私立中高進学通信
2016年12月号
グローバル時代の学び方
関東学院中学校
グローバル社会に触れ気づきを得る海外研修
ハワイへ、韓国へ、世界に広がる学びの舞台

講義を受け、天文台を観察した後に眺める夕日はここまでがんばった生徒たちへのごほうびです。
最先端の研究は国際協力の現場

キリスト教の教えに基づき、横浜の小高い丘の上、4万平方メートルのキャンパスでグローバルな社会に貢献できる人づくりをめざす同校。2016年の夏は、世界を舞台に校外学習、自主研修などさまざまなスタイルで学ぶ生徒の姿が見られました。
その一つはハワイ島理科研修です。毎年8月に行われる天文学や火山地質、歴史、語学と学際的に学べる希望制の研修旅行です。マウナケア火山や国立天文台ハワイ観測所などを訪ね、フィールドワークをする5泊7日の行程で、今年も11名が参加しました。
「ハワイ島理科研修の目的の一つは、日本と同じ島国で、独特の文化と移民の歴史を持つハワイの地から日本を見ることです。本やテレビで得た知識ではなく、自分でじかに地球を観察する体験ができるのも、この研修ならではです」
(理科/渡邉雅人先生)
研修の事前学習も万全です。地質学や天文学の研究者を招いて、1回90分間の事前研修を9回も行うのです。生徒たちは天体写真の撮り方なども学びました。宇宙や火山の研究の最前線にいる研究者に会えるので、見合った質問を積極的に行えるように自分を磨いて臨んでいるのです。帰国すると反省会を開き、レポートを作成。文化祭で展示も行います。
交流するだけでなく次の課題を見つける研修
2017年で12回目を数えるハワイ島理科研修は、グローバル人材の育成にも深い意味を持っています。
「天文台は国際色がたいへん豊かです。日本人だけでなく、いろいろな国の人が共に一つのことを研究していく国際協力に近い社会です。生徒たちはこの研修で天文学者のほかに、計測器を作るエンジニアやメンテナンスのクルー、集めたデータを活用する研究者、地域で啓発活動を行う専門家たちにも出会いました。人と人のつながりから勉強できることは多いと思います」
研修を通して、英語で会話ができなければ自分たちの知りたいことがわからない、質問ができないと感じる生徒、ハワイの文化についてもっと深く勉強しなければいけないと考える生徒など、皆さまざまな実感を持って帰国します。
「交流して終わりというのではなく、次に何をしたいか、どのような挑戦をしたいかが見えてくることが、グローバル社会を生きるうえで大切なのではないでしょうか」
Action Report File001
雄大な自然のエネルギーを間近に感じた!
最先端の宇宙・火山研究を知るハワイ島理科研修
米国地質調査所ハワイ火山観測所では、火山研究の世界的第一人者、スワンソン博士の講義を受けました。これまでにあたためてきた質問をぶつけるチャンス。通訳がつくとはいえ、すべて英語で進められるので語学力の必要性を感じる瞬間です。今年はキラウエア火山から流れ出た溶岩が海に流れ込む場所まで近づくことができました。生徒の真後ろがまさにその溶岩流。これは渡邉先生も初めての体験だったそうで全員が大興奮したそうです。
ハワイ島理科研修を中心的に運営しているのは、理科の渡邉雅人先生。スワンソン博士に「生徒に学ばせてほしい」とメールをしたところ本当に返事がきたことから、この研修が動き出しました。渡邉先生ご自身も、次に何をしたいかを考えて、新しいことに挑戦するグローバルな先生なのです。生徒のまとめた報告書は迫力ある画像と、生徒が得た生の声が反映されています。




研修は理科だけがメインではありません。事前にJICA横浜の海外移住資料館を訪れ、日本人のハワイや中南米への移民の歴史も学び、現地ではパールハーバーや博物館も訪ねました。第二次大戦の歴史、ハワイ固有の文化も学ぶ総合的な内容です。
Action Report File002
世界中から集まった仲間と韓国で仲良くなれた
韓国政府のプログラムで2週間の韓国訪問

プログラムのメンバーとはとても仲良くなったそう。オーストラリア人の女性メンバーが来日した際には、U.Mさんが原宿や渋谷を案内したそうです。
カリキュラムや課外活動で海外経験をする機会が多い同校ですが、自主的な海外研修も奨励しています。この夏、韓国政府主催の青少年招へいプログラムに参加し、外から日本を見て、自分なりの課題を発見してきたのは、高2のU.Mさんです。毎週水曜の放課後に校内で開かれる韓国語講座に中3から通っていたU.Mさん。きっかけはK-POPの男性グループに興味があったからという気軽なものでしたが、ドラマなどを見るうちに韓国の文化や生活に興味が広がり、真剣に学ぶようになったそうです。その様子を見て韓国語の先生がプログラムへの参加を勧めてくれました。
「部活動との兼ね合いもありましたが、思い切って行って良かったです!」
と笑顔で答えるU.Mさん。招へいプログラムには世界のさまざまな国から学生が集まっており、インターナショナルなグループを組んで世界遺産を巡ったり、大学で韓国文化についての講義を受けたりしました。グループ行動では、訪れた先々で誰かがいなくなるなどのハプニングも続出! U.Mさんは、笑顔と度胸で楽しく乗り切ったそうです。
「今まで外国や外国の人をあまり身近に感じていませんでしたが、英語や韓国語、日本語も駆使して会話するのが楽しかったです。韓国語を学ぶという共通点があれば、国は違っても仲良くなれるとわかりました」
韓国人家庭でホームステイも経験。約2週間、あこがれの韓国を満喫し、帰国後は韓国語のヒアリング力が格段に伸びたと実感したU.Mさん。温かく迎えてくれた韓国の人たちにまた会いたいと、将来は留学も考えているそうです。


U.Mさんが参加した韓国政府主催の青少年招へいプログラムには、韓国語を学ぶ世界中の若者が集まりました。
(この記事は『私立中高進学通信2016年12月号』に掲載しました。)
関東学院中学校
〒232-0002 神奈川県横浜市南区三春台4
TEL:045-231-1001
進学通信掲載情報

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