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私立中高進学通信

2016年8月号

中1の始め方

東京農業大学第三高等学校附属中学校

実学教育で自己実現の土台となる
学力、人間力、進路選択力を育む

入学後に行われるオリエンテーションでは学校でのルールやマナー、思いやりについて説明します。写真は校歌の練習成果を発表している様子。

入学後に行われるオリエンテーションでは学校でのルールやマナー、思いやりについて説明します。
写真は校歌の練習成果を発表している様子。

生活ノートで時間管理や学習の習慣を作る
学習面、生活面での自己管理のために同校が独自に作成した生活ノート。日々の管理のほか、家庭と学校とで情報を共有して生徒の成長を見守るツールとしても活用。学習面、生活面での自己管理のために同校が独自に作成した生活ノート。日々の管理のほか、家庭と学校とで情報を共有して生徒の成長を見守るツールとしても活用。

『学力』、『人間力』、『進路選択力』。同校では、この3つの力の育成に力を注いでいます。入学してすぐには、1泊2日のオリエンテーションを行い、『人間力』のベースとなるマナーや挨拶、思いやり、協調性を学び、新生活をスタートさせます。

「オリエンテーションでは、生徒同士、少しずつ距離を縮めることを意識して指導しています。というのは、お互いのことを知らないうちに急激に距離を縮めると、相手が傷つくことを言ってしまうなど、衝突を起こすことがあるからです。ゆっくりと相手を知っていく過程を大切にしています」
(中1学年主任・数学科/小関康太先生)

『人間力』の育成として、部活動にも力を入れていると小関先生は言います。先輩や後輩との人間関係づくり、部員同士で話し合って活動するなど、部活動を通して得られる社会的な経験を大切にしているからです。

『人間力』を培う一環として、自己管理を徹底するために利用しているのが『生活ノート』です。事前の準備が必要なものや持ち物、課題を記入して、忘れ物がないようにするとともに、自主学習の計画を立てて実行することが学習習慣の確立につながります。

 生活ノートは同校が独自に作成しているもので、定期試験の計画も記入できるように工夫されています。学習の管理とともに、時間管理の習慣も生活ノートで身につけるのです。週ごとに生徒の感想や保護者が記入する欄も設けられていて、先生と保護者の間の情報共有のツールとしても活用されています。

「こまめに情報を共有していると、保護者の方々が抱く、ちょっとした不安や、日々の変化に対する気づきにもすぐに対応できます」(小関先生)

各教科ともに思考力や表現力を育てる授業づくり

『学力』においては、英語と数学で習熟度別授業を取り入れています。数学の『幾何』は中2の終わりまでホームルームのクラスで授業を行い、『代数』は最初から習熟度別で授業を行うなど、学ぶ分野によって学習指導に工夫をしています。

「計算力の差が出やすい代数は、春休みの課題テストでまずクラス分けして、その後は定期試験の結果によってクラスを替えていきます。未習熟のクラスでは反復の時間を多くとり、習熟度の高いクラスでは発展的な問題を多く扱って、1人で解いた後、なぜその解き方をしたのかを生徒同士で共有して学びを定着させます」(小関先生)

 反復学習による学習定着に加え、思考力や発信力の養成も重視しています。自分の考えをまとめて伝える作業は、中1から各教科で積極的に取り入れています。

「理科では、週4時間の授業の約半分を実験や観察に費やしています。そこでの結果を1学期はレポートにまとめ、2学期はグループでディスカッション、3学期はクラスで発表するというように発展させて、思考力や表現力が身につくように授業を展開していきます。
 思考力や表現力は文系、理系、どちらに進んでも必要なものです。理科においてはレポート作成やグループでの話し合い、クラスでの発表を通してこれらの力をつけていきます」(理科/中村有哉先生)

 また、同校では中1の春から夏にかけて、植物の生育に必要な窒素の量を測る栽培実験を行っています。窒素量が基準値の場合と、2倍の場合、なしの場合の3パターンで栽培して、どのような影響を及ぼすかを観察するのです。

「班に分かれて実験を行うため、誰か1人が観察を怠ると、グループ全体の努力が無駄になります。実験を通して、集団の中の役割を自覚して努力することも学んでいます」(中村先生)

様々な職種の講師を招き将来を考えるきっかけをつくる
同校が力を入れている講演会。入学直後の講演会では、キャリアカウンセラーの奥富美子先生が登壇。同校が力を入れている講演会。入学直後の講演会では、キャリアカウンセラーの奥富美子先生が登壇。

『進路選択力』の育成のために行われているのが年に3〜4回開かれる講演会です。中1の始めにはキャリアカウンセラーを講師に迎えて、人間関係についての話を聴きました。ほかにも埼玉大学名誉教授や新聞社勤務の社会人、漫画家など様々な職業の方を招き、仕事の内容やどのような経緯でその仕事に就いたのか、またその方の考えを聴きます。講師の話は生徒が将来を考えるきっかけとなり、学習のモチベーションにもつながっているそうです。

 こうした講演会の後で生徒は感じたことや中高の生活で活かせることなどをレポートにまとめて提出します。レポートにまとめることで、再度講演の内容を思い出すことになり、表現力を養う機会にもなっています。

「中1は中高6年間を過ごすための足場をつくり、将来の自己実現に向けてスタートを切る大切な1年間です。本校卒業後にしっかりと自分の足で生きていけるように、中1からしっかりと土台造りを行っています」(小関先生)

植物の栽培実験から考察力や表現力を養う

 同校では“実学”を教育理念とし、自然現象や社会現象を主体的に観察して自ら研究の課題を探求しています。中1が行う味噌の醸造体験もその一つ。屋上菜園で大豆を育て、収穫した豆を使って味噌の醸造を行います。

 また、植物に必要な窒素、リン酸、カリウムのうち、窒素の量を変える栽培実験では、発芽してから毎日、気温、天気、大きさ、葉の枚数、緑の濃さ、さらに各班でオリジナルの観察項目を設定し、毎日記録を取ります。実験データをグラフにしたり、最初に立てた仮説と実験結果から考察して文化祭で発表します。

グループごとに植物の世話をし、観察データを取り、発表まで行うため、学びの力とともに仲間と協力し合う力も養われます。
グループごとに植物の世話をし、観察データを取り、発表まで行うため、学びの力とともに仲間と協力し合う力も養われます。

グループごとに植物の世話をし、観察データを取り、発表まで行うため、学びの力とともに仲間と協力し合う力も養われます。

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