私立中高進学通信
2016年9月号
アクティブラーニングで伸ばす新しい学力
京華女子中学校
“気づき”や“驚き”を共有できる協働型の授業
2016年度よりアクティブラーニング本格始動!

中3の社会科では、同心円状に机を配置するのがルールです。
なぜ? と素直に言える中学でのグループワーク
2014年に“Women of Wisdom”を新スローガンに掲げ、問題解決力とコミュニケーション能力を養う教育を推進している同校。アクティブラーニングに関しては有志の先生方が校内委員会を立ち上げ、研究授業が進んでいます。
社会科の山岡大祐先生はアクティブラーニングを始めて3年になります。山岡先生がアクティブラーニング型授業を初めて見たのは、7年前のこと。教育実習先の母校だったそうです。生徒たちがグループワークを行ったり、話し合ったりしながら主体的に課題解決を図っていく授業スタイルに、初めは驚いたそうです。
「その先生には私も高校時代にお世話になったのですが、当時は講義中心の授業をされていました。それが数年のうちにすっかり授業スタイルが変わっていて驚きました。“自分も将来、こんな授業をやりたい!”と思ったのです」
進化する恩師の姿に感銘を受け、中1を担任した年から担当教科の社会科で試みるようになりました。
「中学からアクティブラーニングを始めると、発想が柔軟なので、生徒は『どうしてこうなったのだろう』という疑問や発想を素直に出せるようです。このため、本質に迫る学びができるのだと思います」
また発言が活発なだけではアクティブラーニングとは言えないと山岡先生は考えています。
「活発に発言しない生徒も、クラスメートの発言を聞いていろいろなことを感じ、疑問を持っているはずです。発言の多い少ないではなく、一人ひとりが思考回路を活性化させ、考え合っている状態が理想です」
生徒指導もアクティブラーニングで
アクティブラーニングの導入後、意外な場面でその効果を感じる出来事があったそうです。SNSのマナー指導をした時のことです。日常において撮影されたような、ごく普通のさまざまな写真を示して、
「この写真はそのままアップロードすると問題があります。なぜ勝手に写真をアップロードしてはいけないのか考えてみましょう」
と問いかけ、話し合わせました。生徒たちは活発に話し合い、その結果、「本人の許可を得てからにする」「場所が特定できないようにする」など、解決方法を生徒自身が導き出すことができたのです。
「教師が頭ごなしに指導するより効果がありました。生徒同士で導き出した考え方だからこそ、『へえ、そうなんだ!』という驚きが生まれます。こうした気づきから学べるのがアクティブラーニングの良さであり本質ではないでしょうか」
中3・社会科の授業
「生類憐みの令」から探る元禄時代の日本人の価値観
Activity Learning Step1
基礎知識の確認

まずはプリントで、5代将軍・徳川綱吉が出した「生類憐みの令」についての基本事項を確認します。
生徒たちはわからない言葉があれば教科書を見たり辞書を引いたりして自主的に協力しながら整理していきます。
Activity Learning Step2
話し合いで推論

プリントの知識をヒントに、「生類憐みの令」は、どのような願いのもとに出されたのか、幕府がめざした世の中とは何かを考えます。当時起きた赤穂浪士の事件や、幕府が定めた服喪や忌引のお触れを参考にしながら、自由に議論しています。
Activity Learning Step3
ホワイトボードにまとめる
グループで出た意見をまとめて、ミニ・ホワイトボードに書き出します。
率先してペンをとる生徒もいれば、書きたいことをまとめる生徒もいて、自然と協働する姿が見られました。意見をまとめる作業もスムーズに進みます。


Activity Learning Step4
発表

グループごとにまとめた意見を発表します。それぞれの意見を読み上げて前の黒板に張り出します。同じプリントをもとにしていても、アプローチはグループごとにさまざま。「そんな考え方もあるのか」と、みんな真剣に耳を傾けていました。
Activity Learning Step5
まとめ 意見の共有と気づき

山岡先生はクラスの考えを共有するファシリテーター役に徹します。「生類憐みの令は戦国時代の価値観を転換させ、命を大切にする社会を理想としたものでは」と先生が提案すると、上下関係を重んじる「朱子学」との関連を指摘する声が生徒の中からあがりました。
Activity Learning Step6
授業後の生徒たち

授業後にアクティブラーニング型授業の感想を生徒たちに聞いてみました。
「自由に自分の考えや意見が出せるのがいい」「グループ活動できるのが楽しい」と、快活に話してくれました。チームワークも抜群でした。
ココも注目!暗記だけなら学校はいらない!?

「アクティブラーニング型の授業を始める前、『社会科って年号とか自分で覚えられるから別に授業やる意味ないし』と、ある生徒がつぶやいたのが聞こえてしまったんです。じゃあ学校でクラスのみんなと一緒に授業を受ける意味ってなんだろう、教師が授業をする意味ってなんだろうって、悩んだこともありました。
アクティブラーニング型の授業を行うと、仲間と考え合って自分が気づかなかったことを共有したり、相手に説明することで自分の考えが明確になったりします。発見や驚きの広がりを経験できるのが、教室で学ぶ意味なんです。生徒から予期せぬ質問も飛んできますが、そこが楽しいし、やりがいのあるところ。これ以外の授業の方法はもう考えられません」(山岡先生)
(この記事は『私立中高進学通信2016年9月号』に掲載しました。)
京華女子中学校
〒112-8613 東京都文京区白山5-13-5
TEL:03-3946-4434
進学通信掲載情報

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