私立中高進学通信
2016年10月号
6年間の指導メソッド
東邦大学付属東邦中学校
徹底したリベラルアーツから高い専門性を
高1までの文系・理系の枠にとらわれない幅広い「リベラルアーツ教育」から高2以降の高度な「専門学習」へと進化する中高完全一貫カリキュラム。プロセスを重視し、多くの実験・実習が「自ら学ぶ力」を伸ばす同校独自の学びのメソッドとは?

中学理科棟に3教室、高校は物理実験室が2教室、化学実験室が2教室、
生物実験室が2教室、合計9つもの理科実験室があります。
中高6年間を2期に分け真に豊かな学力を育む
中高完全一貫カリキュラムのポイント

医学分野で高い評価を得ている東邦大学の建学の志を受け継ぎ、『自然・生命・人間』を教育理念に掲げる同校。科学する心を基盤に、総合的学力と人間力を高めるための中高一貫の独自カリキュラムが実践されています。
同校では、6年間の学びを、高1までは“リベラルアーツ”をキーワードとする『WIDE』期、高2からは文系・理系に舵を切って学力を高める“アカデミック・チャレンジ”をキーワードとした『DEEP』期に設定。『WIDE』期・『DEEP』期を通じて広範な基礎教養の上にこそ成り立つ専門性を育成し、より社会に役立つスペシャリストとなる人材の基盤を形成していきます。
「“自然を科学する心”と聞くと、理系分野のものと感じてしまいますが、そもそも科学することとは自然科学だけでなく、人文・社会科学も含まれます。本校の教育では、中学3年間と高1の合計4年間で徹底したリベラルアーツ教育を行うことで、じっくりと幅広い知識を得て、生徒自身が自ら学ぶ姿勢と適性や興味の方向を確立するように促しています。そのうえで、高2からは専門分野を自らの意志で決定し、進学目標に邁進できる実践的なメソッドを実行しています」(広報部長/上野唯一先生)
実験・体験型学習を通じて問題発見・解決能力を向上
『WIDE』期・『DEEP』期それぞれの具体的なカリキュラムにも、同校独自のアプローチがあります。『WIDE』期は読書、数学、英語リーディングを続ける各種の『マラソン学習』によって、広範な知識と学力向上のベースを作り、表現学習であるレシテーションコンテストや英文絵日記の作成や、歴史・地理・公民の発展課題に学年ごとに取り組む『社会博士号』活動などを行います。これらを通じて、生徒一人ひとりが学科にとらわれず、自らの手で課題を見つけて主体的に学ぶ方法を身につける『自分探し学習』を推し進めています。
加えて『DEEP』期では、高1~高3の3年間をかけて、自由テーマを含めた40以上の研究テーマから各自が一つを選んで研究、レポートを作成する『徹底レポート』に取り組みます。自主的かつ能動的なレポート作成を通じて、自らが本当に学習したいテーマを深めていくことで、自分自身と向きあいながら、考える力と表現する力を養います。
「レポートの作成は、中1から続く総合学習、リベラルアーツの集大成であり、生徒にとっては大学でいう卒業論文的な役割も果たします。研究テーマは本当にさまざまで、映画や文学、音楽などの文化芸術からスポーツ、学問史、食生活や環境問題、国際社会にまつわるものまで広範囲に及びます」
JAXA宇宙飛行士として活躍する金井宣茂さんを筆頭に、科学分野のエキスパートを多数輩出している同校は、校内の実験設備が充実しているのも特徴です。
「実験授業を多く行うことは、理科の学力・知識を高めるだけでなく、生徒自身が計画的に物事に取り組み、問題点を発見し、探求し、解決する力を育成する意味も大きいのです。それはすべての分野で、試行錯誤して問題を解決する力へとつながります。社会や国語、英語など文系授業でのディベートなどにはもちろん、社会に出たときこそ必ず役立つ、自分で考える力の源となるはずです」
さらに、同校では高校期を中心に東邦大学理学部・薬学部をメインとする大学研究室や大学院と連携した『学問体験講座』も実施。生徒に好評を得ています。
「学問体験講座には、自分たちの学習がどのように社会貢献できるのかを知る意味があります。また、ひと足先に大学の雰囲気を経験することで、自分の将来をより深く考えることにもつながるでしょう。本校の6年間の学びすべてが、生徒自身が自分の将来をしっかり見つめ、見つける契機になるはずです」


好奇心と知識欲を高める『学問体験講座』
中高大連携事業である『学問体験講座』は、年に3回、1期~3期それぞれ異なる内容で実施されます。東邦大学や本校で行う実験学習以外にも、早稲田、慶應義塾など他大学から先生をお招きする講演形式の講座もあります。なかでも『ブラック・ジャック セミナー』やロボット製作は人気が高く、定員を超える希望者が集まります。
「今後も講座数を増やして、幅広い学問体験を進めていきたいです」(上野先生)

東邦大学薬学部と連携し、アセチル化反応により鎮痛薬フェナセチンを合成します。

東邦大学理学部情報科学科と連携し、センサー感知によって動く自律型ロボットを製作、プログラミングを実践できます。

全国の医療現場で行われている『ブラック・ジャック セミナー』を東邦大学医療センター佐倉病院で開催。高1生30名が参加し、内視鏡手術や切開・縫合など実際の医療現場の技術を模擬体験しました。
(この記事は『私立中高進学通信2016年10月号』に掲載しました。)
東邦大学付属東邦中学校
〒275-8511 千葉県習志野市泉町2-1-37
TEL:047-472-8191
進学通信掲載情報

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