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私立中高進学通信

2016年8月号

アクティブラーニングで伸ばす新しい学力

田園調布学園中等部

思考力の高い生徒を育てる
協同探求型授業

65分間授業でもう一歩掘り下げるから学ぶ楽しさがわかる
全員が納得する良い解き方がわかり「やった!わかった!」と納得するグループ。考えることは楽しいと実感できる数学の授業です。

全員が納得する良い解き方がわかり「やった!わかった!」と納得するグループ。
考えることは楽しいと実感できる数学の授業です。

すべての教科をアクティブラーニング型に移行

 多彩な内容で豊かな教養を身につける『土曜プログラム』や知の拠点として整備された図書館など、同校は一歩先を行く改革を、常に行ってきました。アクティブラーニングについても、『協同探求型授業』と名付けて導入を進めています。

 同校のアクティブラーニングの特徴は、1コマ65分間の授業時間を最大限に生かしていることです。一般的に、主体的・協働的に学ぶアクティブラーニングは知識を覚えるだけでなく、学んだ知識を活用しながら生徒が調べる、話し合う、発表するといった場面が多くなるため、十分な時間が必要と言われます。

 同校では、2002年度から1コマを65分間に変更して、英語のペアワークや理科実験の分析考察などに活用してきました。これを、協同探求型授業にも活かしたのです。生徒の意欲を高める導入から、先生による説明、習ったことを深める活動、学んだことを分かち合う共有まで。たっぷりと時間を割く授業を行うことで、生徒の思考力が高まると確信できたということです。

 この協同探求型授業は、現在すべての教科で定着しつつあり、生徒が積極的に発言する姿やクラスメートと協力して課題に取り組む姿が見られるようになってきました。

 中1の数学の授業では、扇形の面積を出す公式の成り立ちを図形からたどる活動をしていました。約20分間をかけて「ほかにもやり方があるんじゃない?」「こういうのはどう?」と話し合いを続けることで「複数の考え方がある」ところまで到達できました。

授業のノウハウを教員間で共有

 同校は2014年度から2年間、東京私立中学高等学校協会の研究協力校として、アクティブラーニングの研究を手がけました。研究後のアンケート調査では約7割の先生が「生徒の思考力、表現力、主体性などが伸びた」と応えています。「授業に活気が出る」「授業が楽しい」といった声も聞かれました。各教科内で授業の成果を持ち寄る機会も増えたそうです。“知識に結びついた本物の学力とは何か”を、先生方も日々、生徒とともに探求しています。

活かすことで知識が確実に定着
知識伝達と活動のベストバランスとは

「アクティブラーニングを取り入れると知識がおろそかになる」などと言われますが、それは違います。知識の伝達とそれを活かす活動の両方の時間を確保し、知識の定着を図ることが重要なのです。今後は生徒の活動や取り組みを評価する軸を構築すること、目標を明確にしたシラバスをより充実させることなどが課題です。“ブレイクスルー(突破)”を合言葉に実践研究を続けていきます」
(西村弘子校長先生)

グループ活動を活発化して頭脳が生き生きする授業を展開
Group Activity 001数学

今日の数学は「とことん扇形」

 長岡敬佑先生(数学科)による中1の数学の授業では、扇形の面積を求める公式を、図形から考えて証明する活動を行いました。「半径r弧の長さℓの扇形の面積SはS=ℓr/2」と機械的に覚えるのではなく、体験を通して自分の頭で考えることを大切にしています。

Step 1考える時間

どのグループも活発に話し合います。わからない生徒は「教えて」と周りに助けを求め、教える生徒はわかりやすく説明します。「教え合い」で知識が定着するのも「協同」を重視する活動のメリットです。

Step 2生徒の解説メモを撮影

よいアイデアの班は、解き方をメモしたノートを長岡先生がタブレットで撮影します。

タブレットを教室のプロジェクターにつないで前方にあるスクリーンに映し、解き方や考え方を教室全体で共有します。

Step 3生徒が解き方を発表

スクリーンに映したメモを指示しながら、生徒たちはグループごとに自分たちの考えた解き方を発表します。たっぷりと考える時間を取ったこともあり、論理的で説得力のある発表を行っています。

Group Activity 002理科
伊藤昌晴先生(理科)による中2の理科の授業では植物の有性生殖について学んでいました。生徒はグループで確認し合いながらプリント問題に取り組み、その後で模型などを見ながら理解を深めていました。伊藤昌晴先生(理科)による中2の理科の授業では植物の有性生殖について学んでいました。生徒はグループで確認し合いながらプリント問題に取り組み、その後で模型などを見ながら理解を深めていました。
細胞分裂の観察ではスケッチを重視。細胞を観察してじっくり描くことができるのは65分授業ならではです。細胞分裂の観察ではスケッチを重視。細胞を観察してじっくり描くことができるのは65分授業ならではです。
Group Activity 003英語
オールイングリッシュの授業を中1~中2で経験している生徒たちのリスニング力は抜群です。文法を解説するため日本語を用いることもありますが、基本は英語で進みます。オールイングリッシュの授業を中1~中2で経験している生徒たちのリスニング力は抜群です。文法を解説するため日本語を用いることもありますが、基本は英語で進みます。
平福かおり先生(英語科)の授業では、「ディベート」を取り入れたスピーキングとライティングの活動が行われていました。自分の意見を素直に話せるのは、どの授業でも意見交換を活発にしているからです。平福かおり先生(英語科)の授業では、「ディベート」を取り入れたスピーキングとライティングの活動が行われていました。自分の意見を素直に話せるのは、どの授業でも意見交換を活発にしているからです。
ココも注目!生徒が自分で考えるよう問いかけを工夫

「『どう教えようか、というより、どんな問いかけをしたら生徒が自分で考えるようになるか』を中心に授業を構想する」と、入試広報室長・数学科の細野智之先生。細野先生は2010年、東京理科大学主催の第3回『数学・授業の達人』で優秀賞を受賞しました。絵本やパズル、ブロックなども教材の一部として利用し、工夫のある授業を展開。こうした授業のノウハウを先生方の間で共有しているそうです。

「最初はゆっくりペースですが、歯車がかみ合ってくると“わかった!”と一気に前進するのがアクティブラーニング型の授業。この発見は講義型の授業では少ない体験です」

(この記事は『私立中高進学通信2016年8月号』に掲載しました。)

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