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私立中高進学通信

2016年7月号

The Voice 新校長インタビュー

京華中学校

120年の伝統を核に「人を育む」男子校であり続ける

町田 英幸 (まちだ・ひでゆき)

町田 英幸 (まちだ・ひでゆき)
1961年、東京生まれ。上智大学文学部教育学科卒業後、同校の国語科講師を経て教員に。
学年主任を15年間、その後、教務主任、教頭を経て2016年春より現職。
趣味はスキーやスケート、陸上競技などスポーツ全般。卒業生と草野球チームを組んだことも。
特技は料理で、オーストラリア海外研修中は引率教員に三食ふるまうのが恒例なのだそうです。

7歳違いの教え子と毎年会える喜び

 京華学園は来年、2017年に創立120周年を迎えます。これからは本校の伝統ある教育を推進し、「これぞ京華」と呼ばれるにふさわしい、幹の太い学校にしていきたいと思っています。

 創立者の磯江潤先生は開校当初から教育現場に新風を吹き込んだことで知られます。母親が学校に集まる「懇談会」、今でいう保護者会を開いたのは本校が初と言われます。女性の社会進出が進んでいなかった明治時代には画期的なことでした。生徒手帳にあたる「生徒必携」を始めたのも磯江先生です。今でこそ当たり前のことばかりですが、教育における学校と家庭の連携の必要性を早くから見据えて、先駆けとなる取り組みを続けてきたのです。

 2012年度から高校3コース制、中学2コース制の新体制が定着し、大学合格実績が着実に伸びています。2015年度入試では医学部合格者が出ました。そのためか最近では「面倒見のよい学校」との評価をいただくようになりました。しかし、先ほど話したように生徒と教師の距離の近さは創立時からの伝統なのです。

 私が初めて教師として担任を持ったのは、自分と7歳違いの本校の高校生クラスでした。今でも学園祭には友達同士で来てくれて「先生、会いに来ました」と集まってくるのです。どちらが年上かわからないぐらいの、いい大人になりましたけれどね(笑)。

 彼らを見ていて思うのです。主体的に物事へのかかわりを持つ生徒を育てる方法をアクティブラーニングと呼ぶならば、本校が続けてきたことは既にアクティブラーニングだったのではないかと。「人を育む」伝統の上にアカデミックな面での成果が加わり大学合格実績が伸びたのです。これからも土台となる「人を育む」部分に目を向け、本校の魅力を表現していきたいと考えています。

一つの達成感から始まる未来を信じる

 男子の場合、大学受験に向けてエンジンをフル回転させるのは最後の1年間です。高校までは部活動や奉仕、行事、趣味など、「自分はこれだったらできる」と思えるものを何か作っておくことが大事です。それが学習に拍車をかける原動力になるのです。

 中3の弁論大会で優勝したのをきっかけに、ぐんぐん成績が伸び、難関私立の理系進学をした生徒がいました。オーストラリア夏季海外研修をジェスチャーだけで乗り切った生徒が、数年後には国際系の大学に進学して積極的に海外へ出かけていると聞きました。本校の教員はそうした生徒を何人も知っています。だからこそ飛躍のきっかけとなる達成感を6年間の中でつかみ取ってほしいと思っているのです。勉強とそれ以外の活動とのバランスを保ちながら成長してほしいと願っています。

叱ってくれた先生の思い出から教職の道へ

 私は子どもの頃、なりたい職業が3つありました。弁護士、パイロット、教師です。子どもの頃はやんちゃ坊主でよく叱られていましたが、子どもが好きだったことと、真剣に叱ってくれた中学時代の先生のことが思い出されて自然と大学は教育学部を選びました。

 周りが英語教師をめざす中、「人と同じではつまらない」と国語の教員免許を取得しました。本校に勤務してからは憎まれ役を買ってでも、たくさんの生徒と真剣に向き合い、あっという間に月日が流れてしまった感があります。私は若い先生方や生徒たちが自分の意見を主張してくるのは嫌いではありません。むしろ、元気があっていい。内心、応援したくなるのです。

生徒のがんばりや姿勢を褒めて励ます校訓
生徒を勇気づける2つの校訓
  1. ネバー・ダイ=あきらめないで取り組む不撓不屈の精神を励ます
  2. ヤングジェントルマン=礼節と博愛を重んじる男子であることを褒める

 建学の精神である『天下の英才を得て之を教育す』は、生徒一人ひとりの持つ才能・素質を社会に出て発揮できるように、素直に開花させていくことを意味しています。これはわれわれ教職員に課せられた言葉であり、創立者がいかに生徒に近い立場にいたかがわかります。

 一方で生徒たちが日々身近に感じるのは校訓のほうでしょう。

 一つは『ネバー・ダイ』。「不撓不屈」を意味する言葉です。生徒があきらめずに何かに取り組んでいる様子に対して教師が「それがネバー・ダイだぞ」と、もう一押しするようなときによく使います。頭ごなしに教えるのではなく、本人たちのがんばりを認める言葉なのです。物事に懸命に取り組んでいると壁に突き当たる。けれども前向きに進まなければなりません。その繰り返しの中にネバー・ダイの精神が培われるのです。

 もう一つは『ヤングジェントルマン』です。「若き紳士たれ」との願いを込めた「礼節・博愛」を重んじるキーワードです。制服のネクタイはワンタッチ式ではなく、毎朝きちんと締めて登校します。6年間続ければ板に付き、卒業後、スーツを着用する場面でも堂々としていられます。

 2016年度より導入した新制服はスタンダードで上質な服作りで知られる「J・PRESS」のキャンパスモデルを採用しています。名士を輩出するイェール大学のタイにちなんだストライプに特色があります。

 ヤングジェントルマンもネバー・ダイと同様、励ましの言葉です。世の中に出たときに恥ずかしくない男子になってほしい。そう願うときに「君たちはヤングジェントルマンなんだぞ」と声をかけるのです。本校にはスクール・ナビゲーターという有志の組織があり、学校説明会などで案内係などを積極的に担ってくれます。彼らはまさにヤングジェントルマン。学校見学に来る保護者の皆さんには「我が子の将来の姿」をイメージしてもらえると思います。

[沿革]
1897(明治30)年に磯江潤が京華尋常中学校を創立。『ネバー・ダイ』『ヤングジェントルマン』の校訓のもと、社会に有用な人物の育成を続ける。2012年より高校3コース制、中学2コース制の新体制となった。

(この記事は『私立中高進学通信2016年7月号』に掲載しました。)

京華中学校  

〒112-8612 東京都文京区白山5-6-6
TEL:03-3946-4451

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