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私立中高進学通信

2016年8月号

校長が語る 思春期の伸ばし方

共立女子第二中学校

思春期の子どもたちは、粘り強く接する中で
自分を気にかけてくれる存在の元に戻ってきます

職場体験では、卒業生のネットワークも生かしています。社会的に自立した女性として成長していけるように多くの大人の目が生徒を見守ります。

職場体験では、卒業生のネットワークも生かしています。
社会的に自立した女性として成長していけるように多くの大人の目が生徒を見守ります。

大人に背を向けながら背中で聞く子どもたち
晴山誠也 校長先生晴山誠也(はれやま せいや)
校長先生

1959年生まれ。岩手県盛岡市出身。筑波大学生物学類卒業。理科教諭として同校一筋に勤務して35年。第二中学校設立時の一期生の担任を受け持つ。テニス部顧問も長く続けてきた。同校の教頭を経て、本年度より校長に就任し、現在にいたる。

『接し方が難しい』などマイナスイメージにとらえられがちな『思春期』。保護者も接し方を悩む時代を、教育の専門家である晴山誠也校長先生はどのように捉えているのでしょうか。

「思春期は、自立の一歩が始まった健全な成長の証。しかし、その一方で、子どもが大人に対して背中を向け始め、保護者は葛藤を抱える時期でもあります。反発の表れ方には個人差がありますが、共通するのは、背を向けながらも、“大人の言うことを背中で聞いている”ということ。聞いているからこそ反発をするのです。
 思春期の子どもたちはブーメランのように遠くへ飛んでいってしまいますが、粘り強く接する中で必ず、自分を気にかけてくれる存在の元に戻ってきます。高校に進む前の卒業面接では、多くの生徒が親御さんへの感謝の気持ちを素直に口にしますよ」

 この年頃の子どもに対し、保護者としてどのようなことができ、そして、どのようなことを行っていくと良いでしょうか。その問いに対し、晴山校長は「ペースメーカーになるのではなく、伴走者として横並びで走ってほしい」と答えます。一体どのような立ち位置なのでしょうか。

「保護者の立場だと、どうしても『勉強しなければ成績が落ちるよ』などと、先回りをしてものを言いがちですが、時にはこらえることも必要です。もし、一生懸命に接して伝わらなくても諦めてはいけません。さりげなく、気にかけていることを伝える方法としては、例えば、本校で行っている中3の職業体験では、生徒たち自身で職場を探します。その時に『こんな仕事もあるよ』と選択肢を広げるような助言をしたり、ご自身の仕事体験などを話したりして、サポートしてほしいと思います。食事のときなどに社会的なニュースを話題にしたり、新聞の切り抜きをさりげなく机の上に置いたりするのもいいですね」

人との多様な関わりが子どもの心を受け止める
緑の多い教育環境。四季の移ろいを感じながらの学校生活。環境を生かした野外観察や天文教室などの体験型授業も多くあり、生徒たちは温かな友情を育んでいきます。緑の多い教育環境。四季の移ろいを感じながらの学校生活。環境を生かした野外観察や天文教室などの体験型授業も多くあり、生徒たちは温かな友情を育んでいきます。

 学校生活のなかで、先生方はどのような立ち位置で生徒に接しているのでしょうか。

「担任というのは、教員でありながら、時には親のような存在であり、母性的な接し方もあれば父性的な接し方もあります。学年全体ともなると、若手からベテランまでいろいろなタイプがいて、それぞれの良さを生かすようにしています。例えば、若い先生は生徒たちとの心の距離が近いですから、生徒も体当たりで心をぶつけてくることも多いのです。一方で、ベテランの先生は全体を見渡し、豊富な経験から先を見越した指導ができます」

 つまり多くの教師がいるため、1対1ではなく教師チームと生徒という接し方ができるのが学校という場の特徴なのです。

「授業だけでなく、ホームルーム、部活など複数の居場所があり、それぞれの場で生徒がいろいろな顔を見せるのも学校の良さです。同じように心が揺れ動く時期の中にいる友人たちと、悩みを共有し相談しあえることも、大きな経験になります。そして、子育ては家庭だけでも学校だけでも100%やることはできません」

 家庭と学校とが連携して子どもたちを育てていくことがとても大切になります。

コミュニケーション力と自己を見つめる力を養う
「思春期の育て方」 保護者の心得
  1. 先回りして指示することを時にはグッとこらえる
  2. 「伴走者」となって見守りつつサポートしていく
  3. 「いつかは戻ってくる」ことを信じて忍耐強く向き合う

 最後に、中高生の心を伸ばすためにどのような活動に力を入れているかをうかがいました。

「中学1、2年生では、コミュニケーション力の育成を意識した取り組みを取り入れています。中3あたりからは、『仕事とは何だろう』『自分の適性は?』といったことを考え、自分を見つめる作業に力を入れていきます。さらに高校に上がると、職業に対する適性検査や、めざす職業に就くための取り組みを考えるガイダンスも実施していきます。本校の理念には『女性の自立』があり、社会で活躍する女性や卒業生の話を聴く機会も多く設けています。中学生にとっては少し背伸びして話を聴ける機会になります」

 また、考えを深めていくために、読書と読んだ本の感想をまとめる取り組みも行っています。

「朝読書の時間を設定し、中高6年間で200冊の本を読むことを目標にし、1冊ごとの感想を読書ノートにまとめさせています。中高生の時期に本をたくさん読み、考えをまとめる経験の積み重ねは非常に大きな力になります。
 また、この緑の多い環境は、都心の大学に進学した卒業生たちが、『帰ってきたくなっちゃう』と口にするほどです。環境が人の成長に与える要素は非常に大きく、常に自分の視界の中に緑があって、少し顔を上げると山があるという日々は、物事を考えるのにうってつけです。緑に囲まれた八王子の高台にある本校は『空に一番近い学校』と銘打っています。これが、一番の持ち味ではないでしょうか」

自分を知るための一歩は他人をよく知ること
自分を知り、お互いを知っていく中で、生涯の交流を持てるような貴重な友達も得られます。自分を知り、お互いを知っていく中で、生涯の交流を持てるような貴重な友達も得られます。

 学校教育の中で体験を重視している同校では、中学に入学して間もない4月の下旬に、課外活動として、体育館などで簡単なゲームを通してお互いを知り、交流する機会を設けています。まずはお互いを知ったうえで、中学校生活をスタートさせるのです。

 そしてそれを少しずつ発展させ、クラス、クラブなどの一つのまとまりの中で、様々な行事を通じて交流し、理解を深めていくことを重視しています。

(この記事は『私立中高進学通信2016年8月号』に掲載しました。)

共立女子第二中学校  

〒193-8666 東京都八王子市元八王子町1-710
TEL:042-661-9952

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