私立中高進学通信
2016年10月号
アクティブラーニングで伸ばす新しい学力
秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
附属大学との連携が学びの力を引き出す特別授業
大学教授による特別授業で興味・関心を深め、勉強への意欲を高める

古生物、とくにイルカとクジラの化石を専門とする村上瑞季助教(写真中央)による「骨から見る動物の進化」の授業。
中1を対象に行われました。
一流の教授陣による特別授業で学びを深める
2015年に秀明大学学校教師学部附属校として新たにスタートした同校。教職インターン生が授業中はもちろん、放課後も生徒と一緒に過ごして学習サポートを行ったり、大学との連携による共同授業研究を行ったりと、同大と連携して教育活動の充実を図っています。
大学との連携のなかでとくに力を入れているのが、教授陣による特別授業です。各教科で、より高いレベルの興味・関心を引き出すことを目的に、各学年5教科について1回ずつ、年間5回開講されます。
7月11日は、秀明大学学校教師学部の村上瑞季助教による、『骨から見る動物の進化』の授業が行われました。この授業では人間の頭骨のレプリカで骨の構造を確認したあと、さまざまな動物の化石やそのレプリカを使って、人間の骨と比較して進化について学びました。生徒たちは初めて触れる人骨のレプリカに歓声を上げます。
「人間の頭骨と同じ関係にある部分が、他の動物にもあるんだよ」
と村上助教が話すと、興味深げに耳を傾けていました。人間や動物の頭蓋骨を部位別に色分けして構造を確認するなど、中1にもわかりやすい授業が進められていました。このように特別授業の内容は、先生の専門分野によって対象の学年を決め、授業の進度などに合わせて実施しています。
また、大学での特別授業は、同校独自の『PGTプログラム』との連携も図っています。『PGTプログラム』とは、中学入学時から半年ごとにテーマを設けて、調べ学習や体験学習などを交えた実践的な学びを行うものです。例えば、中1の後半期では日本の伝統文化がテーマ。国語の教科書に掲載されている落語の「ときそば」をトピックに、歴史専門の大学の先生に江戸時代のお金のしくみについて特別授業をしてもらいました。このほか、落語家を招いて古典芸能鑑賞会を実施したり、伝統の和凧が飛ぶ仕組みを学んだり、凧の歴史について新聞を作ったり、さまざまなアプロ―チで学びを深めています。
知識を深めるとともに教科の枠を越えた学びを
大学との連携は、キャリア教育の分野でも発揮されます。中3では職場体験に加えて、大学の研究室への訪問を予定しています。社会問題をテーマに調べ学習を行ったうえで、そのテーマについて研究をしている大学研究室を訪れ、直接質問する機会を持つというものです。秀明大学は学校教師学部のほかに総合経営学部、英語情報マネジメント学部などを擁する総合大学です。さまざまな学部を持つ大学ならではのメリットを活かし、生徒の興味・関心に合った連携学習を行うことができます。
「文部科学省の方針では、今後の授業はアクティブラーニング型への改善が求められています。本校では、授業の根幹として基礎・基本の定着を図り、そのうえで『PGTプログラム』によって体験型学習や調べ学習を効果的に取り入れ、教科の枠を越えた総合的な学びへと結びつけています。『PGTプログラム』を進めるうえで、特別授業をはじめとした秀明大学との連携はなくてはならない重要な要素です。大学との連携によって興味・関心の幅を広げるとともに、学びを深めることにもつながっているのを感じます」(校長/富谷利光先生)
今後は昨年導入のICT機器を活用したデジタル教科書を使った授業など、さらにアクティブラーニングの幅を広げていく予定です。
大学との連携をPGTプログラムに活かす
PGTプログラムと特別授業の連携例


『PGTプログラム』とは、同校が推し進める未来を生きる力を育てるための同校独自のプログラムです。『Pスキル=実践力』、『Gスキル=国際力』、『Tスキル=伝統力』の3つのスキルを養うことをめざしています。Pスキルを育てるために、グループで調べ学習や体験学習を行う『プロジェクト学習』を実施。Gスキルはイギリス人教員による少人数制の英会話授業や、イギリス英語研修など同校独自の英語教育で磨き、Tスキルを身につけるために瞑想や独自の『心の学習』などを実践するなど、さまざまな試みが行われています。
秀明大学での特別授業とPGTの各スキルを磨くための学習を連携させ、総合的な力を身につけさせるのが、同校の狙いなのです。
ココも注目!
最新の教育方法を学ぶ大学生が新しい風を運ぶ

一流教師をめざす大学生が、教職インターン生として中学生の学習や部活動、行事をサポートし、生徒たちの頼もしい相談役となっています。定期的に行う授業実習では、大学で学んだ最新の教育方法も活用しながら、生徒たちに楽しい授業を展開し、教育力の向上に貢献。特に、大学4年生の教科代表が行う公開研究授業では、ICTやさまざまな教具を工夫して、アクティブラーニング型の授業に挑戦。生徒の主体的で深い学びへとつなげています。
(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)
秀明大学学校教師学部附属秀明八千代中学校
〒276-0007 千葉県八千代市桑橋803
TEL:047-450-7001
進学通信掲載情報

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