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私立中高進学通信

2016年10月号

校長が語る 思春期の伸ばし方

富士見中学校

チャレンジは自己肯定感を育む第一歩
その歩みをサポーターとして応援する

英語と日本語での論文提出という予選の難関を乗り越え、見事、全日本高校模擬国連大会に出場しました。大きなチャレンジの機会になりました。

英語と日本語での論文提出という予選の難関を乗り越え、見事、全日本高校模擬国連大会に出場しました。
大きなチャレンジの機会になりました。

チャレンジできる生徒を育む秘訣は一体感
板倉 清(いたくら・きよし)鳥取県出身。1967年に上智大学文学部史学科入学。1974年大学院修士課程修了。在学中はイギリス中世史を専攻。修了後、富士見中学高等学校社会科勤務。中高教育は『教える』こと以上に『育てる』という観点が大切。生徒が自立する環境整備が重要な仕事と信じます。板倉 清(いたくら・きよし)
校長先生

鳥取県出身。1967年に上智大学文学部史学科入学。1974年大学院修士課程修了。在学中はイギリス中世史を専攻。修了後、富士見中学高等学校社会科勤務。中高教育は『教える』こと以上に『育てる』という観点が大切。生徒が自立する環境整備が重要な仕事と信じます。

『トライからチャレンジへ』を2016年度のテーマにしている同校。学校や家庭ではないところで社会的自己を再発見する機会をつくるために、“個人的に興味を持ったことを頑張る”ことを学校全体で応援しています。

 しかし、「これがやりたい」と行動の第一歩を踏み出すのは生徒自身。ともすれば、他人の目を気にして一歩前に踏み出せなかったり、失敗を恐れるあまり何かを始める前から断念したりすることもある思春期に、前向きに挑戦する姿勢を持たせる秘訣はどこにあるのでしょうか。

「10年前、本校では特進コースを廃止しました。それを機に、生徒の姿勢が明らかに変わってきました。特進コースがあったときは、体育祭では競技の応援に参加せず壁に寄りかかっている生徒がいて、ワーッと勝利の声があがるのを聞き、『どこが勝ったの?』『やっぱり特進か』などと話す姿が見られました。かたや特進クラスはピリピリした中で勉強している――特進の存在によって生徒から一体感を奪っているのではと感じていました。一人ひとりを大切にする教育とは、こういうことじゃないはずだと思い、特進を廃止しました」

 その結果、体育祭では全生徒が一生懸命に参加し、閉会式では生徒同士が肩を組んで校歌を大合唱するまでに変化しました。

「『学校生活は自分たちのものだ』という意識が急速に高まっていったのです。また、学校生活では、中高が一緒に活動する機会を多く設けています。一体感のある環境の中で異学年の姿を見ることは、『高校生になったらあれくらいの責任感や行動力がないとだめなんだ』という自覚につながっていきます」

 10年前の学校改革以来、育まれてきた生徒同士の一体感とともに、「失敗してもいいじゃないか。みんなでやれば、必ずカバーしてもらえる」という“挑戦できる土壌”も整っていったのです。

距離感を保ちつつ心は離さずに応援を

 失敗しても大丈夫という安心感の中で、生徒たちは、『生徒のしおり』の改革や東北ボランティア旅行の企画・運営など、学校生活をより良くするための案を出し、取り組んできました。その際、学校の姿勢は“一切口出ししない”が基本です。

「3歳までは肌を離さず、7歳までは手を離さず、15歳までは目を離さず、19歳までは心を離さずと言います。もう“子育て”は終わっているのです。思春期は“子育ち”の時代です。監督やコーチになるのではなく、サポーターに徹しましょう。保護者は子どもの人生というグラウンドに入ってはいけないのです。学校も、『生徒が学ぶ場所』であって、『先生が教える場所』ではありません」

 しかし、子どもと距離感を取って見守り、自立させていくには“大人に我慢が必要”だと板倉先生は言います。そのため、同校では保護者のための教室も盛んに行われています。合唱や書道、美術などがあり、最も人気なのは保護者のコミュニケーション能力を磨くカウンセリング教室だそうです。そこで学ぶことで大人になりつつある子どもと上手に関係性を作っていけるようになります。

めざすのは、失敗してもがんばれる心を育てること
「思春期の育て方」保護者の心得
  1. 失敗しても大丈夫という安心感を与える
  2. 距離感をもちながらも子どもに共感する
  3. 3つの“感”で自己肯定感を育てる

 思春期は、子どもとの“距離感”こそ取っても、まだ、決して心を離してはいけない時期。大切なのは『共感的指導』だと板倉先生は話します。

「失敗して子どもが悔しそうにしていたら、『そうだったんだ』と共感してあげましょう。たくさんの失敗とちょっとの成功を重ねていく中で、失敗してもがんばれる人間になっていきます。
 今後、大学や職業を子ども自身で選ばなければなりません。このとき、失敗が怖くて自分で選べないようでは困ります。
 自分からチャレンジすることは自立の第一歩であり、思春期で最も大切な自己肯定感をつけていくことでもあります」

 そのためにも、家庭生活や学校生活だけでなく、個人的な興味や好奇心から湧き出てきた“やってみたいこと”に挑戦していくことが大切なのです。

「子どもは家庭だけでも学校だけでも育ちません。子どもが自分で経験を積み、学ぶしかない部分も多くあります。学校や家庭ではないところへ自分を置き、社会的自己の再発見をするなかで、得意なものはみんなそれぞれ違い、自分は自分であっていいのだと自己肯定感を身につけていく。その歩みをサポーターとして応援していきましょう」

社会を広げ、生活の中で世界を捉えるグローバル力が身につくボランティア
ボランティアは、世の中にはいろいろな人がいて、様々なかたちで頑張っているということを知る機会になります。ボランティアは、世の中にはいろいろな人がいて、様々なかたちで頑張っているということを知る機会になります。

 ボランティア活動にも熱心な同校。フィリピンのアポサン小学校への医薬品援助、ラオスの村に水道を設置するための援助などさまざまな活動を行っています。「お礼状が来たり、NPO団体が講演を行ってくれたりと社会を広げられる機会となります。その中で、他者が喜んでくれることを喜びとする社会性や、生活の中で世界を捉えられる真のグローバル力も身につきます」このボランティア活動も生徒の自主的な運営なのが富士見スタイルです。

(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)

富士見中学校  

〒176-0023 東京都練馬区中村北4-8-26
TEL:03-3999-2136

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