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私立中高進学通信

2016年8月号

授業見聞録

江戸川女子中学校

興味をひきつける身近な話題で
学力を伸ばし深める

「古典の面白さは、日本の言葉の文化、思想の文化を知り、日本人の精神の傾きを知ることができる点です。日本人の根本を学ぶ大切な授業だと思います」(阿部覚先生)

「古典の面白さは、日本の言葉の文化、思想の文化を知り、日本人の精神の傾きを知ることができる点です。
日本人の根本を学ぶ大切な授業だと思います」(阿部覚先生)

 手厚い教科指導と無理のない先取り学習で、効率的な学びを実践している同校。6年間を通して前後期2期制・週6日・65分間授業を取り入れ、詰め込まないゆとりを持った学習計画が進められています。以前よりも授業時間を1週間で120分間増やし、より深く学べる土壌を確保したことで、生徒たちは部活動と両立させながら伸び伸びと学んでいます。

 同校では中1、中2では古典を扱わず、中3から授業が始まります。限られた時間で効率よく学ぶために、オリジナルのテキストを使用しています。古典の授業を担当する阿部覚先生に聞いてみました。

「古典の授業は、一般的に中1、中2でも学ぶと思います。しかしそれでは入り口にさらりと触れることしかできず、生徒たちはなんとなくわかったような気になってしまうのです。覚えたつもり、うろ覚えでは役に立ちません。また、苦手意識を持ちやすい教科でもあります。そのため、本校では中3から集中して文法を中心に学び、最終的には辞書を引きながら自分の力で正しく現代文に訳す力を養います」

 自らが学ぶ姿勢を持続させるために、生徒の興味をひく工夫もしています。

「例えば、テキストには『貴族の恋愛と結婚』というコラムがあります。この時代の恋愛観や生活の様子などを学ぶことで、文化的な背景や考え方を知り、古典により深く入り込んでもらいます。当時の感覚と現代の感覚を比較し、理解することで、よりハイレベルな読解力につなげます。ほかにも、誰もが知っている童謡などの歌詞を古文の文法に置き換えて、歌いながらリズムにのせて覚えたり、学校の校歌などを文法的に解説したりもします。身近な事例から学べば、生徒は古典をより身近なものとして考えることができますから、古典への抵抗感をなくし、生徒が新たな知識を得ることが楽しいと思えるようなモチベーションのアップにもなっていると感じています」

 授業の組み立てでも、これまでの学びを土台とした、総合的な国語力の養成を重視しています。

「同じ日本語ですから、古典文法は現代文法と重なる部分が多くあります。現代語の文法は中2で学んでいますから、学んだばかりの現代語の文法と比較したり連結させたりしながら理解力を高め、記憶を定着させます。文法を丸暗記するのではなく、基本的な単語や表現を授業の中で少しずつ覚え、正確に読解ができる力を養うように意識して指導しています」

授業レポート65分間授業を飽きさせないライブ感のある授業
「なんとなく理解した」を防ぐために、オリジナルテキストの例文に口語訳は掲載されていません。「なんとなく理解した」を防ぐために、オリジナルテキストの例文に口語訳は掲載されていません。

 この日は5分間の小テストから始まりました。定期的に行われる小テストは短めのスパンで定着度を確認し、どこまで理解が深まったかを確認する機会です。しんと静まった教室には、真剣に取り組む生徒たちの鉛筆を走らせる音だけが響いていました。

 授業がスタートすると、テンポよく進んでいきます。

「形容詞と形容動詞の語幹用法を考えましょう。前回の授業で学んだク活用と違って、シク活用の形容詞の場合は終止形であることに注意してください」

 阿部先生は4色のチョークを持ち、必要に応じて色を使い分けます。混乱しがちな文法も、色分けすることによって直感的に理解しやすく、黒板を書き写した生徒のノートも重要な部分が一目瞭然。復習をするときに、授業で学んだ内容を振り返りやすいノートに仕上がるそうです。テスト勉強にも役立ちます。

 例文に出てきた新しい古語は、できるだけ古語辞書を引いてその場で意味を確認します。

「英語と同じで単語を覚えなければ、訳せません。同じ意味を持つ古語は関連付けてセットで覚えておきましょう」

 と生徒に語りかけました。古文に使われている言葉は現代日本語の基礎をなすものですが、使われる言葉は現代と大きく異なっているため、古語のストックを増やしていくことが必要です。

 テキストに沿うだけでなく発展的な内容を含みながら、ライブ感あふれる授業が繰り広げられていました。最後に女子校で古典を学ぶ意義を阿部先生は次のように教えてくれました。

「古文は女性の筆者が多く、古代の女性が書いた文章を勉強するわけですから、女性としての表現力も高まるかもしれませんね」

阿部先生は、白、赤、青、黄色のチョークを、重要度別に使い分けています。阿部先生は、白、赤、青、黄色のチョークを、重要度別に使い分けています。
隣同士で交換して丸付けをした後に小テストを提出。授業の内容を生徒が理解できているかの確認にもなります。隣同士で交換して丸付けをした後に小テストを提出。授業の内容を生徒が理解できているかの確認にもなります。
授業中のコミュニケーションも大切にしています。授業中のコミュニケーションも大切にしています。
65分間の長時間でも生徒が集中して取り組めるメリハリある授業内容です。65分間の長時間でも生徒が集中して取り組めるメリハリある授業内容です。

(この記事は『私立中高進学通信2016年8月号』に掲載しました。)

江戸川女子中学校  

〒133-8552 東京都江戸川区東小岩5-22-1
TEL:03-3659-1241

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