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私立中高進学通信

2016年12月号

授業見聞録

大妻嵐山中学校

理科
理科で伸ばす論理的思考や探求心が学び続ける力につながる

理科の授業3回に1回は、設備の整った実験室で行われます。生徒たちは必ず白衣を着て実験に臨みます。

理科の授業3回に1回は、設備の整った実験室で行われます。生徒たちは必ず白衣を着て実験に臨みます。

「実験に失敗はつきもの。失敗の原因を理解し、次につなげてほしい」と話す今井奈緒美先生。「実験に失敗はつきもの。失敗の原因を理解し、次につなげてほしい」と話す今井奈緒美先生。

『グローバル・エコサイエンス・スクール』として『世界につながる科学する心、表現する力』を掲げて教育に取り組む同校。嵐山町の自然と特徴を生かして、中1では必ず国蝶オオムラサキの飼育と観察を行うなど、独自の理科教育を行っています。

「“科学する心”により論理的思考力が育まれ、実験結果を考察し、発表することで“表現する力”が身につきます。中学の理科教育で論理的な思考や探求する心、観察する力を身につけることは、理系に進む生徒だけでなく文系を志望する生徒にとっても、学び続ける素地を作ることにつながると考えています」
(理科/今井奈緒美先生)

 実学を重んじる同校では、実験を中心にして授業が進められます。

「実際に手を動かし、目、鼻、耳から情報を得ると記憶に残ります。今回は化合の実験で硫化鉄を作りました。教科書にある『卵の腐ったような臭い』という文を読むより、実際に嗅いだほうが強烈に記憶に残ります」

 実験では失敗することもありますが、教科書通りの結果にならなくても、自分で考え、実験結果から論理的な考察を導き出せばいいと指導しているそうです。実験をまとめるプリントも、初めは穴埋め式ですが、実験を重ねるうちに記述式に替えて、考える力を養うように工夫しています。

 授業のほかにも、7限目や長期休暇を利用して普段はできないような大掛かりな実験や観察を行います。その一つが、豚の解剖です。

「豚の解剖をすることで、自分たちの身体がどうなっているかを学ぶことができます。“豚の身体を借りて学んでいるのだ”という感謝の気持ちをもって解剖にあたるように指導しており、生徒たちも非常に真剣に取り組んでいます」(理科/大川均先生)

中1のオオムラサキの観察を担当している大川均先生。「放蝶のときは、ホッとしたような、寂しいような、娘を嫁に出す親の気持ちになると生徒たちは話しています」中1のオオムラサキの観察を担当している大川均先生。
「放蝶のときは、ホッとしたような、寂しいような、娘を嫁に出す親の気持ちになると生徒たちは話しています」

 中3では、科学論文に取り組みます。各自テーマを考え、実験や観察の計画を立てて進めていく中で、一番難しいのがテーマを決めることです。そこで中1、中2で数多く実験を行って引き出しを増やすとともに、和光市理化学研究所の一般公開に参加するなど体験学習も行いながら、自分らしいテーマを決めていきます。

 最後に理科を学ぶ意義についてお聞きしました。

「理科は最も日常生活や社会に関係する教科です。その楽しさを知ってほしいですね」(今井先生)

「科学的素養は多角的な物の見方を可能にします。情報があふれる社会で、一つの情報に流されることなく自分で判断できる女性に育ってほしいと考えています」
(大川先生)

鉄と硫黄を混ぜた試験管を熱し、物質の変化を観察する。色の変化を見守る生徒たち。鉄と硫黄を混ぜた試験管を熱し、物質の変化を観察する。色の変化を見守る生徒たち。
加熱した試験管、混ぜただけの試験管にそれぞれ塩酸を加えて、性質の違いを観察しました。加熱した試験管、混ぜただけの試験管にそれぞれ塩酸を加えて、性質の違いを観察しました。
硫化鉄は磁石を近づけても反応しない。さまざまな項目で性質の違いを確認し、化合について学びました。硫化鉄は磁石を近づけても反応しない。さまざまな項目で性質の違いを確認し、化合について学びました。
授業レポート2人の教師が実験を見守り、学びをサポート
「匂いは直接嗅がないで、手で扇ぐように」(大川先生)。30数名の生徒に先生が2人いるのできめ細かな指導ができます。「匂いは直接嗅がないで、手で扇ぐように」(大川先生)。30数名の生徒に先生が2人いるのできめ細かな指導ができます。

 教室での座学の授業は習熟度別に10数名の少人数で行いますが、実験は合同で行います。そのため、2人の先生が担当し、危険がないように注意するとともに、生徒の疑問にもすぐに答えます。

 ガラス張りの明るい理科実験室では、中2の「化合」についての実験が行われました。鉄に硫黄を混ぜて加熱したときの変化を観察し、磁石を近づけたり、塩酸を加えたあとの気体の臭いを嗅いだりして、加熱したものとしないもので性質がどのように違うかを確認します。

「加熱により有毒ガスが出るため、試験管の口を脱脂綿で軽く塞ぐこと。試験管は、内容物の上の方に火があたるように加熱すること」

 と今井先生から2つの注意点とともに実験の手順が説明され、2〜3人の班で実験スタートです。鉄と硫黄を定められた割合で合わせ、乳鉢でよく混ぜます。その後2本の試験管に分け、一つは加熱、残りは比較対象にします。

 加熱する前に、バーナーと試験管のセッティングを今井先生、大川先生に確認してもらい、点火。化合物の変化を観察します。生徒たちは興味深く試験管の変化を見つめながら、活発に意見を交わし合っています。先生は実験台の間をまわって、危険がないか、手順に間違いがないかを確認しながら、生徒の質問に答えます。

「実験ではいろいろなことが起こります。生徒の気づきにその場で補足説明をすることで、生徒の学びも深まります。また、目が行き届くので大きな事故を未然に防ぐことができます」(大川先生)

 実験後の考察を大切にしている同校。プリントに考察をそれぞれ自分なりにまとめて提出して実験は終了です。じっくりと実験に取り組んだ経験の積み重ねが、生徒たちの論理的思考力や探求心を育てるのです。

(この記事は『私立中高進学通信2016年12月号』に掲載しました。)

大妻嵐山中学校  

〒355-0221 埼玉県比企郡嵐山町菅谷558
TEL:0493-62-2281

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