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私立中高進学通信

2016年10月号

子どもの自立を促す教育

開智日本橋学園中学校

探究と対話重視の授業で発信力を高め
自主性が育つのをサポート

1年生全員で行う「磯のフィールドワーク」。海まで行って何を探究するかは生徒が決めます。

1年生全員で行う「磯のフィールドワーク」。海まで行って何を探究するかは生徒が決めます。

一円 尚( いちえん ひさし )先生。開智日本橋学園中学校校長。岩槻の開智高等学校の副校長を経て、平成27年4月から新しく共学になった同校の校長に就任。専門は数学。一円 尚( いちえん ひさし )
先生
開智日本橋学園中学校校長。岩槻の開智高等学校の副校長を経て、平成27年4月から新しく共学になった同校の校長に就任。専門は数学。

 平成27年4月に共学となって新しくスタートした同校は、「自立」を一番大切にする校風。フィールドワークを取り入れた探究型授業など、生徒の発信力を高める教育姿勢について、一円尚校長先生にうかがいました。

生徒の自主性は育てるのではなく育つのを見守る

 自立を重んじる同校には、生徒手帳が存在しません。生徒は常に「自分で考えて行動する」ことを求めらます。

「よく自主性を『育てる』と言いますが、育ててしまっては自主性ではないと思います。生徒の自主性が育つのをサポートし、見守ることが教員の役割なのです。大人が必要以上に口出しをしたり、価値観を押し付けたりしていては自分の考えが育たない。見守るというのは一にも二にも忍耐力がいることで、とても大変です。なかなか完璧にはできないでしょうが、まず第一に見守る、ということを心がけるようにしています」

 生徒が回り道しながら考えていくのを、間違った方向に行きそうな時だけストッパーになりながら見守る、という姿勢が徹底されています。

「普段は見守る姿勢でいますが、生徒が社会のルールに反する方向へ行きそうになったらしっかりと修正はしていきます。他人を理解しようとしない態度や差別的な発言は、徹底的に指導します。自主性とは自由なだけではなく、責任がともなうことも理解してほしいのです」

生徒が企画・計画して行き先を決める探究型授業の充実

 具体的に取り入れているのが、探究型の授業です。

「例えば今年、1年生のあるクラスが日本科学未来館に行ってきました。これは教員側が提案したわけではなく、生徒が自分たちで行きたいと提案し、なぜ行きたいか、行ってどんなことを学びたいかという計画書を出してきたのです。また昨年は、1~2年生の生徒から地層を見たいという発案があり、見られる場所を探して行きました。担任を通して上がってきた計画書は私が確認して、しっかりした内容であればクラス単位であってもOKを出しています」

 学校側から提案するフィールドワークとしては、1年生で磯の探究、2年生で森の探究を毎年行っています。

「行った先で何をするのかは生徒たちに委ねています。テーマを決め、疑問点を出し、仮設を立て、検証し、スピーチまでもっていく。その内容は話し合いながら進めてもらいます」

 こうした探究型の授業を経験し、3年生で行くフィールドワークの行き先も生徒が投票で決めるまでになります。

哲学対話や英語授業で発信力を高める

 同校が自主性と同じくらい大切にしているのが、発信力を高めること。その一環として行っているのが「哲学対話」という授業です。立教大学などで子どもの哲学について研究している先生を招き、クラスの生徒全員が輪になって座り、答えのない問いに対してみんなで考えていきます。

「例えば『友達といるのと一人でいるのはどっちがいいか』とか、『死とはどういうことか』といった問いかけについて、みんなで真剣に考えるのです」

「哲学対話」の授業では答えが出なくても構いません。答えのない問いについて、じっくりと考えることで深い思考力と、考える姿勢や態度を養います。さらに、ディスカッション能力が身につき、他人のいろいろな意見を知ることで多様性を認められるようになります。

 また多様性といえば、帰国子女が多く国際色豊かなのも同校の特色です。3日間英語のみの授業を行う夏期講習の最後には、みんなの前で英語のスピーチをするなど、日本語と英語両面での発信力が鍛えられます。

「自分で動いて意見を言うためには、自分の判断に自信がないと難しい。自信を持ってもらうには、子どもたちを信用することです。一生懸命考えてきたことはいったん認めてあげることが教育者としてのあるべき姿ではないかと考えています。保護者の方々にも、自分の子どもを信じてあげましょう、必ず話を聞いてあげましょう、というメッセージはしっかりと伝えていきたいです」

哲学の専門家を招いて実施する「哲学対話」。自分から発信し、他人の意見を聴く絶好の機会。哲学の専門家を招いて実施する「哲学対話」。自分から発信し、他人の意見を聴く絶好の機会。
4月に1~2年生合同で行うオリエンテーション合宿での探究発表。2年生は新1年生を迎えるために、春休みから準備をします。4月に1~2年生合同で行うオリエンテーション合宿での探究発表。2年生は新1年生を迎えるために、春休みから準備をします。
夏期講習でのイマージョン授業の様子。夏期講習でのイマージョン授業の様子。
磯のフィールドワークでは、それぞれのテーマに沿って真剣に取り組みます。磯のフィールドワークでは、それぞれのテーマに沿って真剣に取り組みます。

(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)

開智日本橋学園中学校  

〒103-8384 東京都中央区日本橋馬喰町2-7-6
TEL:03-3662-2507

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