LINEで送る

スクールポット中学受験版 - 首都圏学校情報検索サイト

ツイッター フェイスブック

私立中高進学通信

2016年7月号

The Voice 新校長インタビュー

女子聖学院中学校

学び続ける姿勢を培い
自分の基軸を持つ人物を育てる

山口 博 (やまぐち・ひろし)

山口 博 (やまぐち・ひろし)
日本キリスト教団牧師。北陸学院大学短期大学部で教鞭をとった後、神学の勉強のためイギリスへ留学。
北海道にある酪農学園大学に着任、副学園長を務める。2007年、母校である聖学院中高の校長に。
現在は女子聖学院校長、学校法人聖学院副院長、キリスト教センター所長、聖学院大学人間福祉学部チャプレンを兼任。

ようこそ聖学院ファミリーへ
校務の時以外は毎朝、通学路の掃除に立つ山口校長先生。校務の時以外は毎朝、通学路の掃除に立つ山口校長先生。

 創立以来111年間、ずっと女子教育を担ってきた本校は、『神を仰ぎ人に仕う』を建学の精神に据え、他者のために仕えることができる真のリーダーの育成をめざしてきました。わずか10人の生徒から始まった本校ですが、今や卒業生は1万人となりました。

 私自身、同じ学校法人の男子校にあたる聖学院の出身なのですが、聖学院というのは男女ともに、とても温かい雰囲気のある学校です。中高6年間と学校で過ごす時間は長くなりますから、友人や先輩、後輩、教員とが、まるで一つの家族のような存在になっていきます。今年の入学式では『ようこそ聖学院ファミリーへ』と新入生に言葉をかけました。6年間で育む友情や、恩師たちとのつながりは、かけがえのないものになるはずです。

教育は社会に出てからその真価が発揮される
中高時代に大切なこと
  1. 学び続ける姿勢を身につける
  2. 人生の基軸を持つ
  3. 自分の賜物を見つける

 こうした温かい雰囲気の中で、それぞれに与えられた自分の賜物(良さ、持ち味)を見つけ、社会の中でどう発揮していくかを考える場が、中高の6年間だと捉えています。大学合格をゴールに据える勉強では、その先が見えなくなる場合があります。押し付けの学問では学ぶ意欲は育ちません。学ぶその先に何をめざすのかが大切です。

 自分から学ぶ姿勢をこの時期にしっかりと定着できれば、社会に出てから力を発揮できるはずです。本校の教育のゴールは、社会に出たその先にあると考えているのです。

 先日、6月に開催される運動会の実行委員会がありました。運動会は、審判も含め運営はすべて生徒の手で行います。チャペルに集まっての今年初の会合は、闊達でありつつも、凛とした空気が流れていて、何とも言えない緊張感がありました。お互いの賜物を活かして、みんなで協力しながら運動会を成功させたい。そのために一つになろうとしている様子が見てとれ、とても頼もしく感じました。

 私は本校に着任する前から、聖学院副院長として本校の運動会を何度か見ています。様々な考え方の人間が集まって物事を動かすわけですから、開催までには意見の違いやそれなりの摩擦が生じることもあったかと思います。ですが、当日の生徒たちの動きは素晴らしいものでした。一つの方向に向かって心を一つにできるのは、彼女たちの心の内に、日々の礼拝で語りかけられてきた聖書の言葉が息づいているからだと感じます。

 生徒たちは今後の人生で、「選択の時」にたくさん出くわすでしょう。どこの大学に進むか、どの会社に入るか、結婚、出産、子育てと、「選択の時」は無数です。人間だれしも、迷いを感じる時があるものですが、そんな時、基軸となるものを持っているのと持たないのとでは大きな違いが出ます。基軸を持っている人間はブレがなく、万が一、迷いの道にはまり込んでもその軸を中心に考え、自分の羅針盤で正確な道に戻ることができます。

 聖書の言葉はどんな時にも私たちを励まし、道を示してくれます。私自身、聖書との出会いは聖学院中学に入学したことがきっかけでした。本当によく支えられています。中高生時代にこの聖書の言葉に触れることは将来、自分なりの基軸を持つうえで、とても大きな意味を持ってくると思います。

自分を活かして仕事と人生に取り組める人を育てる

 本校に着任する前は、聖学院の校長の任に5年間、就いておりました。その間、校務がない朝はいつも、学校の門の周辺を掃除しながら生徒たちに声をかけるようにしていたのです。男子校ですから、男子特有の思春期の雰囲気と申しますか、「おはよう」と声をかけても照れくさいのか返事をしてくれない生徒がいました。でも、毎日続けていると「おはようございます」と言葉が返ってくるようになります。あいさつとは不思議なもので、かわすと心が通うような気がします。目を合わせてきちんとあいさつをすることで、一つのつながりが生まれるのです。

 本校でもさっそく、この朝の日課を始めています。女子は実に真面目な生徒が多く、あいさつもよくできます。些細なことですが、こうしたところにも男女の違いを感じます。このように成長に違いがある男女ですから、中高の時期の男女別学は利にかなった指導なのだと思います。

 2015年の秋から本格的に導入した放課後学習のための『ラーニングセンター』でも、私語をつつしみ、真面目に課題に取り組んでいる姿が見受けられます。やる時にグッと集中してできるのも、女子ならではの力の一つだと思います。

 こうした女子の良さをさらに伸ばし、進んで社会の役に立つリーダーを育てることこそ、本校が神さまから与えられた役割だと思っています。

[沿革]
1905年、東京築地の宣教師館に女子のキリスト教指導者を育成するための神学部として開校。初代校長はバーサ・F・クローソン。その後、普通部本科、家政学部ができ、途中、神学部は青山学院神学部に合併。戦後の学制改革により、今日の形に。1960年女子聖学院小学部開設(現聖学院小学校)、1967年には女子聖学院短期大学(現聖学院大学)を開設し大きな発展を遂げた。

(この記事は『私立中高進学通信2016年7月号』に掲載しました。)

女子聖学院中学校  

〒114-8574 東京都北区中里3-12-2
TEL:03-3917-2277

進学通信掲載情報

【グローバル特集 留学】一人ひとりの賜物を尊重するグローバルマインドの育成
【制服物語】70年以上の歴史と伝統が宿るセーラー服刻まれた文化は今に受け継がれる
【行ってきました!学校説明会レポート】「ようこそ女子聖へ!」。生徒、教員が一体となって、学校体験へと誘います
【目標にLock On!! 私の成長Story】一人ひとりを認めて見守る環境で やりたいことに思う存分取り組める!
【SCHOOL UPDATE】オーストラリア ターム留学・1年留学 異文化を肌で感じて英語を使いこなす“表現者”へ
【私たち、僕たちが大好きな先生】語学力の向上とともに人間として大切なことを考えてもらうための「心を育てる英語教育」を
【学校生活ハイライト】声を掛け合い、呼吸を合わせ 仲間として心が通い合う
【思春期の伸ばし方】自分らしくやっていける実感が自立の基盤となります
【熱中!部活動】【演劇部/チアリーディング部】豊かな人間性を育む『演技』への取り組み
【グローバル時代の学び方】英語で「心を伝える」スピーチコンテスト
【The Voice 新校長インタビュー】学び続ける姿勢を培い自分の基軸を持つ人物を育てる
【育ち盛り食事情 学食調べ隊】家庭と学校が手を携えて生徒たちの食生活を支える
【大学合格力強化計画】細やかな学習支援プログラムで志望大学合格へと導く
【校長が語る 思春期の伸ばし方】子どもに対する信頼は待つことで築かれます
【キャンパス歩き】自己と他者を深く理解し共に国際社会の平和に貢献する力
【注目のPICK UP TOPIC!】入試問題から新たな女子聖を知る「学ぼうとする力」を求める学校からのメッセージ
【The Voice 新校長インタビュー】自分のことばに責任を持ち 表現し、伝えられる人物を育てます
進学通信2016年7月号
紹介する学校
共学校 共学校   女子校 女子校   男子校 男子校
この号のトップに戻る 進学通信一覧を見る
ページトップ