。2015年からは、JSTの「科学研究実践活動推進プログラム」の実施校として活動しています。2020年の入試改革を意識した取り組みの一環でもありますが、理系科目を重視したのには理由があります。

「理系のニーズが高まったというのもありますが、文系に進む生徒にとっても、サイエンスの基礎である『考えて検証していく』という姿勢が、今後学ぶうえで重要になってくると思います」

 と理科主任の汲田憲彦先生は話します。体験を重視する同校では、理科の授業の約3分の1を実験にあてています。生徒たちは中1から自分の白衣を所有し、物理や化学だけでなく、地学や生物でも数多くの実験を体験します。先生たちは、生徒全員が実験内容をよく理解し、全体を把握したうえで、自分の役割をもって参加することを大事にしているそうです。

「ほとんどの実験で、全員になんらかの役割を割り振るようにしています。実験やグループワークで問題になるのが、『できる生徒だけでやってしまう』こと。本校ではとにかく、全員で取り組むことをめざしています」

 全員に役割を振ると、普段消極的な生徒も自分で考えて行動するようになります。実験中の議論も盛んになり、「授業が楽しい」「もっといろいろな実験をやってみたい」という積極性も出てきます。

 また、授業内で学習するだけではなく、大学との共同研究や、外部のコンテストへの参加の機会も十分に与えられます。その活動はとても幅広く、説明会でそのことを知った保護者のかたから、驚きの声があがるほどだといいます。

「先日行われたリオのオリンピックでも、日本のメーカーが作ったスポーツ用品が活躍しました。日本人はちょっとしたアイデアや、ちょっとした工夫を活かすことが得意なのだと思います。そんな素地を、多彩な実験や本校ならではの考えさせる授業で中学生の頃から培っていければと思っています」

 と汲田先生は強調します。

 授業の中では敢えて先生がリードせずに、生徒たちの自主性に任せる場面も多いそうです。同校の「自分で考える」教育は、生徒たちの生き抜く力をしっかりと育んでいます。

※JST:国立研究開発法人科学技術振興機構の略。
科学技術の振興を進めるため、教育機関や企業などと連携し、さまざまなプログラムやサポートを行なっている。

真剣な生徒たち。少人数によるグループ制なので、必ず全員が実験に参加できます。真剣な生徒たち。少人数によるグループ制なので、必ず全員が実験に参加できます。
生徒たちが自由に研究するには、先生のアドバイスも欠かせません。生徒たちが自由に研究するには、先生のアドバイスも欠かせません。
実験の際には実験助手の先生がサポートしてくれるので、火や少々危険な薬品を使う実験も安心です。実験の際には実験助手の先生がサポートしてくれるので、火や少々危険な薬品を使う実験も安心です。
授業レポート実験の主役は「生徒自身」先生はサポートに徹し全員参加で取り組む
理科主任/JST科学研究実践プログラム実施主担当 汲田憲彦先生理科主任/JST科学研究実践プログラム実施主担当 汲田憲彦先生

 この日、実験を行ったのは中1のクラスです。全員自分の白衣を持って実験室に集まり、4人ずつの小グループに分かれて席に着きました。実験のテーマは物質の化学反応について。硫黄と鉄を混ぜた混合物を火で熱し、加熱前と加熱後の性質の違いを検証します。

「教科書を読んで、今日の実験の内容を確認してください」

 授業が始まるとまず、先生が指示します。実験の手順を書いた紙が黒板に貼られることはなく、プリントも配られません。以前はすべてを印刷物にして配布していたそうですが、この方式にしてから、生徒たちが自分で実験内容をきちんと確認するようになったそうです。次に、先生が実験の結果を予想させます。最初に仮説を立ててそれを検証するのが、毎回の実験のスタイルです。

 その後、先生が4人のメンバーにそれぞれ役割を振り分け、実験がスタートします。恐る恐る試験管を熱する生徒たち。

「こうしたらいいんじゃない?」「こうじゃないかな?」と話し合いながら実験を進めます。実験中は実験助手の先生が、生徒たちをサポートし、質問にも答えます。

 実験が終了すると、生徒たちは結果をプリントに書き込みます。その際も先生が細かく指示することはありません。

「質をコントロールすれば教員は楽ですが、それでは意味はありません」

 と汲田先生。うまくいかなかった場合は、次の授業で原因を検証します。失敗を含め、すべての経験が生徒たちの糧になるのです。

外部のコンテストやプログラムに積極的に参加
卵を守るプロテクターを考案し、落下実験を行って優秀さを競う「エッグドロップコンテスト」。2016年には中学・高校合同のチームがクリエイティブ賞を受賞しました。卵を守るプロテクターを考案し、落下実験を行って優秀さを競う「エッグドロップコンテスト」。2016年には中学・高校合同のチームがクリエイティブ賞を受賞しました。

「グローバルとは英語が話せるということではなく、外に目を向けることであり、サイエンス自体が世界共通事だと思うのです」と汲田先生。同校では大学との提携や外部コンテストへの参加も盛んで、ロボット競技会や高校生100人サミット、企業のアイデア募集プロジェクトなどにも参加しています。スタンフォード大学機械科では必修の科学実験「エッグドロップ」の技術を競う「エッグドロップコンテスト」にも毎年参加し、入賞を果たしています。

(この記事は『私立中高進学通信2016年12月号』に掲載しました。)

東京成徳大学中学校  

〒114-8526 東京都北区豊島8-26-9
TEL:03-3911-7109

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