私立中高進学通信
2016年10月号
中1の始め方
国府台女子学院中学部
クラスの絆を早期に築く
オリエンテーション合宿を開催

単純なゲームで盛り上がった『プロジェクトアドベンチャー』。自然と笑顔がこぼれます。
お互いの距離をぐっと縮めたプロジェクトアドベンチャー

「自分の素を出し、体で感じる体験を通してコミュニケーションを深められました」(中学部学年主任/村上泰道先生)
同校は今年4月、5日間にわたって学内オリエンテーションを行った後、千葉県白子町で1泊2日の合宿を行いました。
同校は小学部からの内部進学が学年全体の約35%を占めます。中学から入学する生徒とも1学期中には、すっかり打ち解けるそうですが、もっと早い段階で交流を深める機会を作ろうと、今年初めて合宿を取り入れたそうです。
目的の一つが、『プロジェクトアドベンチャー』(以降、PA)と呼ばれる体験学習を実施することです。これは、さまざまなアクティビティーを通して仲間との信頼関係を作り、成長のための「気づき」を得るプログラムです。チームビルディングの手法として、企業研修でもよく用いられます。
まず1つのクラスで2チームずつに分かれ、最初は簡単なゲームから難易度を上げ6~8ずつ体験します。すべてチームの協力がなければ成功しないものばかりで、段々とゲームの難易度が上がると、その中で、チームメイトとの話し合いが必須となり、生徒同士の距離はぐっと近くなっていったそうです。
PAの最初は模造紙に全員の手形を取り、空いているスペースに各自の目標を自由に書き込みました。PA後は、2チームの紙を合体させ、「笑顔」や「団結」、「協力」といった言葉とともにクラスの目標を書き込み、代表の生徒が発表しました。
「ゲームをする中で意見がぶつかることもありましたが、お互いに譲ったり、認め合ったりしながら成長できたと思います」
夕食後は担任の先生を交えて合唱大会が催され、楽しいひとときを過ごしました。
2日目はクラス会が行われ、校則について、何のために校則はあるのか、どうすれば実践できるのかなどを話し合いました。まとめの全体会では副学院長先生などから学校生活、健康、学習についての話を聞きます。そして、合宿最後の締めくくりは、築地本願寺に移動しての参拝です。同校は浄土真宗本願寺派の宗門校であることから、中1は毎年春に、入学の報告を兼ねて参拝し、法要を行っています。荘厳な雰囲気の中で法要に参列した生徒たちは、気持ちを新たにしたことでしょう。



生活記録ノートや面談で担任とも密に交流
中学校では教科別の先生が授業を行うため、小学校時代に比べて担任の先生との距離が開きがちです。そこで同校では『生活記録』というノートを、生徒と担任の間でやりとりしています。
これはいわば“交換日記”のようなもの。長年続く、同校の伝統です。書く内容は趣味や部活、日々の想いなどさまざまです。村上先生によると、生活記録によって生徒の意外な一面を知ったり、悩みに気づくこともあるそうです。面倒見の良さを心がけている同校では欠かせないツールです。
一方で5月中旬、中間テストが終わったあとから個人面談も行い、学習面や部活動など生活面での不安がないか、しっかり確認していきます。その後も面談を密に行って、より良い学校生活を送れるようにサポートします。また、心の悩みがある場合は生徒だけでなく、保護者もスクールカウンセラーに相談できる体制を整えています。
仏教の教えに触れて自らの心を高めていく
『仏教を基にした教育』を教育の柱にしている同校では、『宗教』の教科として週に1時間、「仏教」の授業があります。内容は仏教だけではなく、世界中の多様な宗教についても学び、教養を深めるのがこの授業の特徴です。ほかにも「いのちとは何か?」のテーマで「脳死臓器移植」を題材にしながら生と死について考える取り組みも行っています。これらはすべて、偏りのない生命観や倫理観、歴史観を育むための大切な学びです。
オリエンテーション期間は念珠の扱い方や、合掌礼拝の作法などを学ぶ時間がとられています。また、この期間中にはお釈迦様の誕生日をお祝いする仏教行事『花まつり』も開かれ、中学から入学した生徒たちも自然と同校の教えに触れていくのです。
4万9千冊の蔵書を備える図書館など、充実した学校設備も魅力の同校。この学校で学ぶ喜びを胸に、今年も中1生たちはスムーズなスタートを切ったようです。
NOLTYノートで中1から自己管理

「自分を律する精神性と行動を学んでほしい」
そのような願いから、同校では中高生向けに開発された手帳『NOLTYスコラ』を活用しています。この手帳でスケジュールや目標を管理することで、生徒自身が計画を立てて実行し、さらに評価、改善をする、いわゆる「PDCA(Plan・Do・Check・Action)」を行いやすくするものです。
日番(日直)の日には担任にも手帳を提出し、計画の立て方や振り返りの内容についてアドバイスを受けます。中1には難易度の高い取り組みですが、早くから目標を立てて行動することを習慣化させるのが狙いです。
「受験をして入学した生徒も、小学部からの生徒も中学に入ると、学習時間の低下や中だるみの傾向が見られます。そこで計画を立て、どう実践できたか、結果だけにとらわれず経過を重視できるよう、NOLTY手帳を取り入れました。見えない力ですが、学力との相関関係はあると考えています」(村上先生)
(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)
国府台女子学院中学部
〒272-8567 千葉県市川市菅野3-24-1
TEL:047-322-7770
進学通信掲載情報

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