私立中高進学通信
2016年10月号
授業見聞録
星野学園中学校
理科
たくさんの実験体験で理科の楽しさに触れ
将来の進路にもつなげる

夏期講習で行われた物質の密度に関する実験。

「学ぶことの楽しさ」や「理解することの充実感」を体験することを大切にしている同校。
「理科離れをなくし、理科好きを増やしたい」
と、理科を担当する橋本清之先生は言います。授業では年間20回ほどの実験や観察を取り入れ、説明もできるだけわかりやすくするように心がけているそうです。
「理科は身近なものを扱う科目で、難しくはありません。その点を実物や現象に触れる体験から学んでほしいと思っています。実際、生徒たちは明るい表情で実験を楽しんでいます」
同校は夏休みの前半に6日間、後半に4日間、計10日間にわたって夏期講習を行っています。
「本校の夏期講習は中学では全員参加です。1学期の授業の延長の内容で講習を行い、さらに定期考査で一定レベルに達しなかった生徒を対象にした補習や、個別指導も行っています。また教科書に載っていないことを取り入れたり、そのときの進度や生徒の理解度を見て、さまざまな角度から学びを深めています」
夏期講習の理科の授業では、中1は1学期の復習と発展的な学習を目的に、物質の密度に関する実験を行いました。身のまわりにあるさまざまなプラスチックを水溶液に入れて、浮く様子を調べるというものです。実験の結果をiPadで撮影してレポートに活かすなど、ICTを活用した効果的な学習が行われました。中1生ではありますが、1学期の間に何度も実験を行っているため、手際よく実験を行うことができます。
「最近は大学入試で実験に関連する問題が出されるなど、実験の重要性が増しています。何度も実験を行うことで要領が良くなり、作業に振り回されることなく、実験結果やその狙いを主体的に考察できるようになります。これは大学で理系に進んだときに大きなアドバンテージになるでしょう。文系に進む生徒にとっても、中高での実験の経験は貴重なものです。『やって良かった』『楽しかった』と思えるように気を配っています」
高校の理科では、さらに専門性を高めていきます。高校の夏期講習では、理系志望の生徒を対象に、医科大学の問題を使って医療倫理について、英語で討論をするといった講座も行っています。
「中学での実験が楽しかったから理系を選んだ」という卒業生もいるとのこと。それほど、同校の実験の授業は大きな意味を持っているのです。
授業レポート
理科への興味を深める夏期講習での実験
授業で学んだ内容を身近な物質で確認

1学期に行われた物質の密度の授業を受け、夏期講習では身の回りの物質であるさまざまなプラスチックを区別する実験が行われました。
ABCDの4つのプラスチック片を水溶液に入れて、浮く様子を調べます。実験に使われたプラスチックはタッパーなどに使われるポリプロピレン(PP)、ビニール袋に見られるポリエチレン(PE)、カップ麺の容器に使われるポリスチレン(PS)、ペットボトルの原料であるポリエチレンテレフタレート(PET)で、身近にあるものばかりです。水溶液は50%エタノール、水、10%食塩水の3種類。エタノールの水溶液を使うため、保護メガネを使用してけががないように気をつけて行われました。
実験は4人の班に分かれて行われます。先生の説明のあと、分担して実験に必要な用具や4種類のプラスチック片、水溶液を揃えて実験スタート。プラスチック片を水溶液に入れる、写真を撮る、結果をプリントに記入するという工程を、それぞれが分担して行って実験を進めていきました。終了後は黒板に結果を記入し、活発に意見を交換しながらそれぞれのプラスチック片が何かを考察しました。
実験では浮くはずのものが沈んでいるように見えた班もありましたが、「実験に失敗はつきもの」と橋本先生。「なぜ失敗したのか、他の班はどのようなやり方をしたのかを検討して、次につなげてほしい」と話していました。




(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)
星野学園中学校
〒350-0824 埼玉県川越市石原町2-71-11
TEL:049-223-2888
進学通信掲載情報

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