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私立中高進学通信

2016年8月号

The Voice 新校長インタビュー

和洋九段女子中学校

創立120年の歴史を誇る伝統校が挑む
グローバルな21世紀に向けた大改革

中込 真 (なかごめ・しん)校長先生。上智大学理工学部化学科卒業後、1986年に同校の理科教員となる。以後、情報主任、教務主任、高校学年主任を経て、2015年4月から中学校教頭。2016年4月より現職。上智大学 理工学部でも教職科目の教鞭を執る。化学分野の検定教科書や参考書なども多数執筆。専門は化学史で、ベストセラーの『視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録』(数研出版)では実験写真、動画、コラムを担当。

中込 真 (なかごめ・しん)校長先生
上智大学理工学部化学科卒業後、1986年に同校の理科教員となる。
以後、情報主任、教務主任、高校学年主任を経て、2015年4月から中学校教頭。
2016年4月より現職。上智大学 理工学部でも教職科目の教鞭を執る。化学分野の検定教科書や参考書なども多数執筆。
専門は化学史で、ベストセラーの『視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録』(数研出版)では実験写真、動画、コラムを担当。

女子の進路と社会の変化に対応する「大改革」を

 私は、大学卒業とともに本校に赴任し、理科教員として30年あまりを過ごしてきました。その経験の中で感じるのは、生徒たちの進路の変化です。以前は本校生徒の将来像は非常に保守的でしたが、ここ20年ほどでどんどんキャリア志向になっていることを実感します。

 昔は、女子が将来やりがいのある仕事に就きたければ、文系なら弁護士や会計士、理系なら医師、薬剤師といった資格取得をめざすのが一般的でした。私自身も、そういう生徒を多数送り出してきました。ところが今は、そういう未来像が通用しなくなっています。実際、薬学部に進んだ卒業生から「将来的に薬剤師の仕事も変化しているので、進路指導も慎重であってほしい」という声も届いています。資格を持つだけでなく、問題解決能力、コミュニケーション能力、状況に応じた行動力を磨くことが、これからの女性の自立と自律につながると切実に感じます。

 そこで本校に求められるものは何かと考え、私は、昨年1年間の教頭時代から率先して21世紀型の教育スタイルを提案し、準備を進めてきました。そして今年、校長となって掲げたのが、【和洋九段の大改革】という5項目です。2016年度から、全教員が一丸となって順次改革に取り組み、2017年度からは制服の変更なども含めて“よりアクティブな和洋九段”へと本格的に変わります。

将来必要な論理的思考力とグローバル力を鍛えるために

 改革で最も重点的に取り組むのは【思考力、コミュニケーション力の向上を期すためのアクティブラーニング授業の全科目展開】です。PBL(問題解決型学習/Problem-Based Learning)型授業を全科目で行い、同じスタイルの授業を全教科で統一することによって、教師個々のスキルに頼らず、学校全体で統一感のあるアクティブラーニングの実践をめざします。

 それに付随して、7月から【ICT環境の充実と授業への活用】を徹底します。大学入試の新課程を経験するとされる中1~中2全員にタブレット端末をレンタルしてもらい、本格的なICT授業をスタートさせます。本校では、Android端末を選んで、コストと利便性を両立する方針です。自由度を高めながら、インターネットでの情報の抽出や選別の仕方、安全に使うためのルールなど、情報端末の使いこなし方を身につけていただきたいと考えます。

 さらにICTを活用したアクティブラーニングを通じて【サイエンスリテラシーの育成】も積極的に図ります。これからの社会に求められるのは、論理的なものの考え方、理系の力です。それは文系の生徒にこそ求められるものです。女子は特に、物事を選択する際に論理より「なんとなく」のような感情を優先しがちです。言葉で割り切らない、たおやかな感性を大切にしながらも、「なぜそう思うのか」という論理的な思考法を、PBL授業だけでなく、日常生活から培うように指導します。

 そして、新時代に向けて重要なのはグローバル社会への対応です。そこでめざす改革点が、【国際標準の教育プログラムの実践】と【語学教育体制の飛躍的変革】です。今後は海外の大学を受験する生徒はますます増えます。すべての教科で日本と海外の教育レベルの違いや差違をしっかり認識したうえで世界基準となるシラバスを調査・作成し、日本独自の教育方針にこだわらないプログラムを実践していきます。さらに、具体的には来年度より、小学校卒業時の英語教育レベルの高い生徒の力をさらに伸ばすため『グローバルクラス』を新設。高校卒業時には、英語でディスカッションができるレベルまで英語力を高めるのが目標です。

先進性と保守性の良さをバランス良く活かす教育を
【和洋九段の大改革】がめざすもの
  1. 21世紀型教育の推進と充実
  2. あらゆることをアクティブに
  3. 伝統校の良さを最大限に活かす

 本校は歴史のある伝統校だからこそ、保守的な面も多いです。しかし、保守的な勉強方法にもメリットはあります。アクティブな英語の会話を行う一方では、単語を覚えるためにコツコツと書き取りをすることも必要。本当の学力を身につけるためには、どちらもおろそかにはできないと思います。英語に限らず先進的な学習法に加えて、保守的な学習法を活かしたバランスのよいやり方で、学習方法を改革していくのが【和洋九段の大改革】のひとつの目的です。

 そして、本校の生徒が変わらず持ち続けているのは、他人への思いやりと、仲間同士の結び付きの強さです。本校の校訓は『先を見て齊える』。先を見るための和やかさや落ち着きは、安定した人間関係の中で育まれた思いやりがあってこそ導かれるものです。その伝統校の良さにプラスする21世紀型教育によって、生徒たちが積極性を時と場合によって切り替える力を身につけ、厳しい競争社会にも柔軟に対応していける人物となれるように、【和洋九段の大改革】を推進していく。それが、一教員として四半世紀を過ごし、本校の良さと改善点の両方を知る教員代表の私の、校長としての使命だと感じています。

[沿革]
1897年、前身となる和洋裁縫女学院が設立し、1947年の教育制度改定に伴い和洋九段女子中学校、翌年には和洋九段女子高等学校が発足。大学認可に伴う1950年の和洋女子大学附属九段女子中学校・高等学校の名称変更を経て、1992年、和洋九段女子中学校高等学校に。長き伝統を育みつつ、充実した中高一貫教育を行う。

(この記事は『私立中高進学通信2016年8月号』に掲載しました。)

和洋九段女子中学校  

〒102-0073 東京都千代田区九段北1-12-12
TEL:03-3262-4161

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