私立中高進学通信
2016年7月号
アクティブラーニングで伸ばす新しい学力
目白研心中学校
活発なグループワークを通じて“自ら気づく学び”を実践
最新の英語アプリやICTツールを使いこなす新世代授業

授業の最初に行うのは、生徒が2人1組で単語の意味をテストする1分間のペアワーク。
生徒同士、励まし合いながら繰り返し音読して定着させます。
ICTを活用した自学自習を 授業でさらに発展
コミュニケーション力、問題発見・解決力、自己肯定力の「3つの力」を身につけることが、これからの社会で必要だと考える同校。中3から『Super English Course(SEC)』、『特進コース』、『総合コース』の3コースに分かれますが、これらの力を育むため、まずは英語教育に特色があるSECから新しい学びを導入しています。
同校のアクティブラーニングのポイントは、ICTツールの活用とグループワークです。SEC2期生である高1のクラスの英語の授業を取材しました。少人数制のSECは、和気あいあいとした活気ある雰囲気。電子黒板とiPadをフルに活用して、問題の解き方を全員で共有しながら英作文の授業が進んでいきます。まずは自分で考えて問題を解きつつ、グループで疑問点やわからない点を話し合います。1人でもグループでも、自分で十分に考えたあとで先生から詳しい解説を聞くので、生徒たちは「わかった!」と深く理解するのです。
「大切にしているのは、自らで考え、学び取る自学自習の考えです。グループワークは、設問を多角的に捉えて考える訓練にもなりますし、柔軟な学び方を身につけられます。また、生徒同士が励まし合うことで自己肯定感も高め合い、良いコミュニケーションとは何かを学ぶこともできます」(英語科/小久保愛美先生)
今後は他コースでもアクティブな学びを導入
グループワークで気づきを促す授業は、ほかの教科でも大きな手応えを残しています。
「他のコースで2時間かかる家庭科の授業も、SECは普段からグループワークを行っているので取り組みがスピーディーです。授業中の反応も非常にいいです。活発に多角的な意見を出し合う姿に、ファシリテーション能力、プレゼンテーション能力がついていることを実感します」
(家庭科/久保多賀子先生)
2015年からは生徒が自ら決めたテーマを数カ月間かけて研究して、英語で世界に発信する『ジーニアス・アワー』も導入しました。2016年は、高1〜2が合同で研究やプレゼンを進めていきます。
今後はSECで培ったアクティブラーニングのノウハウを教師間でも共有し、他コースでも活用すべく準備を進めたいという同校。「3つの力」の育成は、新たな段階へと歩みを進めることでしょう。
『Super English Course』高1の英文法の授業
Active Learning Step1
授業で扱う単元の宿題が事前に出る
事前にiPadアプリ「smrt」の問題が宿題に出ます。設問もオールイングリッシュです。生徒たちはわからないながらも、自力で考えて問題を解いてから授業に臨みます。
Active Learning Step2
iPadでグループワークをしながら英作文
Googleドキュメントを使って、クラス全員が同時編集しながら英作文。リアルタイムで生徒が書き込んだ答えがiPad上と電子黒板に表示されていきます。グループワークで教え合いながら解いていきますが、つまずいているようなら、小久保先生が解答をチェックしながらサポートします。


Active Learning Step3
先生と質疑応答しながら生徒が回答

書き上がった英作文を、起立して1人ずつ発表。英語的な抑揚や身振り手振りを加えて、みんな堂々と英語で答えます。先生からはフィードバックがあります。
Active Learning Step4
小久保先生が設問の意図を解説

解いた英作文の出題は、宿題と類似した問題でした。先生が実際に解いた英作文をもとに設問の意図を解説すると、学びのテーマが「疑問文の答えとなるsubject とobjectの違い」であると理解した生徒たち。
Active Learning Step5
「わかった!」生徒が学習の全体像を理解

「そうか!わかった!」と気づきの声があがります。気づきで理解が定着したのです。宿題に立ち返り、もう一度、トライ。今度は理解したうえで解くので、自分で間違いに気がつき、修正できます。
Active Learning Step6
次回の授業範囲の予習が宿題に出る
目白研心が進める未来への設計図
「未来を生き抜く3つの力」

SECのアクティブラーニング型授業は、教師がサポーターとなり、グループワークを通じて「コミュニケーション力」「問題発見・解決力」をしっかりと身につけさせます。さらに、自ら発見したテーマを自主的に乗り越えることで、達成感と同時に「自己肯定力」も自然に伸びていくのです。
目白研心が日本初導入
英語学習「smrtプログラム」とは?

SECの英語授業では、カナダで開発された英語学習カリキュラム『smrt』を取り入れています。生徒はiPadにアプリをインストール。電子黒板とも連動しています。今回取材した授業も、smrtから抜粋した問題を宿題や英作文で活用していました。
「海外の英語学校で使われる英語教材がベースになっています。解説も問題集もすべて英語で、学校としては本校が日本初導入となります。私の授業では、授業で扱う項目の解説をノートにまとめ、問題を解くことを宿題としています。授業では問題の答え合わせを通して理解を深めています」
(小久保先生)
(この記事は『私立中高進学通信2016年7月号』に掲載しました。)
目白研心中学校
〒161-8522 東京都新宿区中落合4-31-1
TEL:03-5996-3133
進学通信掲載情報

PICK UP!!
紹介する学校
- 地域社会に貢献する体験型授業横浜富士見丘学園中学校
- 知の拠点 学校教育専門の司書が常駐 今年誕生した新図書館大宮開成中学校
- 100年以上の歴史を持つ伝統校の活気ある活動開智日本橋学園中学校
- 文武両道を実践して人間的成長を促進共栄学園中学校
- 身近な謎をカガクする未来の博士たちサレジオ学院中学校
- 高い意識を持って勉強と部活を両立させる獨協埼玉中学校
- 実力と精神力を高める濃密な部活時間多摩大学目黒中学校
- 人感センサー付きのエスカレーターを備えた地上11階の高層校舎日本大学豊山中学校
- 生徒たちのくつろぎの空間となるベンチ式の木製大階段富士見中学校
- 相互通行型授業で育てる国際社会を生き抜く力三田国際学園中学校
- 英語が苦手な生徒も成長したセブ島語学研修駒込中学校
- 世界を意識した学びを実践昌平中学校
- 理系テーマから世界を考える文京学院大学女子中学校
- 世界の多様性と温かさに触れる3つの海外研修芝国際中学校
- ASEAN諸国と教育連携 ALT授業で英語力を強化佐野日本大学中等教育学校
- 活発なグループワークを通じて“自ら気づく学び”を実践目白研心中学校
- 林業・漁業・農業体験は好奇心を刺激する貴重な時間日本学園中学校
- グローバル社会で、生き抜く力を育てる十文字中学校
- 将来に向け、学力とともに生きる力を育む日本工業大学駒場中学校
- 芽ばえ、花開く時期は一人ひとり異なります 環境・聞く・待つことが大切です恵泉女学園中学校
- 「有意義な失敗」と「欲張りな文武両道」で人としての在り方を学ぶ国士舘中学校
- 日本で唯一の「ダブルディプロマコース」文化学園大学杉並中学校
- 「学びを深め(修学)、それを実際に行動で示すこと(修行)」のできる生徒の育成立正大学付属立正中学校
- 仏教の教えのもと、学力の向上、人間的な成長を大切にした教育世田谷学園中学校
- 人を喜ばせることで自分も幸せになれる“清く・賢く・やさしい”女性を育てたい東京純心女子中学校
- 学び続ける姿勢を培い自分の基軸を持つ人物を育てる女子聖学院中学校
- 120年の伝統を核に「人を育む」男子校であり続ける京華中学校
- 創造力を高め、個性を尊重し生徒自らが「育つ」力を養う芝浦工業大学柏中学校
- 将来を見据えた授業改革と中学入試改革足立学園中学校
- 「指導員制度」と「チューター方式」で新中学1年生の学校生活をサポート八雲学園中学校
- 細やかな進路指導と校内講座で志望校に合格トキワ松学園中学校


