私立中高進学通信
2016年11月号
グローバル時代の学び方
実践女子学園中学校
グローバル教育を加速新・理系プロジェクト
実験、考察に基づく研究成果を海外大学で発表

理系志望の生徒は、全体の約3割。高まるニーズに応えるため、中3の希望者を対象に『理科ゼミ』を行っています。
創立当初から力を入れるグローバル教育
明治32年、下田歌子先生が創立した同校は、開校当初からグローバル教育を掲げてきました。校歌にある『にほへ やしまの 外までも』という歌詞には、生徒たちの活躍が『やしま』、つまり日本の外まで広がってほしいという願いが込められているそうです。その教育理念は現在にも受け継がれ、時代の流れに柔軟に対応し、国内外で活躍できる女性を育てています。
海外留学生を積極的に受け入れ、2008年からは高い英語力を有する生徒を対象にした『グローバルスタディーズクラス(GSC)』を設置するなど、先進的なグローバル教育を推進する同校では、さらなる取り組みにも意欲を見せています。それが、2015年からスタートした『サイエンス探究プロジェクト』です。高1の希望者を対象に、それぞれがテーマを決めて実験や考察を重ね、海外大学に出向いて英語で研究成果を発表する一大プロジェクトです。
人間力を育成する総合的プロジェクト

同校では、学力改革、キャリア教育、感性表現教育、グローバル教育の4本柱で、人間力の高い女性を育てていますが、『サイエンス探究プロジェクト』はこの4要素すべてを満たす総合的カリキュラムとしてスタートを切りました。
「このプロジェクトで研究するのは『地中に貯留された2兆トンの二酸化炭素を処分する方法』など、通常の授業では学べないテーマです。受験のための暗記学習ではなく、自ら考え、探究し、解決する学びが今後さらに重要になるため、この取り組みを始めました。研究成果は、海外の大学教授を前に、英語でプレゼンテーションしますので、生徒たちは理科だけでなく英語に対するモチベーションも高まります。海外大学の研究室を訪問することで留学や海外進学を意識する生徒も増えるでしょう」
(広報部長・英語科教諭/松下寿久先生)
プロジェクト発足の背景には、理系進学希望者の増加があると松下先生は話します。「キャリア教育の影響もあり、理系の生徒は約3割まで増えました。文理を問わず、自分の人生を切り拓き、新たな価値を創造できる女性に育ってほしいと願っています」
Action Report File 001
国際社会で活躍できる力を培う独自のグローバル教育
語学力だけでなく人間力を身につける
同校では中高6年間を基礎期、充実期、発展期の3ステージに分け、発達段階に応じた教育を行っています。グローバル教育においては、「日本を知る」「世界を知る」「自分の役割を知る」という3ステップで、真の国際人としての資質を養成。語学力の向上にとどまらず、国際感覚を磨くことも重視し、異文化の中でも良好かつ対等な関係を築き、柔軟に対応できる力を養っています。
グローバル教育の三本柱

礼法の授業、華道や茶道などに毎週1回取り組む『日本文化実習』などを通じ、日本人の心と文化をしっかり学びます。中1生だけでなく高3生も、これまでの仕上げとして再度礼法を学びます。

中3生から参加できる語学研修や交換留学など、さまざまな国際交流プログラムを通じて国際感覚、語学力を磨きます。語学研修、留学生の受け入れ、模擬国連への参加などを通じ、国際感覚を養います。

国際社会の中で自分がやりたいこと、できることをしっかり見極めます。「25年後の世界と私」を考えるキャリア系のカリキュラムも充実。未来の社会がどうなっているかを思い描き、自らが果たす役割を考えます。
Action Report File 002
語学力、探究心、創造力を伸ばす『サイエンス探究プロジェクト』
理系を志す生徒の成長を促す
2015年からスタートした『サイエンス探究プロジェクト』は、あるテーマについて研究し、アメリカのスタンフォード大学とカリフォルニア大学バークレー校の教授や学生たちに向けて成果を発表する試みです。まずテーマに従って、3~4人のグループに分かれて文献の調査、実験を行います。その後、理系論文のマナーに従って資料を作成し、プレゼンテーションを練習。並行して、教授の質問に即座に応えられるよう、英会話の勉強も進めます。海外での発表は、生徒たちの自信、さらなる学習意欲にもつながりました。

前段階として、中3では希望者を対象とする『理科ゼミ』を実施。ロボットのプログラミング、DNAの抽出など、中学授業の枠を超えた高度な演習を行います。

5泊7日の研修プログラムに、参加者はみんな大満足。卒業後は、海外大学に進学したいと考える生徒も。

フィリピンの英会話学校とSkypeでつなぐオンライン英会話。英語の瞬発力を鍛え英語脳をつくります。

最先端の設備を備えた研究室を見学するだけで、生徒たちの好奇心、研究心が刺激されます。
先生から一言
成長段階に応じたキャリア教育でめざす道を意識する

「高1では、40歳になった自分を思い描き『25年後の世界と私』というライフプランを作成します。40歳と言えば、一般的にはわが子が小学校を卒業し、もう一度社会復帰をめざす年代。その時にどのような社会貢献ができるのか、めざす仕事にはどんな資格が必要か、高1でしっかりとプランを立てさせることが狙いです。プランを練ることで、その後の進路選択にも影響を及ぼします」(松下先生)
(この記事は『私立中高進学通信2016年11月号』に掲載しました。)
実践女子学園中学校
〒150-0011 東京都渋谷区東1-1-11
TEL:03-3409-1771
進学通信掲載情報

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