私立中高進学通信
2016年11月号
中1の始め方
二松学舎大学附属柏中学校
中高6年間で最も大切なスタートの1年
自発性を養い真のグローバルな人材に

365ノートの活用方法も九十九里で教わり、学習習慣をしっかり身につけます。
伝統校として軸のぶれない教育を実践
創立139年を迎えた同校は、「判断力・思考力・発信力・コミュニケーション力」を備え、社会に貢献する真のグローバル人材を育てるため、「自問自答力の養成」と「論語教育」に力を注ぎます。
「創立者、三島中洲は明治10年に漢学の私塾を開きました。明治維新の激動を肌で感じていた三島は、海外から情報がなだれ込む中、やみくもにそれに飛びついては軸がぶれてしまうと案じました。そこで、『自国の文化を正しく理解し、母国語を正しく表現できる真の国際人の養成』と『異なる文化・歴史を理解し多様な価値観を認めようとする視点の養成』を建学の理念に据えました。奇しくも文部科学省が今後の人材育成の目標として『思考力、判断力、表現力を磨き、主体性を持って多様な人々と協働することを通して、喜びと糧を得ていくことができる人材にならなければならない』としています。まさしく本校の建学の理念に通じるものです。
中学時代は、さなぎにたとえられます。外からはうかがえない“細胞分裂”が心身とも活発に行われ、自分でも感情のコントロールが難しい。大人の誘導が必要なときもあります。保護者は最大の協力者であり、学校は休暇中も含めて緊密な連絡で生徒のセーフティネットを構築します」(副校長/島田達彦先生)
一人ひとりの居場所をつくり新生活を円滑に始める
アクティブラーニングを取り入れる同校のモットーは「自ら問題を見つけ、自ら解決すること」。あくまで主体性を重んじますが、中学1年の4月は中高6年間で最も大事な1カ月間と捉え、①一人ひとりの居場所をつくる②本校にふさわしい生徒としての生活の基準を身につける③学習習慣を身につける、の3つを目標に、先生方も新生活を強力に支えます。
3つの目標の最初の実践の場は、4月中旬に九十九里で実施される2泊3日のオリエンテーションです。グループに分かれ、コミュニケーションワークショップに取り組みます。演劇で用いられる表現力を磨くプログラムで、与えられたテーマを即興でドラマにしたり、身体で表現したりします。プロの先生を迎え、与えられた課題に熱心に取り組む中で生徒たちは互いを理解し、自然と役割分担も生まれます。また、校長の講話で二松学舍の学びへの理解を深め、あいさつや規律などの大切さも学びます。学習習慣を身につけるツールとして用いる「365ノート」の活用法もここで教わります。
「毎日30分間、宿題とは別に自分で課題を見つけて自学自習します。各教科の問題でもいいし、小説を書く生徒もいます。ノートを利用して自問自答する力を養います。3年生では全員が独自のテーマで8000字の論文を仕上げます。自発的な問題解決の積み重ねが、この成果につながります。これからは、自ら考えたオリジナルの答えをしっかり発信する力が必須です」(中学校学年主任/森


九十九里のオリエンテーションではクラスポスターを作成。1年間の目標と全員の足形を入れ、クラスの一体感を表します。
伝統の論語教育とICTの活用で力を養う

グローバル・特選・選抜の3コースを擁する同校の特徴の一つが、論語教育です。漢学の私塾が前身とあって、人間教育の基盤づくりとして論語教育に力を注ぎます。中学では週に2回の「モーニングレッスン」で取り組み、1年生で漢文検定初級を受検します。
「論語は心を磨く教材です。論語“を”学ぶではなく、論語“に”学ぶのです。1年生は主に素読に特化し、体に染み込ませます。人生にわたってその効果がじわじわと出てくるのです」(島田先生)
また、同校では新入生全員がタブレットを持ち、タブレットに学習進度を入力して、先生と共有します。ICTを活用し、「自問自答力」を高めます。
「夏休み中の家庭での学習状況を把握でき、必要に応じて相談にのるなどの対応が可能です」(森先生)
古典に学ぶ教育と最先端技術による学びを共存させることで、新入生たちが伸び伸びと興味の種を開花させていける環境がつくられます。
「『気づきを築く』。自問自答力を支えるこの姿勢を一人ひとりが持てるように、中1では自己肯定感を培える環境を多角的に整えます」(森先生)
「2020年に、大幅に変更される大学入試はもちろんのこと、急速に変化する社会に対応できるように、中高6年間の積み重ねで十分な実力を育みます」(島田先生)
真の国際人を養成するグローバルコース

建学の理念をより具体的にめざすグローバルコースの4本の柱は、次の通りです。
①プレゼン能力をつける
②体験型プログラム
③英語で自己表現
④海外・国内研修
学期ごとにプロジェクト課題を設定し、自ら調査、学習して深めた理解をプレゼンします。また、JICA訪問や英語でクッキングなどの体験型プログラムを通して現場での知識を身につけたり、ツールとしての英語を楽しんだりします。
1年生で行く福島県のブリティッシュヒルズでの語学研修では、英語とともに英国の文化を学び、今年度の2年生は、3年次までにオーストラリア、カナダ、フィリピンから選択する海外研修も実施されます。さらに月に1度、中国語・韓国語講座が開かれ、英語以外の言語を学習することもできます。
(この記事は『私立中高進学通信2016年11月号』に掲載しました。)
二松学舎大学附属柏中学校
〒277-0902 千葉県柏市大井2590
TEL:04-7191-3180
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 東京六大学野球応援 卒業生登場でさらに高まる一体感そして母校愛!明治大学付属中野八王子中学校
- 語学力も人間力も大きく成長する約2週間のNZ語学研修東京農業大学第三高等学校附属中学校
- 人間性を育み、絆を強くするフレッシュな学校行事狭山ヶ丘高等学校付属中学校
- Move onプロジェクト グローバル化する世界で社会貢献できる女性を育成十文字中学校
- 光輪祭 全員が有為な存在となり特技や才能を出しきる淑徳中学校
- グローバル教育 二校間交流や長期留学によりグローバルリーダーを育成東京都市大学等々力中学校
- 【吹奏楽部】他者の気持ちに寄り添う心のアンサンブルをめざして東京純心女子中学校
- 【吹奏楽部】音楽を愛する仲間たちが音楽の魅力を発信高輪中学校
- 【演劇部/チアリーディング部】豊かな人間性を育む『演技』への取り組み女子聖学院中学校
- 【バスケットボール部/児童文化部】「知・徳・体」を身につけて未来を確立していく部活動藤村女子中学校
- 【美術部/高校ハンドボール部】誇りある活動が生み出す志高い目標明星中学校
- 【女子ラグビー部】勉強も部活動も“勤勉・努力”一緒にがんばる帝京仲間帝京大学系属帝京中学校
- 先輩から刺激を受けて留学が当たり前のことに品川女子学院中等部
- 「実感、地球の手触り!」特別選抜でリーダーを育成佼成学園中学校
- グローバル教育を加速新・理系プロジェクト実践女子学園中学校
- 海外への興味を刺激する充実の語学研修プログラム学習院中等科
- 外国人教員との学校生活で日常的に英語に親しむ普連土学園中学校
- 『世界に飛翔する力』で幅の広い選択肢を実現文教大学付属中学校
- 実践を積み重ね鍛えられ伸びる英語力横浜翠陵中学校
- 実現 社会に役立つ人となるために自らの進むべき『路』を探る森村学園中等部
- iPad Pro×ペンシル×クラウド 感性を刺激して未来を変える瀧野川女子学園中学校
- 国語の4技能“読む・書く・聞く・話す”を磨く『プロジェクトR』浦和実業学園中学校
- 自ら進んで勉強できる仕掛けを「自分の頭で考える生徒」を育てる芝浦工業大学柏中学校
- 大学連携で伸ばす発想力と伝える力光塩女子学院中等科
- 生徒に寄り添い 次代を担う実力と志を持った自立した女性を育成する品川翔英中学校
- 学外にも活躍の場を広げ 21世紀を生き抜く調整力を育む関東学院中学校
- 理科 実験重視の理科教育により論理的に調べ、考察する力を伸ばす城北中学校
- 「美術のひろば」でアートの世界に触れる女子美術大学付属中学校
- SGHで国際機関へのキャリア選択を推進玉川学園(中)
- グローバル社会に貢献する人材の育成安田学園中学校
- 時代に即した女子教育を進めてきた同校 国際社会で活躍できる力を育成神田女学園中学校
- 1月と2月に『特待生選抜入試』を実施大宮開成中学校
- 将来に必要な人間力を育む6年間 先生たちの全力のサポートで勉強にも部活にも思い切り集中する日本大学豊山中学校
- 行事や授業などさまざまな体験を通して個性を育み、『天分』を伸ばす城西大学附属城西中学校
- 少人数制で全員の能力を引き上げる横浜創英中学校
- めざすべきゴールに向かって『自律』を育むことが学校生活の第一歩文化学園大学杉並中学校
- 中高6年間で最も大切なスタートの1年 自発性を養い真のグローバルな人材に二松学舎大学附属柏中学校
- 明治大学との太いパイプを生かして高校在学中に公認会計士試験の勉強をスタート明治大学付属明治中学校
- きめ細かな心配りのできる親しみやすい女性警察官として活躍国士舘中学校


