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私立中高進学通信

2016年11月号

Teacher's Lounge 先生たちの座談会

城西大学附属城西中学校

行事や授業などさまざまな体験を通して個性を育み、
『天分』を伸ばす

――貴校で掲げる『天分の伸長』『個性の尊重』『自発活動の尊重』とはどのような教育なのですか?

藤井祐弘 先生藤井祐弘 先生
高1担任。国語科担当。「国語の勉強を通して、共感力を身につけてほしいですね」

藤井先生
自分が好きなものが『天分』とは限りません。中学、高校の段階では、好き嫌いや先入観は横に置いておき、まずは目の前の課題に取り組むように指導しています。とはいえ、教科指導では嫌いにさせないことが大切だと考えています。私が担当している高校の古典では、文法の解釈や現代語訳だけに終始してしまうと古典のおもしろさに気づきにくい。物語の背景などを詳しく説明することで、興味を持てるようにしています。古典のおもしろみを感じて、コツコツと勉強をすることが成績アップにもつながります。

杉本先生
本校では自発的な活動を促すために、体験を重視したプログラムを組んでいます。体験授業も多く、中1で田植え体験、中2で鎌倉見学やイングリッシュキャンプ、中3では東京地方裁判所での公判傍聴や保育園実習を行うほか、教科ごとに校外学習を取り入れています。

田植え体験で収穫したお米は文化祭で販売します。販売経験は初めての生徒が多いと思いますが、「僕たちが作ったお米です。いかがですか」と大きな声を出して懸命に販売していました。

海津渓介 先生海津渓介 先生
高2担任。理科担当。
「本校は生徒が自ら考え、実行する土壌があります。実行する場を調整するのがわれわれ教師の役割です」

海津先生
一流の施設を利用して行事を行うのも、体験を重視する本校ならではですね。中高一緒に行われる体育祭は代々木第一体育館で、高校の音楽祭は東京芸術劇場大ホールを使います。授業でも中学の理科では実験を多く行い、そのうえで知識をつけていくようにしています。「理科離れ」と言われますが、手を動かすのが嫌いな生徒はまれです。実験で手を動かす機会の多い本校では、理科がつまらないという生徒は少ないですね。

猪口先生
生徒に興味を持たせることは大事ですね。私は中3と高3の数学を担当しています。中3の場合は中1~中2で学んだ計算を使って、高度な内容に入っていきます。しっかり復習する時間を取って、つまずきがないようにしつつ、新しく学ぶ内容は導入部で数学の歴史や理科とも結び付けて、学ぶ意義を意識させています。

――先生からご覧になっていて貴校の生徒の良さとはどのようなところでしょうか。

藤井先生
本校は大正時代から、生徒と先生の距離の近さを大切にする校風だったといいます。その精神が今も活きていて、生徒は何かあると気兼ねなく相談に来ます。一方で、先生に頼ることなく生徒同士で試行錯誤を繰り返す粘り強さもあります。そんな関係性に、生徒と生徒の間や、先生と生徒との間で信頼が築かれているのを感じますね。

頼信関係を作るきっかけの一つが宿泊行事です。非日常のなかで生徒が勇気を出してチャレンジする姿、成長した姿を見ると本当にうれしくなります。生徒にもわれわれ教師が同じ気持ちでいるのが伝わるようで、一気に距離が近づきます。

杉本基一 先生杉本基一 先生
高1担任。社会科担当。
「学校でのさまざまな体験から、興味・関心を引き出していきます」

杉本先生
私は高校生を教えています。授業中「なぜですか」と率直に質問できる生徒が多いです。藤井先生がおっしゃるように信頼関係が築かれていることに加え、中学の段階から生徒の疑問を受け入れ、知りたい気持ちを大切に育てているからでしょう。生徒の疑問や発言から授業を組み立てています。

猪口先生
なかには質問をしたり意見を言ったりすることが苦手な生徒もいますが、グループワークでほかの生徒から影響を受けて変わっていきますね。また、全体的に失敗を恐れない雰囲気があります。授業中の質問もその表れではないでしょうか。私は数学の勉強でも学校行事でも、失敗から学ぶことが多いと思っているので、最初の失敗はここがいけないと教えますが、次は黙って見守ります。失敗から学ぶ経験を積むことが、チャレンジする気持ちを育むのだと思います。

海津先生
本校では学校説明会を生徒に手伝ってもらっています。これは生徒の発案によって始まったものです。当初は限られた少数の生徒が参加していましたが、生徒同士で誘い合ったり、先輩の姿を見た後輩が参加したりして広がりを見せています。自発的に活動していろいろな経験を積むのは、中高の6年間で大切なことだと感じています。

――貴校で学び、どのような生徒に育ってほしいとお考えですか。

藤井先生
国語の問題は、はじめに本文を読み、次に続く問題に答えます。本文のどこに問題が隠されているかわからない点は、日常生活に共通しています。国語の勉強を通してアンテナの巡らし方を学んでほしいですね。また、社会を見渡してみると、どんな分野でもエネルギー量が大きい人はがんばりがききますが、逆にエネルギー量が小さい人は中途半端になりがちと感じます。中高の6年間で勉強、部活、行事にしっかり取り組んでエネルギーを蓄え、社会に出てもエネルギーを持ち続けられる人になってほしいですね。

杉本先生
各教室に校訓の『報恩感謝』が掲げられています。生徒は常にこのことを意識しているわけではないと思いますが、素直に感謝できる人に育っています。受けた恩に感謝し、今度は支える立場になる。そのためには、今できること、やるべきことを一生懸命にやることが必要です。歴史からさまざまなことを学び、よりよい未来づくりに活かしてほしいと思っています。

猪口 心 先生猪口 心 先生
中3担任。数学科担当。
「成長のし方は千差万別。6年間じっくりと向き合うなかで成長を目にするのはうれしいです」

猪口先生
生きていくために必要な知識を得るとともに、人との関わりの中で人の気持ちがわかる人、そしていくつになっても感動できる人に育ってほしいですね。勉強は一人でもできますが、人との関係は学校でしかつくれないことだからです。10月に行われる中学の合唱祭では、夏休みから練習を重ねます。初めは集まりが悪かったり、意見がぶつかることもありますが、次第にクラスが一つにまとまっていきます。そして本番が終わると、生徒たちは優勝してもしなくても涙を浮かべます。見ているこちらまでジーンときてしまいます。何かを成し遂げた、先生や周りの仲間に褒められた、あるいは失敗した。そんな経験を通して豊かな感情を持った人になってほしいです。

海津先生
偏差値や点数など単純な数値で測れないところにも、本校の教育の良さがあると思います。理科という教科はその現象がなぜ起きるか観察すること、考察することが根本にあります。これは日常生活にも活かせるものです。観察力やコミュニケーション力を養い、周りの状況を判断する。そしてその中で自分の力を最大限に発揮して活躍できるように、サポートしていきたいです。

2017年度の入試から新たに加わる英語技能入試と適性検査型入試

 早くから国際理解教育を取り入れ、体験学習を重視してきた同校では、従来の2科型、4科型の入試に加えて、2017年度入試から英語技能入試と適性型入試を導入します。英語技能入試は、帰国生でなくても英語の学習をしっかりとやってきた生徒を募集するためのもので、英語単科で受験できます。また、適性検査型入試は生活の中で体験する自然現象や社会事象に好奇心を持った生徒を対象としています。

(この記事は『私立中高進学通信2016年11月号』に掲載しました。)

城西大学附属城西中学校  

〒171-0044 東京都豊島区千早1-10-26
TEL:03-3973-6331

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