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私立中高進学通信

2016年10月号

校長が語る 思春期の伸ばし方

横浜創英中学校

距離感を持ち、幅広い目で見ると
子どもたちの多様な面を評価できます

中3のカナダ語学研修にて。国際交流を通し、語学力を伸ばすだけでなく社会性も身につけます。高2ではオーストラリア修学旅行があります。

中3のカナダ語学研修にて。国際交流を通し、語学力を伸ばすだけでなく社会性も身につけます。
高2ではオーストラリア修学旅行があります。

心身が急成長する社会に出る準備期間
下山田伸一郎(しもやまだ・しんいちろう)1951年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。神奈川県立舞岡高校他、教諭として勤務。神奈川県立汲沢高校校長、横浜桜陽高校校長、神奈川県教育委員会高校教育課長、同学校教育担当部長、神奈川県立総合教育センター所長などを歴任し、2013年より同校校長。下山田伸一郎(しもやまだ・しんいちろう)
校長先生

1951年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。神奈川県立舞岡高校他、教諭として勤務。神奈川県立汲沢高校校長、横浜桜陽高校校長、神奈川県教育委員会高校教育課長、同学校教育担当部長、神奈川県立総合教育センター所長などを歴任し、2013年より同校校長。

 1940年の開校以来、アットホームな校風のもと、『考えて行動のできる人』の育成を建学の精神に掲げている同校。子どもと大人の中間である思春期の子どもたちが、しっかりと自分の頭や心で『考えて』『行動する』ことができるようになるためには、どのようなことが必要なのでしょうか。下山田伸一郎校長先生にお話をうかがいました。

「心身が急激に成長する思春期は、社会に入っていく準備を意識的にしていく必要がある時期です。さまざまな発見もあれば、つまずきもあるでしょう。
 個々の子どもたちがその時におかれている状況をよく見て、それぞれに応じたサポートをしていきたいと考えています。こうした際はご家庭との連携も非常に重要です」

 社会に入っていく準備としては、『人間力』が必要だと、下山田先生は言います。

「具体的には、仲間と協力して物事に取り組んでいく力や、工夫して困難を乗り越えていける力を養うことが必要です。クラスとは違う部活動という場も、社会に出てから役立つ力を培ってくれます。生徒たちには、学業と行事や部活動の両立ということをよく話しています」

 同校は、高校で外部からの受験で入学してくる生徒が300人以上いることも大きな特徴。中学3年間で絆を深めた仲間たちに、新しい仲間が加わることも大きな刺激となっています。

信頼感・思いやりを育む数々の特別教育活動
体育祭など、みんなで一つのことをがんばる学校行事でも、生徒たちは『人間力』を育んでいきます。体育祭など、みんなで一つのことをがんばる学校行事でも、生徒たちは『人間力』を育んでいきます。

 生徒たちの『問題解決能力』を育むうえで、同校の『特別教育活動』が大きな役割を果たしています。

「中1生は入学してすぐに『オリエンテーション』があり、宿泊を通して新しい仲間づくりをします。1泊2日の中で、小学校と中学校の生活、学ぶことの違いを説明し、『態度教育』として人の話をしっかり聴く姿勢を指導します。中1の夏休みに入ってすぐの時期には、長野県・斑尾高原での『アドベンチャースクール』を開催します。集団でミッションをクリアしていく中で、信頼や思いやりの気持ちが育まれるのです」

 中2、中3では、日本文化を他国の人に伝え、異文化を全身で感じる体験もします。

「中2での『関西歴史研修』では京都・奈良へ行きます。京都大学の留学生たちに協力していただき、自分たちが事前に調べて作った観光ガイドを英訳して留学生に伝えながら街を回ります。自分の伝えたいことがどの程度通用するのか、語学力だけでなく、コミュニケーション力の面からも問われることになります。中3の『カナダ語学研修』は約10日間。現地の家庭に一人でホームステイし、同世代の子どもがいる家庭で過ごしながら、現地の学校の通常の授業を体験します。英語で行われる哲学やフランス語の授業は内容すらわからなくても、数学の授業では向こうの学校の生徒に教えてあげる場面なども見られます」

 自分以外の存在を思いやって行動しなければ成し遂げられない体験を、生徒たちは仲間や先生とともに積み重ねていきます。集団で動く中では、友だちづきあいが得意な子と苦手な子の差が浮き彫りになることもあるといいます。その中でも仲間とミッションを遂行する経験を重ねていくことで、人間力は確実にアップするのです。

子どもたちの表情を幅広い視点で眺める
「思春期の育て方」保護者の心得
  1. 子どもたちの多様な側面を見つめる
  2. 保護者以外の人に向ける表情にも心を払う
  3. 『やればできる』という自己肯定を育むサポートを

 保護者の助言はなかなか耳に入りにくく、心が揺れ動くことも多い年頃の子どもたちへの接し方に戸惑う保護者に、下山田先生は次のようなアドバイスをくださいました。

「子どもの世界もどんどん広がっていくので、人間関係は、親子の関係だけが中心ではなくなっていきます。子どもが保護者に見せるのとは違う顔を、他の大人や仲間たちに見せることもたくさんあるでしょう。男の子の場合、母親には話をするけれど、父親とは一切話をしなくなる子も増えてきます。男の子にとって父親は、モデルでもあり、なかなか越えられないライバル。ライバルとはなかなか仲良くはできないものなのです」

コミュニケーションが大切と言われますが、我が子たちは学校のことはほとんど話さず、聞いてもまともな答えが返ってこない――。そんなケースも多いようです。

「この時期の子どもたちとは、コミュニケーションを取らなければと、根掘り葉掘り学校のことや友人関係などを必死になって聞き出そうとしなくてもいいのではないでしょうか。自分と子どもの関係にとらわれすぎず、子どもが外に向けて見せる顔や姿勢で良いところがあれば、どんどん評価してあげてください。本人の大きな自信になります。そのためには距離感を持ち、少し幅広い目で子どもたちを見てあげるといいと思います。それは、教員たちも同じです。一つの側面で決め込まず子どもたちの多様な面を見て、『やればできる』という自己肯定の感情が育まれるように、6年間のさまざまな活動の中でサポートしていきたいと思います」

スリリングな体験を仲間と共有する中1夏休み『アドベンチャースクール』
3泊4日の集団生活で子どもたちはぐっとたくましくなって帰ってきます。3泊4日の集団生活で子どもたちはぐっとたくましくなって帰ってきます。

 毎年夏休みには、自然あふれる長野県・斑尾高原へ。『冒険プログラム』では、約5㎞にわたる信濃川のラフティングや、木々の間に張られたワイヤーを滑車で滑り降りるジップラインなど、スリリングな体験に仲間とチャレンジします。仲間の意見を聞き、時には人に合わせ、みんなでミッションを達成していく中1の夏の体験が、生徒たちの心を大きく成長させます。校長先生も同行し、生徒たちの輪に入ってさまざまな思いを共有します。

(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)

横浜創英中学校  

〒221-0004 神奈川県横浜市神奈川区西大口28
TEL:045-421-3121

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